消費税が上がることがわかると、必ず駆け込み需要があるという。
特に高額商品は顕著にその傾向が出てくるという。
例えば、住宅分野。
恐らく、すさまじい勢いで需要が生まれる可能性があるという。
それを見越して住宅メーカーでは既に戦略的な取り組みが始まっているようだ。
そして、私が心配するのは、その後に来る大幅な需要ダウンだ。
つまり、「需要の先食い」の後にくる不景気である。
この「先食い需要」によって生まれる一時的な好景気に浮かれすぎて、過大な投資をしたり、経営戦略を見誤るといった現象が起こったりする。
大事なことは投資をしてはいけないといているのではなく、投資するなら「拡大再生産」につながる投資をすべきだということである。
そして、それは景気、不景気にかかわらず大事なことなのである。
私たち都市経営をあずかる者にとっても同様のことが言える。
事業評価の時に、この概念が結構欠落していることがある。
私は地域経済の成長は、いかに波及させていくかということと、拡大再生産につながっていくかがポイントになると思っている。
そして、経済波及効果などは事業評価時の指標になることはあるのだが、拡大再生産が意識され、指標になることは少ない。
行政の人間にとって、この拡大再生産を発想しにくいのは、事業の中でイメージしにくいからであろうか。
また、都市経営のほとんどが「所得の再配分」ということが基本にあり、「一会計年度制」が単年度ごとに完結する仕組みになっているために、それを増やしていきながら再生産につなげていくことにつながらないからであろうか。
しかしこの発想は、社会が成長期ならまだしも、成長期から衰退期にはいった社会では耐えられなくなっていると思う。
今こそ、発想の転換を行い、少なくても、多くても投資額に関係なく投資効果が拡大再生産につながる仕組みを最初から組み込む知恵が必要がある。
私たちは、市民の血税を一円も無駄にできないのだから!