コンビニはまだまだ進化しているという。
そのためか、冷え込んでいく他の流通業者とは裏腹に好決算が続いている。
その背景には、コンビニ業界が消費者のニーズを最も捉え、それをサービスや商品に切り替えてきたからであろう。
今、日本の人口は減少化社会に入り、当然、消費市場の規模も縮減傾向にある。
しかし一方で、単身世帯数は増加傾向にあるのである。
大型スーパーやデパートは、これをしっかり捉えているようで捉えきれていないのではないかと思ったことがある。
コンビニは、戦後、町の中に必ず小さい規模だが何でも売っていた「萬屋(よろずや)」と呼ばれる店があった。
小さいのに、なぜ、何でもあるのだろうと思った。
その秘密は、お店のおばちゃんとお客さま(うちの母親)との会話にヒントがあった。
「あんた、○○洗剤いうのが、よお(汚れが)落ちるいうよ。置かないかんわい」
「ほうかな、聞いとってみよわい」
「ほうよ、早よ置かな時代遅れになるぞな(別に置かなくても時代遅れにはならない)」
そして、しばらくして行ってみると商品棚にその洗剤が並べてある。
すると、母親は喜色満面、その店に来た他のお客さんに
「ちょっと、あんた、これ知っとるかな?私が言うて置いてもろたんやけど、よう(汚れが)落ちるんよ。一回試しとうみ」
おわかりであろうか?
萬屋には、お客と店員とのコミュニケーションがあり、それをすぐに反映する流通システムがあり、お客が口コミで広げる仕組みがあった。
なによりも萬屋には、商品を売ることよりもコミュニティをつくることを心がけていたような気がする。
そして、コンビニは、このことに気づいたような気がする。
何よりも、御用聞きのようなお届けサービスや買物難民向けの移動販売もスタートしている。
食品を多く手がけるビジネスは、ロスとの戦いでもある。
そういう意味では、いかにお客様の望む商品を的確にお届けするかにある。
そのために、膨大な予算をかけてシステムを構築し、それを見つけようとする。
しかし、お客様の声にきちんと耳を傾けるだけで、そのようなお金を使わなくてもすむような気がする。
我々行政のサービスも同様である。
また、今はコンビニで住民票なども住基カードを持参すれば多機能コピー機で交付してもらえるそうだ。
本当に、便利になったものである。
でも、そういえば、昔(15~20年前)、行政改革大綱を策定したときにコンビニで交付手続きをと実施計画に書いた覚えがある。
やっぱり、早すぎたのかなあ...