日高山脈は北海道の中央南部にある唯一の山脈で、狩勝峠側の佐幌岳から襟裳岬までを南北に貫く長さは南北およそ150 km。「北海道の背骨」といわれるほど地形が険しく、山脈を横断する道路は、狩勝峠のある国道38号線、日勝峠のある一般国道274号線、天満街道のある国道236号線である。
日高山脈は、氷河の痕跡であるカールが見られる日本では数少ない山脈で、登山道はあまり整備されておらず登山をするのは容易ではない。日高山脈は、山の斜面を氷河がスプーンですくったようなくぼ地になっている日本では数少ない“カール”を見ることができる。カールを見ると、1965年に起こったカムエク(1979M)での北大山岳部の雪崩遭難事故を思い出す。
これは、登山隊6人がカムエク十ノ沢での露営中に大規模な雪崩に巻き込まれ、全員が死亡した事故である。6人は決して危険な場所に雪洞を掘っていたわけではなく、国内最大級の雪崩に巻き込まれたのである。
春の雪融けを待って再開された捜索で、全員の遺体を発見した。そして、奇跡的に即死を免れた山岳部リーダー澤田義一氏が、テントのすき間で4日間にわたって書き綴った遺書がポケットから発見され、大きな反響を呼んだからである。遺書の最後には、母親宛てに「先に死んでいく、私の我がままをお許しください。」と書かれていた。
趣味が登山であったため日高の山にも多数登ったが、“北海道の山登りは日高に始まり日高で終わる“といわれるほど、手付かずの自然が残る魅力一杯の山々といって良いだろう。
環境省は、2年後の2024年をめどに国立公園化を目指しているが、国内最大規模となる見通しである。その魅力の一番は、日高山脈の成り立ちだろう。北海道の山の多くが火山なのに対し、日高山脈はヒマラヤ山脈や北アルプスと同じく、およそ1300万年前の造山運動によって生まれた褶曲山脈でとても険しい。
山ができる原因には、大きく分けて2種類ある。ひとつは噴火で、二つ目は地中深くに埋まっている巨大なプレートが衝突した場合で、日高山脈は、ユーラシアプレートに北米プレートが入り込むように衝突によって作られた山脈である。
3年前、国際女子アイスホッケー大会が帯広の森アイスアリーナで開催された。参加チームは、アメリカ、カナダ、スイス、チェコ、スウェーデン、フィンランド、ロシア、日本の8チーム。カナダチームの関係者は日高山脈の山並みを見ながらとても綺麗な山脈と言っていた。カナダにはロッキー山脈があるが、日高山脈も負けず劣らずに綺麗だったのだろう。ただ、日高山脈はヒグマも多く毎年のように人身事故が起きているので、入山にはくれぐれも注意が必要である。
「十勝の活性化を考える会」会員
注)日高山脈(十勝側より)
(出典: 『ウィキペディア(Wikipedia)』より抜粋)
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