先日の日曜日、民放テレビ「情熱大陸」で、アイヌ木彫家“貝澤徹氏”を放映していた。貝澤徹氏は、アイヌ文化を守り続けるために日高管内平取町二風谷で、木を彫り続けている。
彼の作品は、イギリスの大英博物館にも展示されており、一昨年、ロンドンなどで講演も行っている。アイヌの伝統工芸技術を駆使しつつ、故郷に対する愛着と葛藤を現代的な感性で表現している。
トンボや衣服、家族のつながる手などの作品は、世界各地の人々を魅了しており、受注してから納品まで5年もかかる作品もあるという。
今月、白老町にオープンする国立民族象徴空間「ウポポイ」にも、アイヌの入れ墨をした女性を描いた木彫作品が、展示される予定である。
昨年3月には「シマフクロウ」が、札幌地下鉄の遊歩道に展示され話題になった。このことを九州の知人に伝えたところ、「コタン・クルカムイ(の神様)が地下街の狭い、雑踏空間に設置され、かわいそうだ」との感想があった。その後、知人から「よく考えてみると、そのこと自体が貝澤徹氏の思い、表現であることに気づいた」との報告があった。
アイヌの名工と言われた“貝澤ウトレントク”は彼の曾祖父で、大正2年、大阪で開催された「明治記念拓殖博覧会」に「盆(アイヌ語でイタ)」を出品し、銅賞を受賞している。なお、貝澤徹氏は息子の義父でもある。
「十勝の活性化を考える会」会長
注) 貝澤徹
1958年、二風谷に生まれ、工芸家の父(勉)やその仲間の職人に囲まれて育つ。 曾祖父の貝澤ウトレントクは、明治時代に名工といわれた二人のうちの一人。
その曾祖父から引き継ぐ伝統を重視しながら、そこに独自の感性と技術をとけ込ませ、自分らしさやメッセージを表現する、独創的なアイヌアートに精力的に取り組んでいる。ふと気づいたことを題材に作品を創作。代表作「UKOUKU(ウコウク)/輪唱」は、昔のアイヌ民族の入れ墨をした女性の手の写真から発想し、世代交代しながら文化が受け継がれるというメッセージをこめて創り上げた。北海道アイヌ伝統工芸展北海道知事賞ほか受賞多数。「北の工房 つとむ」店主。
(出典:平取町ホームページより)
木彫り大作、作業大詰め 3月に札幌で展示のシマフクロウ
平取の貝沢さん
【平取】町二風谷の工芸作家貝沢徹さん(60)がアイヌ民族の守り神であるシマフクロウの木彫りの大作に取り組んでいる。札幌市が2019年3月、市営地下鉄南北線さっぽろ駅構内の歩行空間に展示するオブジェだ。貝沢さんは「多くの人に親しまれる作品に仕上げたい」と日々、木づちでのみを打っている。
白老町の民族共生象徴空間の20年開業をアピールする「アイヌ文化を発信する空間」に設けられ、同空間では最大のオブジェとなる。貝沢さんは英国の大英博物館に作品を出品するなど高い技術に定評があり、札幌市から今春に制作を依頼された。
作品はアイヌ民族の守り神シマフクロウが空に飛び立つ姿で、高さは2メートル40センチ、左右の翼を胴体に合わせると、両翼は4メートル超となる。原木は平取を流れる沙流川にあった埋もれ木で「いつか大作を制作するために保管していた」という。
貝沢さんにとってこれほど大きな作品は初めて。胆振東部地震で工房内の作品も倒壊する被害を受けたが、原木を立てずに作業をしていたため、シマフクロウ像の倒壊は免れた。「立てていたら倒れて割れ、やり直しだった」と話し、守り神に救われたことに感謝している。
(出典:2018年12月10日付け、北海道新聞 電子版より)
十勝の活性化を考える会」会員募集
そして、以前住んでいた時に
二風谷には、何度となく足を運びました
作品には、人柄が出ますね
貝沢さんの心が、しっかり作品に出ていますね
アイヌ民族の文化・言葉等がこれからも、受け継がれていく事を願っています
ワタシは、織物・刺繍を習った事が有りました
今、この時代に、その当時の生活にはなれなくても、アイヌ民族の生活のように、全ての物に感謝して生きていく事を考えて生きていく事が必要なのでしょうね
ウポポイにも、行ってみたいです
私は、平取町二風谷に今月も行く予定です。なお、作家の瀬川拓郎氏の「アイヌ学入門」によりますとアイヌ文化を”ニブタニ文化”と言っています。