由々しき事態。
という認識はあるのだろうか。
経済の隆盛ではなく、根本から日本経済が揺らいでしまっている。
回避する術はない。
だからこそ、考え方を改めなければならない。
働き方の転換をしなければ。その可能性を示唆するのもキャリアコンサルタントの役割ではないだろうか。
経済産業省のDREAMGATEが始まって、もう10年以上。
不況型経済を長く経験してしまった就業者たちは、
起業やアントレプレナーシップを持たなくなってしまった。
これは、
本当は何がしたいのか。
に問いかけられなくなったことに等しい。
事業継承も大事だが、
本当に何がしたいのか、は年齢に関係なく
日々、向き合わなければならない大事なことのはずだ。
事業継承もいいが、
なぜ、働くのか、を見つめ切れなかったツケが
ここまで影響を及ぼすことを、
なぜ、わからないのか。
日経新聞より。。。。。。。
日本経済を支える中小企業が「消滅」の危機を迎えるかもしれない。経営者の中心年齢は2015年に66歳となり、この20年で19歳上がった。円滑な事業承継や若者の起業が進まなければ30年には80歳前後に達し、いまの男性の平均寿命とほぼ並ぶ。早く手を打たないと厳しい未来が現実になってしまう。
東京五輪が遠い思い出となった30年の日本。年老いた中小企業経営者の2人が沈んだ顔でなにやら身の上話をしていた。
■後継者がいない
A「俺たち団塊の世代ももう80代か」
B「その昔、一億総活躍ってのがあったけど、俺もこの年までよく活躍したと思うぜ。もう引退させてもらいたいよ」
A「息子さんもぼちぼち還暦だろ。継いでくれるのか」
B「大企業でも定年が75歳になったそうで、いまの会社に骨をうずめるって言うんだぜ」
A「うちも継ごうなんて人は見つからないよ」
B「まだしばらく活躍するとしようか……」
いまから14年後の団塊世代の会話を絵空事と片付けるわけにはいかない。そんな未来はもう目の前に来ている――。
授業などで使うチョークで、一時期は国内シェア首位を誇った羽衣文具(愛知県春日井市)は15年3月、80年超の社歴に幕を下ろした。滑らかな書き心地で国内外に愛用者が多く、「チョーク界のロールスロイス」と称されるほどだった。
しかし、渡部隆康社長(72)の病気で事業を続けることが難しくなった。後継者も見つからず廃業に追い込まれ、技術や設備、商標は韓国企業に引き渡した。渡部社長は「他に手立てはなかったのか」と悔やむ。
中小企業のうち従業員数が20人以下の事業者は、14年までの2年間で廃業が開業を17万社上回った。規模の小さい企業は減少局面に入っている公算が大きい。民間の調査によると、休業や廃業、解散をした企業のうち半数近くの経営者が70代。経営者が70歳を超えると会社の存続に見切りを付ける可能性が高まる。
中小企業庁が経営者の年代別の人数を調べたところ、15年のピークは66歳。1995年は47歳だったため、毎年ほぼ1歳ずつ上昇している。このままでは2030年には80歳に届く計算で、多くの企業が存続の判断を迫られることになる。
日本では企業数の99%超、働く人の70%を中小企業が占める。全ての中小企業が消えることはないとしても、経済の土台は間違いなく揺らぐ。
こうした未来を避けるには、早いうちに世代交代をすることが重要になる。だが若い世代はリスクとリターンの両面で二の足を踏む。経営者の個人保証という慣行が一部に残るうえ、大企業と比べると収益性は低い。
中小企業の売上高はリーマン・ショック後の水準をなお下回り、緩やかに持ち直している大企業との違いが鮮明だ。円高対応や新興国需要を取り込むために大企業は海外展開を加速。中小企業が請け負っていた仕事も海を渡ってしまった。
大企業の国内回帰に大きな期待を持てないとすれば、中小企業に残された道の一つが自ら海外需要を取り込むことだ。輸出を手がける日本の中小企業の比率は3%程度。産業構造が似るドイツでは20%程度に達しており、それだけ伸びる余地があるとも言える。
大坪正人社長(左)は由紀精密を世界で戦える会社へと変えた
精密機械の部品を製造する由紀精密(神奈川県茅ケ崎市)の大坪正人社長(41)は13年に父親から会社を引き継いだ。先代の時代はコネクターなどの下請けに特化し、IT(情報技術)バブル崩壊の後遺症から抜け出せずにいた。
大坪氏は世界に目を向けた。最新設備の導入や国際標準化機構(ISO)の規格取得に動いたほか、フランスにも拠点を設けた。線路沿いの町工場に世界中からロケットや航空機部品の注文が舞い込むようになった。
■M&A活用も手
中企庁の調査によると、「積極的に投資していく必要がある」と考える49歳以下の経営者は32%。70歳以上の21%を上回る。若返りの歯車が回れば、将来への種まきにつながる可能性がある。
M&A(合併・買収)を含め、経営者が代わった企業の利益率は高くなる傾向がある。07~08年度に経営者が交代した企業の14年度の経常利益率は1.88ポイント上昇し5.50%。交代しなかった企業は3.37%と1.16ポイントの改善にとどまった。
事業承継を待つばかりでなく、若者の起業を促すことも有効な手立てになる。ただ14年度の開業率は4.9%。政府が目指す欧米並みの10%前後は遠い。政府も税制などの面で事業承継や起業をしやすい環境整備に動いているが、中小企業を消滅の危機から救うのは時間との闘いになる。(古賀雄大)
という認識はあるのだろうか。
経済の隆盛ではなく、根本から日本経済が揺らいでしまっている。
回避する術はない。
だからこそ、考え方を改めなければならない。
働き方の転換をしなければ。その可能性を示唆するのもキャリアコンサルタントの役割ではないだろうか。
経済産業省のDREAMGATEが始まって、もう10年以上。
不況型経済を長く経験してしまった就業者たちは、
起業やアントレプレナーシップを持たなくなってしまった。
これは、
本当は何がしたいのか。
に問いかけられなくなったことに等しい。
事業継承も大事だが、
本当に何がしたいのか、は年齢に関係なく
日々、向き合わなければならない大事なことのはずだ。
事業継承もいいが、
なぜ、働くのか、を見つめ切れなかったツケが
ここまで影響を及ぼすことを、
なぜ、わからないのか。
日経新聞より。。。。。。。
日本経済を支える中小企業が「消滅」の危機を迎えるかもしれない。経営者の中心年齢は2015年に66歳となり、この20年で19歳上がった。円滑な事業承継や若者の起業が進まなければ30年には80歳前後に達し、いまの男性の平均寿命とほぼ並ぶ。早く手を打たないと厳しい未来が現実になってしまう。
東京五輪が遠い思い出となった30年の日本。年老いた中小企業経営者の2人が沈んだ顔でなにやら身の上話をしていた。
■後継者がいない
A「俺たち団塊の世代ももう80代か」
B「その昔、一億総活躍ってのがあったけど、俺もこの年までよく活躍したと思うぜ。もう引退させてもらいたいよ」
A「息子さんもぼちぼち還暦だろ。継いでくれるのか」
B「大企業でも定年が75歳になったそうで、いまの会社に骨をうずめるって言うんだぜ」
A「うちも継ごうなんて人は見つからないよ」
B「まだしばらく活躍するとしようか……」
いまから14年後の団塊世代の会話を絵空事と片付けるわけにはいかない。そんな未来はもう目の前に来ている――。
授業などで使うチョークで、一時期は国内シェア首位を誇った羽衣文具(愛知県春日井市)は15年3月、80年超の社歴に幕を下ろした。滑らかな書き心地で国内外に愛用者が多く、「チョーク界のロールスロイス」と称されるほどだった。
しかし、渡部隆康社長(72)の病気で事業を続けることが難しくなった。後継者も見つからず廃業に追い込まれ、技術や設備、商標は韓国企業に引き渡した。渡部社長は「他に手立てはなかったのか」と悔やむ。
中小企業のうち従業員数が20人以下の事業者は、14年までの2年間で廃業が開業を17万社上回った。規模の小さい企業は減少局面に入っている公算が大きい。民間の調査によると、休業や廃業、解散をした企業のうち半数近くの経営者が70代。経営者が70歳を超えると会社の存続に見切りを付ける可能性が高まる。
中小企業庁が経営者の年代別の人数を調べたところ、15年のピークは66歳。1995年は47歳だったため、毎年ほぼ1歳ずつ上昇している。このままでは2030年には80歳に届く計算で、多くの企業が存続の判断を迫られることになる。
日本では企業数の99%超、働く人の70%を中小企業が占める。全ての中小企業が消えることはないとしても、経済の土台は間違いなく揺らぐ。
こうした未来を避けるには、早いうちに世代交代をすることが重要になる。だが若い世代はリスクとリターンの両面で二の足を踏む。経営者の個人保証という慣行が一部に残るうえ、大企業と比べると収益性は低い。
中小企業の売上高はリーマン・ショック後の水準をなお下回り、緩やかに持ち直している大企業との違いが鮮明だ。円高対応や新興国需要を取り込むために大企業は海外展開を加速。中小企業が請け負っていた仕事も海を渡ってしまった。
大企業の国内回帰に大きな期待を持てないとすれば、中小企業に残された道の一つが自ら海外需要を取り込むことだ。輸出を手がける日本の中小企業の比率は3%程度。産業構造が似るドイツでは20%程度に達しており、それだけ伸びる余地があるとも言える。
大坪正人社長(左)は由紀精密を世界で戦える会社へと変えた
精密機械の部品を製造する由紀精密(神奈川県茅ケ崎市)の大坪正人社長(41)は13年に父親から会社を引き継いだ。先代の時代はコネクターなどの下請けに特化し、IT(情報技術)バブル崩壊の後遺症から抜け出せずにいた。
大坪氏は世界に目を向けた。最新設備の導入や国際標準化機構(ISO)の規格取得に動いたほか、フランスにも拠点を設けた。線路沿いの町工場に世界中からロケットや航空機部品の注文が舞い込むようになった。
■M&A活用も手
中企庁の調査によると、「積極的に投資していく必要がある」と考える49歳以下の経営者は32%。70歳以上の21%を上回る。若返りの歯車が回れば、将来への種まきにつながる可能性がある。
M&A(合併・買収)を含め、経営者が代わった企業の利益率は高くなる傾向がある。07~08年度に経営者が交代した企業の14年度の経常利益率は1.88ポイント上昇し5.50%。交代しなかった企業は3.37%と1.16ポイントの改善にとどまった。
事業承継を待つばかりでなく、若者の起業を促すことも有効な手立てになる。ただ14年度の開業率は4.9%。政府が目指す欧米並みの10%前後は遠い。政府も税制などの面で事業承継や起業をしやすい環境整備に動いているが、中小企業を消滅の危機から救うのは時間との闘いになる。(古賀雄大)
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