モノトーンでのときめき

ときめかなくなって久しいことに気づいた私は、ときめきの探検を始める。

フェルメール(Vermeer)とその時代のオランダ

2007-10-29 09:56:56 | フェルメール
【A beginning】
乃木坂にある国立新美術館で開催されている
フェルメール『牛乳を注ぐ女』とオランダ風俗画展を見に行った。

国立新美術館 フェルメール展入り口


素直に、フェルメール『牛乳を注ぐ女』は素晴らしい。
光り輝いていた。

また、フェルメールも含めた全体的な印象は、
17世紀オランダの絵画は、虚飾を廃し、神話をも廃した、
あまりにも写実的で
まるでモノクロ&パートカラーなどの写真を見ているようだった。

ルネッサンスは、それ以前の神話性の絵画から、
人間に目線をおいた芸術への復興だと捉えるとすると
16世紀オランダの画家ブリューゲルから、17世紀のフェルメールなどの絵画は、
もっと人間の生活に的を絞り、現実を切り取っている。

あまりにも写実的に現実を切り取っているがゆえに
ここが写真と感じるところでもある。
写真機がない時代に
写真に迫る絵画を16世紀~17世紀のオランダで集中的に描かれた。
この事実が今でいうパラダイムシフトに近い変革があったのだろう。

このような絵画が成立した16世紀以降のオランダ絵画のユニークネスは
画家の目線・技術向上だけでは成立しない。
絵画の買い手とその流通構造にも変革が必要だ。

その時のオランダは、
①政治・権力の構造
②産業・経済の構造
③絵画の技術
などで劇的な変化があり、これらの上にオランダ風俗画という市場が成立した。
と捉えたい。

(Next)


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