工房 十一椿(toi tsubaki)

久留米絣や 大島紬など 着物を使って洋服やバッグなどの製作・販売を行っています。

大島紬を使い切って・・ベスト

2019年01月14日 | 大島紬

大島紬のアンサンブルをほどいた反物をお預かりしました。

そこから コートとロングベストをお作りしました。

残りは、50cmほどのハギレが数枚と半幅が少し。

 

もう何もできないだろうと お返しすると・・

 

お客様から

 

「継ぎ接ぎでもいいから 使い切ってしまいたい

 

っとご要望が・・。

 

そこで 接いでハイで・・はいで。

 

 

 

ベストができましたぁ~。

 

前身ごろは・・こんな感じ。

 

 

 

・・で

 

どこを接いでいるかというと・・

 

 

 

 

 

左右の見頃のちょうど 真ん中あたり。ここ・・と ここ。

 

・・っで

 

後ろ見頃は・・

 

 

どこか わかりますか??

 

これも・・

 

 

 

 

後ろ見頃の 左右の見頃の真ん中あたりの ここ と ここ。

接いでます。

 

 

計4か所を接いで 

かんせい~!!

 

背中の肩と 前肩のヨークを接いで

赤のパイピングを挟み込んで

アクセント。

 

裏地にも パイピングと同じ 赤の裏地を

お付けしました。

 

 

赤が・・ちらり・・。

 

 

 

・・っで さらに・・半幅のハギレで

 

 

 

 

バックルベルト。

 

 

 

開くと・・こんな感じ。

 

これで・・残りのハギレは 手のひらくらいの大きさのみ。

 

使い切りました~

 

さっそく納めてきたいと思います。

 

 

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新年あけ

長らくご無沙汰しているお客様のご様子を

伺いにいきました。

 

 

1年半前にお会いした時

ご家族がご病気で ご自身も病院通い・・とこぼされてましたが

それでも

話し方も声も顔色も元気がおありで

「次は これでベスト作って そのあとは・・これで」っと

楽しそうに話されていたので

体調がよくなられたら またお伺いしますねっと

お声をかけて その時は お暇しました。

 

それから ご連絡しなくては・・と思いつつ

あっという間に時間が過ぎ・・

 

今年こそは ちゃんとご挨拶しておかなければっと

ご自宅に行ってみると

玄関には・・・

 

 

”売家”の張り紙が・。

 

あ・・ぁ・・・・

 

 

 

 

顔見知りのご近所さんに尋ねてみると

 

お一人になられて

だんだん いろんなことが分からなくなってしまわれ

 

お客様ご自身が高齢ということもあり

施設の方へ入居されたとのことでした。

 

たった・・1年ほどのあいだに・・。

そんな変化が起こっていたとは・・。

 

 

 

 

 

 

この仕事をはじめて 8年。

今までお仕立てをしたお洋服のファイルを繰りながら

その間にお会いしたお客様を改めて思い出してしまいました。

 

その中には

亡くなられた方も ご病気になられた方も

施設に入られた方も

いらっしゃいます・・・。

 

 

 

自分自身が 

まだ”人生”と言えるほどしっかり道を歩めていないのに

 

いろんな形の

人生の終盤を目の当たりにする機会がおおく

 

せつなくなりますね・・。

 

 

”そのうち・・そのうち・・”と先延ばししていると

突然 

”そのうち”は絶たれてしまうこともあるのだと

今年は そのことが身に染みた

1年のはじまりです・・。

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