劇作家兼演出家の 鴻上尚史氏が “幸せのヒント”の題で、機関誌「JAF Mate」に文章を載せていたので、その一部を紹介したい。
『イギリスに留学していた時、なにげなくテレビを見ていたら、ガーデニングの番組が放送されていました。レポーターに紹介された人は、いかにも普通のおばさんという風貌で、それは楽しそうに自分の庭の花々を紹介していました。
(中略)
番組は、レポーターが町を歩いて、素敵な庭を見つけるとインタビューするというスタイルでした。庭先で紹介するその女性は、本当に幸せそうな笑顔で、「花を育てるのが好きなの。そして、道を歩く人達に見てもらいたいことも」と語っていました。
この女性の発言がずっと僕の心に残って、僕は「幸せのヒント」(だいわ書房)という本を書きました。それは、「幸福とは、結局、自分が、「何を幸福だと思うか?」ということを見つけることなんだ」と思ったからです。
僕たち日本人は、ともすれば、こんな庭を見せるのは恥ずかしい」とか、「周りの人は評価してくれるだろうか?」とか、自分ではなく「周りの人がどう思うか」を、自分の幸福の基準にしがちではないかと思うのです。
多くの人がスマホを持ち、SNSの評価などを気にすることが当たり前になってきた時代は、その傾向が加速されます。でも、こんな時代だからこそ他人が「いいね」を押すとかフォローワーの数が何人になったかではなくて、「自分はいったい、幸福とは何だろう」とゆっくり考え、見つけることが大切だと思うのです。』
私の趣味はガーデニング”なので、以上の文章を読んでそのとおりだと思いました。他人が、自分の庭をどう思うかは関係ないのです。なぜなら、脚注の写真にあるように、私の庭にはシダ、ササ、エンレイソウ、ギョウジャニンニク(別名:アイヌネギ)、ヤチボウズなど野生植物だらけです。
野生植物は自然界で生き残る仕組みを持っているので強く、栽培植物は改良されているので弱いと思います。庭には、木々と宿根草主体の花々がありましたが、栽培植物はいつの間にか死んでしまいました。植物が減る理由には、日当りや含水率などの土壌が適合しないことです。例えば、クリスマスローズやデルフィニューム、ガウラなどがいつの間にか無くなりました。
一般的に植物は、水はけが悪いところでは生育が悪く育ちません。ギョウジャニンニクは強くて育ちますが、匂いが強いのが難点です。雪解けを待っていたように青々とたくましい姿を見せるので、観賞用に大事にたくさん育てています。ある時、町内会の花見がありましたので、ジンギスカン鍋用に食べていただきました。
動物と植物とは共存していかなければならないのですが、適者生存であるのは植物の世界でも同じです。地球上には、約九百万種の動植物が生存していると言われていますが、環境汚染や地球温暖化などから減り続けています。かけがえのない地球を考えると、人間を含めて動物も植物も生存していける持続可能な環境が大切であると思っています。
「十勝の活性化を考える会」会長
注) 庭の写真
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