中古で購入したCDである。
’89年再発廉価盤『T.REX GREAT HITS』
このアルバムは、’73年10月に発売されたものである。
T.レックスは、マーク・ボラン(vo,g)のワンマン・バンドと言ってもいいと思っている。
ミッキー・フィン(perc,vo)という相方がいるのだが、単なるロック・ファンは残念なが
らミッキーの名を知らない。
私も、その一人である。
T.レックスは、私の中では「深夜放送」の音楽である。
まだ、ステレオ装置を持たず、シングル・スピーカーのFM・AM・短波ラジオを聞いて
いた時に耳にした音楽であるからだ。
T.レックスは、グラム・ロック(グラマラス・ロック、)という名にくくられた音楽ジャンル
の旗頭であった。
この再発盤のライナーノーツを書いた八木誠氏の視点は鋭く、これを読んで初めて
「グラム・ロック」というくくりに対する疑問が解けた気がする。
このジャンルには、デヴィッド・ボウイやロキシー・ミュージック、時代を下って、カルチ
ャー・クラブなどが含まれているが、そこに音楽的な共通スタイルはないということ。
あえて言えば、ロックまたはロックン・ロールが共通の音楽スタイルとしてある。
化粧を施し、派手な衣装を纏った外見的なものに着目した“ジャンル”が「グラム・ロ
ック」と称された。
これで、納得した。
’77年9月16日、自動車事故で同乗していたマーク・ボランだけが亡くなった。
しばらくして、廉価盤で発売されていたレコード『ザ・スライダー』を購入している。
モノクロ・ジャケのボランがかっこいい。
さて、トランジスタ・ラジオを卒業した私は、’73年のヒット曲「20センチェリー・ボー
イ」以後に作られたT.レックスのサウンドを耳にしたことはない。
『グレイト・ヒッツ』は、『ザ・スライダー』に収録されていない
「チルドレン・オブ・ザ・レヴォリューション」
と
「20センチェリー・ボーイ」
を補完するために購入したのであった。
ちなみに、「20センチェリー・ボーイ」のレコーディングは、’72年秋の来日時に行わ
れ、イギリスでリミックスやトラック・ダウンされた作品であるとライナーノーツに記され
ていた。
私にとっては、異色のロック・アルバム・コレクションである。
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