時々、鉄道模型って何だろうと考えることがあります。
鉄道車両の模型だろう? 本物を小さくして似せて作るんだろう? と言うことですね。
でも、この短い文章の中にも疑問がある。
まずは鉄道車両の模型、? 果たしてそれだけか?、 車両以外にも鉄道を構成するものはたくさんあるし、さりげない景色の中に線路が一本だけあっても鉄道の情景だ。
本物を小さくして、、、確かに小さくしないと置き場所に困るけれども、実物大の模型もあるにはある。
段ボールでできた実物大のC62. 島 英雄さんの作品。でもたとえ本人さんでもこれを鉄道模型とは言わないと思う。
やはり、もっと小さくて誰もが手軽に扱えるものだろう。
さて、言いたいことは、実物を模すのが果たして鉄道模型だろうか、と思うのです。
もちろん、実物あっての模型ですが、細部にわたって実物を模すと動かなくなる。
模型雑誌の記事で、精密に作った蒸気機関車が時々登場するが、たしかに、写真で見ると驚くほど細かい部分まで作ってあり、これがHOゲージで作れたのかと実に素晴らしい作品である。 でも、説明を読むと、構造上最小通過半径は1mほどあって、場合によっては直線しか走れないと言う。 細部のディーテイールのためにロッドや先従台車などが横に当たるのでカーブは諦めたと言うことです。 まるで、直線番長です。
でも、これが悪いとは思わない。 思い入れがあってできるだけ実物を縮小したような模型を作りたいと思って作っているので、それはそれで良いのだけれど、果たして、これが鉄道模型の目指すところとは思えない。 カーブを曲がれなければ事実上走らせられない。 でも、雑誌の記事では写真がものを言う。 走らせられなくても、精密にできている写真を見せつけられたら、読者はそれが素晴らしいと感じて、精密作品を目指す人が増えるだろうし、精密でなければ掲載してもらえないかもしれない。
でも、鉄道模型は走ることにも大きな意味があり、ショーケースに飾っておくのがメインの目的ではないはずだ。
走らせるようにするためには、実物にはない構造や機構がいる。 それが模型なのだ、そこを理解できないで、あくまでも実物にこだわる人が多いのだが、模型は模型と割り切る気持ちがあるかどうかだ。 でも、その割り切りレベルは人によって大きく異なることも事実だ。 そのあたりが面白いのかもしれない。
そして、私の場合は情景の中で走らせる模型だ。 もちろん、体育館のような場所は確保できないし、確保できても数十人のスタッフを雇わなければ製作や維持もできないであろう。 そこで、家庭で狭いところで走らせているが、それこそ模型としての構造、割り切りが必要になる。 そして、実物から離れれば離れるほど良く走る模型になる。 そう、実物からは雰囲気が貰えれば良い程度のゆるい考えで模型を楽しんでいる。 それが、私が考えている鉄道模型だ。
実物の鉄道が好きな人で、鉄道模型はカーブがきついので実感的ではなく、模型はしないと言う人もいる。 それこそ、実物でのカーブ半径が1kmも2kmもあるカーブを想定しているので、そりゃあ模型では無理だ。 まあ、そんなカーブを模型で作ってそこから見るんだろうと言うほど遠くから見ないとカーブであることすらわからないかもしれない。
ということで、鉄道模型は、鉄道車両模型だけではなくて、情景も含めて、それら全てが小さな世界にデフォルメされた動く模型だと思うことにしている。
雑誌に載っていた大きなレイアウト。 こんなレイアウトを自宅でできるわけはないけれど、やはり情景の中で鉄道模型車両を走らせたい。
このレイアウトの制作過程ではないけれど、大きなレイアウトである。 見えるところのカーブは緩くしているが、トンネルの中など見えないところには急なカーブを使っている。 これが緩いカーブを使うためのテクニックでこのために、大きなレイアウト走らせる車両も急なカーブを回れるように作られている。 最近のヨーロッパの模型の最小通過カーブはR430である。 製品のほとんどは大型車両だろうが長編成であろうが、このカーブを通過できるような構造で作られている。
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