特殊清掃「戦う男たち」コメント公開

戦友の意見交換の場として公開しています。

二人三脚(公開コメント版)

2015-11-05 09:13:24 | 遺品整理
遺品処理の問い合わせが入った。
電話の向こうの声は初老の女性。
上品な言葉遣いと穏やかな語り口。
日常において、私みたいな下世話な人間と関わることはなさそうな雰囲気の人だった。

そんな女性の用件はこう・・・
しばらく前に母親が死去。
それにともなって、遺品が大量に発生。
友人や知人の手を借りながら、かなりの物は処分。
ただ、家具等の大型重量物が手に負えない。
そこで、その処分をお願いしたい。
・・・というものだった。

問題の大型重量物は、たったの数点。
手間はかかるが、費用は行政の粗大ゴミ処分を利用したほうが安く済む。
その他の遺品は自分の手で処理したわけだから、粗大ゴミだってできないわけはないはず。
したがって、女性の用件は、仕事になる可能性が低いうえ、仮に仕事なったとしても少額の売上にしかならないことが容易に想像され、私は、いまいちやる気が起きなかった。

私は、遺品の内容を確認し、概算の費用を伝えた。
そして、「行政の粗大ゴミ処分を利用されたほうが費用も安く済むと思いますけど・・・」と、アドバイスして、この話を締めかけた。
しかし、女性は、私が提示した金額を「高い」とも「安い」とも言わず。
どうも予算が決まっていないみたいで、「とにかく、一度、見に来て欲しい」と言う。
私の頭は、金にならなそうな依頼に難色を示したが、「これも何かの縁」と考えをあらため、スケジュールは私の都合を優先させてもらうことを条件に、現地調査に出向くことを約束した。

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10 コメント

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Unknown (御厨)
2015-11-17 20:45:55
少なくとも今の私には支えになっていたりしますよっ!
お身体御自愛なさって下さいね。
いつもありがとう。
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Unknown (支えあいましょう!)
2015-11-17 22:37:12
などというのはおこがましいでしょうが。隊長さんの文章にはいつも、励まされています。こんな読者からの返信に隊長が、果たして励まされるのかどうかは、謎ですがカラダには、気をつけてブログ楽しみにしていますのでまた、よろしくです?何度も書き込ん出ますが、最近更新が、すごく、早くてビックリしていますよ。何年か前のブログなんて更新がなかなか、出来ない事をネタにしたりしてたなあと、思い出すとこの、更新の早さは、驚異的だなあと。むりをしないでね…気長に待ってますから、そんなにじゃんじゃん更新なさらないでも、いつも、楽しみにひっそり、待ってまーす!
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Unknown (Unknown)
2015-11-18 00:33:40
このブログに出逢い、初めて特殊清掃という職の存在を知りました。死に対する考え方が変わるとともに、生への感謝が一層強くなり、世界は確実に広がりました。30年近く生きても、まだまだ自分の知らない世界がたくさんあることに気づかせてくれて、本当に感謝しています。
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はじめまして ()
2015-11-18 03:02:27
1年くらい前に隊長のブログに出会い拝見させて頂いている者です。
初めてコメントさせて頂きます。
最初は興味本位で覗いていたのですが、今年の春に母が亡くなり、自分の感情をうまく整理する事が出来ずにいて、そんな中もっとじっくりと拝読させて頂きたくさんの隊長の経験と自分を照らし合わせ、少しずつですが「母が亡くなった事」と向き合えるようになってきています。
私は隊長と同じく40代で、だからこそよりリアルに隊長の経験が心に伝わってきたようなきがしています。
書き続けてくださって本当にありがとうございます。
とても救われました。
こちら九州より、関東はきっと秋も深まっている事でしょう。
風邪が流行り出す季節ですのでお体に気をつけて下さい。
更新はのんびりとお待ちしております。
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素敵です ()
2015-11-18 20:40:32
アロママッサージの仕事をしている30代です。あんまり綺麗な文章なので、待機時間声に出して読みました(^ ^)

あなたの言葉は美しいですね。とても癒されました。また読みにきます。
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Unknown (Unknown)
2015-11-19 13:33:05
今回のお話も心に沁みるものでした。隊長の表現力は奥深くていつも心を動かされます。世の中の美醜の一端を見させてもらっているようです。この同じ日本の空の下に素敵な眼差しを持った隊長さんがいるんだなーと思うと感慨深いです。
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お疲れ様です (4952)
2015-11-20 22:07:17
隊長、更新ありがとうございます。
隊長のブログのおかげで心をおちつかせたり、気持ちを奮い立たせたり、
そして自分からコメントを残すことで決意を新たにしたり、、、
支えあっているでしょうか。
江戸川区の南の方から応援しています!
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いつも (asa)
2015-11-20 23:51:46
毎日チェックして、新しい記事があるとうれしく読んでます。このブログと出会ってから…1人で死んでも最後は人の手で綺麗にしてもらえるのがわかって、なんというか、この先1人でいることへの恐怖心がなくなりました。。
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更新また、早いですね? (いちごミルク)
2015-11-23 11:50:43
隊長さん、元気ですか?またまた更新が早くてビックリしていますが、大丈夫ですか?冬場は、鬱状態になったりするので、心配していますよ、私にも同じ様に世話をしてやらなければならない母親が居ます。妹と二人でやってますが、認知。暴言、我間のために、時々イヤになりますが、この、女性のように幼いから、母に、してもらったことあれかれと思い出して、心に渇をいれようと思いました、お互いに体力のあるうちに、やりたい事さを、やって、気をつけていきましょうね!
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Unknown (ドラセラ)
2015-11-23 12:43:55
2011年に母を亡くしました。同じマンションに住んでいたのに、上の階の母の異変に気づくことができず、亡くなって2日後の驚愕でした。

このブログの方のように自分の時間と心身のエネルギーをささげて見送り、自分を褒めてあげたいような人と真逆です。

自分の仕事にかまけ、出来る見守りもサボり、少しずつ縮減していく母を心のどこかで疎ましくすら思っていたのかもしれません。

取り返しはつかないですが、あの世で母は長らく寝付かなかったことをしてやったりとにんまりしている気もします。

自分が自分の子どもたちに疎まれる日が来ても、恨まない覚悟だけはできました。
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