ドイツ人アーティスト、トーマス・ルフの作品が
起用された美術館の案内です。
オフセット印刷の上から
3人のポートレートと文字部分に
肉厚の透明メディウムが刷られた豪華な印刷。
バブル期に時々見かけた仕上げ方です。
近年では久しぶりに見ました。
展覧会の内容が気になるというより
印刷の物質感に魅せられて保管していました。
お盆明け
この数ヶ月の間に
たまった書類を整理している時
あらためて
この印刷物を繁々見ていると
「みること」「うつすこと」という
サブタイトルが気になってきました。
会場は和歌山県立近代美術館。
決して遠くはない日帰りで行ける距離。
しかし
1987-92年に何度か訪れて以来訪問していません。
建物が新しくなってからの様子を知らないため
美術鑑賞マニアとしては
この機会に見ておかねば!
と
思い立ちました。
*
和歌山県立近代美術館は
和歌山城の南側に博物館と並んで存在します。
美術館のエントランスには
美術館名が刻まれた石碑がありました。
この構図ではシブイ和風建築のような・・・・
ところが
建物はこのような感じです。
黒川紀章氏の設計による地上2階、地下1階の建築物です。
展覧会場入口の様子
なつやすみの美術館展は
美術館のコレクションを中心とした展示ながらも
コレクションを披露するだけにとどまらず
奥深い展覧会でした。
その内容とは
・
・
・
描かずに「うつすこと」について
そして
「みること」という体験について
の
再考
本展での「うつすこと」には
写真のほか版画など
複製メディアを用いた作品も含んでいます。
各展示エリアの表題を上げると
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写真と美術表現
光について
存在をうつす
写真と版画のあいだに
時間と記憶
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まるで
写真論、メディア論のタイトルのようです。
しかし、実のところ、この展覧会は
夏休みの特別企画
こども向けの内容です。
疑問をもって作品に向き合うことができるよう
各展示エリアにやさしい言葉で解説文をつけるなど
入念に仕込まれた展示でした。
また
この美術館は昔
和歌山版画ビエンナーレという公募展を
開催していた経緯もあり
版画作品が充実していました。
徳永写真美術研究所の取り組みに
ぴったり沿った展示内容に大満足。
展示期間が残り僅かという時期での
報告となってしまった事が悔やまれます。
ご都合がよろしければ、ぜひ!
なつやすみの美術館「みること」「うつすこと」展
2011年7月2日(土)-8月28日(日)
会場:和歌山県立近代美術館
Yoshie
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徳永写真美術研究所
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