天津ドーナツ

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スピーチコンテストが終わりました…失敗の連続でしたが、やってよかったです。

2011-05-22 11:44:21 | 結果報告
「心を伝える」

「チームワーク」

「元気があれば何でもできる」

の3つをスローガンに、第2回ドーナツ杯天津市1・2年生スピーチコンテストが行われました。



1.観客編

  視察に来ていたコンサルティング会社の方が、

  「観客の質がよい。今まで見てきたコンテストでは、あちこちで携帯電話を

  いじっている学生がいたが、今日はまだ見ていない」とおっしゃっていました。

  また、スピーチの中での呼びかけや問いかけにも、きちんと反応していました。

  また、審査結果が出るまでずっと待っていてくれたことにも、お礼を言います。

  本当にありがとうございました。

  

  中には始まってしばらく、恋人同士で座って話をしている学生もいましたが、

  途中でそれが気にならなくなるぐらい、選手のスピーチはすばらしかったです。

  と言うわけで、次は、



2.選手のスピーチ編  です。

  ゲストとして来て下さった日本企業の方が、

  「心が伝わってきて、途中で泣きそうになりました」

  とおっしゃっていたのが、すべてだと思います。



3.審査員編

  こんなに真剣に話し合う審査員会議は、初めてでした。

  また、各審査員賞の表彰式でも、選手に声をかけていただいたのですが、

  その時の学生達の表情をみると、こちらも嬉しくなりました。

  そして、講評で本当に一生懸命に話してくださったM先生、

  本当にありがとうございました。



4.スタッフ編

  (1)やり直すべき点

     審査結果が出るまでに30分以上かかりました。

     その結果、あわてたスタッフの連絡ミスがおき、

     表書式で名前を間違えて読んでしまうなど、混乱が見られました。

     ひとつのミスが、他のミスを引き起こしてしまうこと、

     「たぶん、大丈夫です」という理由でリハーサルを行わない、

     それは絶対に許されないことです。



  (2)良かった点

    ①当日の朝、7時過ぎにはスタッフが集まってきたこと

    ②案内の学生が10時から(つまり、4時間)外に立って、きちんと案内できたこと。

    ③会場を盛り上げようとして、スタッフが率先して拍手をしたりしていたこと

     (Oさん、本当にありがとう)

    ④終了後、全スタッフが会場の外に並び、見送りをしたこと



もっとも印象に残ったのは、優勝したLさんの感想です。

その感想の意味が分かる人はごく少数だと思いますが、

審査員のM先生、そしてゲストのM先生の二人は、何度もうなずいていました。



ここに書いた以外にも、改善すべき点、はっきり言えば、途中で中止にすべきレベルのミスも

少なくなかったコンテストです。

もし、次のコンテストでも同じミスが起きたら、あるいは起きる可能性が

あると感じられたら、その時点で、コンテストを中止にしたいと思います。

ゲストの方もおっしゃっていましたが、「同じミスを二度起すことは許されない」のです。

(ゲストの方がそういう発言をするということは、そのミスはとても大きなミスだということです)



このような状態でしたので、とてもではありませんが、「成功した、乾杯!」とは言えないコンテストでした。

それでもなお、私は今回のコンテストをやってよかったと思います。

それは、審査員、ゲスト、観客、そして選手とスタッフたちの真剣な顔を見ることができたからです。



日本語教師としての私は、

語学の面では効率を、

教育の面では効率ではなく効果を大切にしたいと考えています。



コンテストへの出場を通じて、日本語力がアップするのは当たり前です。

特訓を受けている選手とクラスメートの差も開きますし、

選手同士の差も、取り組み方によって開いてきます。



しかし、コンテストの意義は、それだけではありません。

少数の、おそらく、数人というレベルだと思いますが、今回のコンテストが成長のきっかけになる

学生が、選手にも、スタッフにも、学生にもいると信じることができる、今回はそういうコンテストでした。



そして、このようなコンテストを積み重ねていけば、

その数人が数十人になる、そう思えるコンテストでした。



「たった数人~数十人の成長のためにコンテストを開催する?」

「そんなの非効率的だ」、そういう声も聞いたことがあります。



でも、私は、教育に効率を求める時代(規格品の大量生産・大量消費と同じ発想)は、

終わったと思っています。

繰り返しますが、語学の面においては、今まで以上に効率的な勉強方法が求められると考えていますが、

人間的な力は、効率よく伸ばすことは無理だと思うのです。



あえて言えば、「語学面」だけに絞れば、効率よく「教育する」ことは可能でしょう。

実際に、「能力試験N1ぐらいだったら、1年前後で合格させることができる」という日本語学校は

少なくありません。1年でN1に合格、とても効率的ですよね。



しかし、人間的な部分は、「何年でこのレベル」というのは、

試験勉強と同じようには計算できないのではないでしょうか。



効率的ではないかもしれないけれど、効果はある、

ドーナツはそのような成長の種を蒔くためにやっています。



そういう意味で、今回のコンテストは、

「失敗の連続だけれど、やってよかった」と思います。



責任者として、最後までやりとおしてくれた商業大学のHさん、

本当にありがとう。



ゲストの方も、審査員の先生方も、大人の人たちはその苦労が分かります。

だからこそ、講評や結果発表などで、あんなに一生懸命に話をしてくれたり、

終了後も会場の外に残って、何十分も話をしてくれたのです。



スピーチが始まると外に出て、タバコを吸いながらコンテストの終了を待ったり、

居眠りをしているゲストがいるコンテストを、何度も見てきた私には、

昨日の光景は、とても新鮮な驚きでした。



失敗は次に取り返すことにして、しばらくは、自分のした仕事に満足していいと思います。

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