走る営業公務員、奮闘記!!

地方分権が進展する中での地方からみた木っ端役人の奮闘記です。

引き際の大切さ

2012年09月14日 23時50分29秒 | 考え方

 NHKの連ドラの「梅ちゃん先生」の中で主人公の父親、下山健三が引退するくだりがある。

 教え子の松岡医師がアメリカ留学から帰国し、その成果を発表するところを見ながら引退を決意する。
 引退後の生き方として、名誉教授という道があるのだが、彼はこれを固辞する。

 人はやってきたことが深ければ深いほど、その仕事に固執してしまう。

 主人公は、後進の邪魔になることを嫌う。
 自分の使命は、後進育成にあるとキッパリと言い切る。
 また、知恵を継承することに本来の意義があるという。

 「後に続くものを育てたら、年老いた者は潔く身を引く。
  そして、知識や経験を人から人へと受け継いでいかなければならない。」という台詞がずしりと響く。

 わかっていても言えないし、まして行動に移せる人は少ない。

 だからこそ、引き際が肝心といわれるのだろう...

どう叱る?どうほめる? 変わる社内コミュニケーション

2012年09月13日 22時02分31秒 | 悩める君へシリーズ

 今夜のNHKのクローズアップ現代は、次のような内容であった。(ホームページから引用)

 部下の叱り方やほめ方を教える研修が全国各地で人気を集めている。
 若手とのつきあい方を見失った管理職が増えているためだ。
 上司が軽く注意したつもりでも、それが原因で会社を辞める若者が後を絶たず、厚生労働省の調べによると“パワハラ”に関する部下からの相談件数は、この10年で6倍に増加している。
 しかし一方で、“ほめる”だけの、厳しさのない職場では、人材が育たないと危惧する企業も増えている。
 叱るのか、それとも、ほめるのか。
 上司の苦悩の背景には、成果主義の導入、年功序列の崩壊、雇用形態の複雑化など、会社の構造が変化し、これまでにないコミュニケーションが企業社会の中で求められていることがある。
 部下の指導に悩む管理職や、新しい人事システム導入を試みる企業の取材を通じて、現代に求められるコミュニケーションのあり方を探る。

*************************

 実は、このことに悩んでいるのは管理職だけではない。
 なんと10歳くらい離れた先輩でも新入社員の考えがわからないという。

 その一方で、入社三年目までの若者たちも悩んでいる。
 ゆとり教育で育ち、怒られないままにきた若者たちが、いきなり否定されるのである。
 時には全否定されるのである。
 今まで普通に考えていたことが、普通じゃないんだと気づいたときのショックを思うと、そういう教育をしてきた私たちにも責任があると思う。

 運動会で一位を決めない競技をしていて、いきなり「勝ち残らないと生きていけない」と言われたらどのように思うだろうか。

 少し話がそれるが、先日、一回りちがう後輩が尋ねてきてくれた。
 彼曰く、「最近、怒られないんですよ。怒らずにおいて、陰口を言われる。聞こえてこなければいいのに、耳に入る。正々堂々と直接言ってくれればいいのに...」

 私は、彼をいつも烈火のごとく怒っていた。
 職場の裏の駐車場で、天を仰ぎ見て涙する彼を見た者もいる。
 そして、その悔しさをバネに挑んできた彼がいる。

 時代は変わったというが、変わらないものが一つだけある。

 その人のことを思い、その人の将来を思うこと。

 そこが、ほめるか、怒るかの境界線のような気がする。
 
 私も昔とちがって、ずいぶんと怒らなくなった。
 立ち居地がちがってきたせいか...

 でも、めったに怒らないが、その人のためを思うとつい怒ることもある。
 そのときの例は、

 「君は、すごいと思う。
  何々もできて、何々もできるからね。
  でも、そんな君にも二つのことができていないと思っていた。
  一つ目は、何々。二つ目は何々。
  その一つ目は、注意したよね。
  そうしたら、君はできるようになったよね。
  じゃあ最後の一つ、これもできるよね。
  それさえできれば、君は完璧だ。
  そして、君ならできる」

 やり方は色々とあると思う。
 でも、真剣にその人と向き合っているかどうか。
 昔の親が見ていないようで、誰よりもわが子を見ていたように、その人を常に見守り、その人の未来も含めてどういう道筋をつけてあげるのがいいのか、真剣に向き合っていれば、怒るべきか、ほめるべきかなど悩まなくてもいいような気がする。
  
 

断らない力

2012年09月12日 23時58分56秒 | 考え方


 今、住んでいるマンションの管理組合の理事長を引き受けているので、アフターファイブはそれなりに忙しい。

 そうこうしている時に町内会の世話人の方から相談があり、来年度、町内会長を引き受けて欲しいという相談があった。
 迷ったが、了承してしまった。
 なぜなら、今、町内会のお世話をしている皆さんがあまりにもお年を召していることに気付いたからである。
 久しぶりにお会いしたせいもあるが、本当に高齢化してしまった。
 後継者もいない。

 これは、うちの町内会だけの話ではない。
 これが地域の現実なのだ。
 
 帰宅して妻に(事後)報告すると、あんなく怒られた。

 「少しは、断りなさいよ」
 私の身を案じてのことからだ。

 「そういえば、相談されると断れないなあ...」内心、思い返す。
 だからいつもバカをみるのか。
 「でも、性分だから」と諦める。
 周りの人たちは堪ったものじゃない。

 だが言い訳がましいが、断らないことで得られたものがある。
 それは、次のようなもの

  ・無理が利くようになる

  ・逃げない力がつく

  ・知人が増える

  ・新しい自分を発見できる

  ・信頼されるようになる

 しかし、断らないために様々なことに巻き込まれる。
 でも、知らない間に自分の力として上のようなことが身についていたような気がする。

 [断らない力]チェックリスト

  ・様々な物事に関心を持てる

  ・トラブルが起きても「なんとかなるさ」と考える

  ・方向性の間違いに気づいても、慌てず、臨機応変に対応できる

  ・やるかやらないかで迷ったら、まずはやってみる

  ・いったんやり始めたら、結果が出るまで続ける

  ・相手に応じて立場や役割を変えることができる

  ・一つの案を思いついたら、同時に他の案がないか考える

  ・さまざまな角度から物事を見ようとする

  ・比較的どんな環境でもすぐに対応できる

  ・スキルや得意分野を複数持っている

 あなたは、いくつ該当しますか?  

巻き込み力

2012年09月11日 23時56分39秒 | 考え方

 よく「あんなことくらいなら私にでもできる」といったようなことをいう人を見かける。
 内心、「じゃあ、やってみれば」と思う。
 だが大概の人は言うだけで終わる。

 「よくアイデアは出るんだけど...」という人がいる。
 内心、「じゃあ、やってみれば」と思う。
 だが大概の人は言うだけで終わる。

 でも、少しだけ私も大人になってきたのか、そんなことも気にならなくなった。
 アイデアを出し、計画書に落とし、実行し、成果に結び付けてこそ、はじめてカタチにできたということになる。

 だが、このカタチにするためには大切なことがある。
 それは、絶対に一人ではできないということ。
 さまざまな人の力を借りなければ成しえないのである。

 そのためには、リーダーとなる人の巻き込む力、いわゆる「巻き込み力」が必要である。
 では巻き込み力とはいかなるものかを解説しよう。
 日経ビジネス・アソシエ 2012年9月号に次のように書かれていた。

 1.大きい目標を掲げている

  一人では到達できない高い目標を掲げていることからこそ、人を巻き込んで仕事をしている。
  大きい目標は、人の共感を得やすく、協力も仰ぎやすい。

 2.考え方や言動が一貫している

  ちがう場所、ちがう状況(時間)でも、常に考え方や言動が一貫している人でなければ、人はついてこない。
  一貫した言動が信頼を生む。

 3.弱さを見せられる強さがある

  プライドにこだわらず、素直に自分の足りないところや弱さを相手に見せて、「助けて」「協力して」と頼める。
  弱さを見せられるのは強い人だけ。

 4.異常時でも冷静に動ける

  人を束ねる役割の人が取り乱すと、何もかもがダメになる。
  巻き込み力のある人は、ストレス耐性があり、トラブルが起きても冷静に対処する。

 5.他人のために一生懸命になれる

  他人のために一生懸命になっている姿を見ると、周りは自然と協力したくなるもの。
  そんな人は、人を集め、牽引する力に長けている。

 6.他人からの信頼が厚い

  「あの人になら巻き込まれてもいい」と思える人は、周りからの信頼が厚い。
  日頃の行いがよい人格者で、1~5までの要素を多く兼ね備える。

 7.根が明るくて愛嬌がある

  男女年齢を問わず、笑顔がかわいい人の周りに人は集まる。
  「愛嬌がある」というのは、理屈抜きに人をほだし、協力したくなる気持ちにさせる。

 これら7つの特徴を持つ人は、たくさんの人を巻き込む力を持つ人なのだそうだ。
 あなたの周りにも、これらの特徴を持った人はいますか?

 いたとしたら、すぐに真似ましょうね!

サーバントハートが人の心を動かす!

2012年09月10日 19時17分38秒 | 考え方

 みなさんは、「サーバントハート」という言葉を聞いたことがあろうか。
 「サーバントハート」とは、奉仕する心のことだそうだ。

 そして、このサーバントハートをもつ人は、周りを巻き込む力を有しているというのである。

 その理由は、ビジネスでは物事を進める上で「得をするか、損をするか」という価値基準で判断することが常である。
 しかし、サーバントハートをもった人が進めると、この価値基準を根本から崩すことになる。
 そして、借りができると「お返しをしたくなる」心理が働き、「あの人のためなら人肌脱ごう」という風になるものだそうだ。
 こういう人たちが増えてくると、いつしかその人の周りは協力者でいっぱいになり、カタチになっていくというのである。

 よく、「ギブ・アンド・テイク」という言葉を耳にするが、よく部下たちに、「『ギブ・ギブ・ギブ・アンド・テイク』くらいしないと人は動かない」と言っていたのだが、あながちまちがっていなかったと思う。

 また、このサーバントハートをもったリーダーのことを「サーバントリーダー」というのだそうだ。
 そして、サーバントリーダー像とはいかなるものかを次に紹介しよう。

 キャラクターとしては、常に謙虚な人。
 そして行動目的が、大儀のあるミッションやビジョンの実現と常に主役は自分でなくメンバー全員であると思える人なのだそうだ。
 また影響力の源泉は、メンバーとの信頼関係が基本にあり、メンバーに奉仕したいという精神を有しているという。
 コミュニケーション力としては、常に双方向で、傾聴を重視し、情報を共有することでメンバー間のネットワークの絆を強くするそうだ。
 さらに、問題が発生した時には、学習・改善の機会として捉え、多くの問題はシステムから発生すると考えて、システムを見直すことができる人だというのである。

 この考え方は、米国の通信会社AT&Tのマネージメントセンター所長を務めたロバート・K・グリーンリーフが提唱したリーダシップ哲学だそうだ。

 これを読んでいくうちに、私たち行政マンが求められている人物像とかぶっているなと思ってしまった。 

夢を形にするためには...

2012年09月09日 22時41分22秒 | アイデア

 今夜の「夢の扉+」を観ていて思ったことがある。

 番組の内容は、

 泣く子も黙る!『未来型ベビーベッド』 科学された“究極の揺れ”
 ママパパの育児ストレスを少しでも軽くしたい!~育児労働に革命を~

 ドリームメーカーは、九州大学 大学院芸術工学研究院 藤 智亮 さん。

 『育児に孤軍奮闘するママたちを救いたい!』
 泣いている赤ちゃんをベッドに寝かせると・・・ピタッと泣き止む!
 数分後には、スヤスヤと夢の中・・。
 ママたちを肉体的・精神的な育児ストレスから解放し、家事をする時間を生み、夜泣きの苦労から救ってくれる、そんな夢のような『未来型ベビーベッド』を研究・開発するのは、九州大学の藤智亮、43歳。
 秘密は、“科学された究極の「揺れ」”にあった。
 「どんな揺れが最も心地よいのか―」、大勢の赤ちゃんを相手に根気強く実験と研究を積み重ね、藤は7年の歳月を経て、ついに“1.8秒の揺れの神秘”を発見。
 8割以上の赤ちゃんが泣き止むその秘密とは―?
 開発のきっかけは、藤自身の育児体験。
 娘の激しい夜泣きに、精神的に追い込まれた。
 「代わりに赤ちゃんを揺すってくれる機械があれば随分ラクだろうに・・・」。
 育児労働に疲れ、ノイローゼや虐待につながることもあるほど、育児環境は厳しい。
 自らが切実に感じた育児現場からの“ヘルプサイン”に応え、『子育て世代を、過酷な育児労働から救いたい!』、『少子化対策の一助に!』と、藤は、機械工学で挑んでいく。
 現在、さらなる効果アップを狙って、藤が着目するのが”究極の「音」”。
 大人にとっては騒音でしかない意外なあの音で、赤ちゃんが一瞬でピタッと泣き止む!?
 かつて、洗濯機、掃除機、冷蔵庫が、女性たちを家事労働から解放したように、このベビーベッドが“当たり前にある家電”となり、世界中のママたちを助ける・・・そんな夢を追う藤のチャレンジに迫る。

 といったものであった。(TBSホームページ「夢の扉+」より)

 ただ、このベッドを実用化するにはかなり高額になってしまい、売れないのである。
 しかもベビーベットはそれほど長期に使用するものではない。
 だからこそ、利用者もいいものとわかっていても購入をためらうのだと思う。

 しかし一方で、核家族化したために家の中に育児相談する人がいなくなり、育児ノイローゼになり、虐待につながるという負の連鎖が社会問題となっている。

 そこで、こういった公益性の高い商品を一度、行政が買い取って、低価格でリースするという地域社会システムを組み立ててはどうだろうか。
 そうすれば、運送業者、倉庫業者、修理業者など、新たな仕事が生まれ、雇用が生まれ、育児ノイローゼのお母さんをたくさん減らすことができる。

 これからは、このような行政支援のやり方があってもいいような気がする。
 そして、それをしっかりとしたものにするためには、それらの機器を審査する機構が必要であろうし、新たな認定マークも必要かもしれない。
 

コンビニの進化

2012年09月06日 20時39分53秒 | 考え方

 コンビニはまだまだ進化しているという。
 そのためか、冷え込んでいく他の流通業者とは裏腹に好決算が続いている。

 その背景には、コンビニ業界が消費者のニーズを最も捉え、それをサービスや商品に切り替えてきたからであろう。

 今、日本の人口は減少化社会に入り、当然、消費市場の規模も縮減傾向にある。
 しかし一方で、単身世帯数は増加傾向にあるのである。
 大型スーパーやデパートは、これをしっかり捉えているようで捉えきれていないのではないかと思ったことがある。

 コンビニは、戦後、町の中に必ず小さい規模だが何でも売っていた「萬屋(よろずや)」と呼ばれる店があった。
 小さいのに、なぜ、何でもあるのだろうと思った。

 その秘密は、お店のおばちゃんとお客さま(うちの母親)との会話にヒントがあった。

 「あんた、○○洗剤いうのが、よお(汚れが)落ちるいうよ。置かないかんわい」
 「ほうかな、聞いとってみよわい」
 「ほうよ、早よ置かな時代遅れになるぞな(別に置かなくても時代遅れにはならない)」
 そして、しばらくして行ってみると商品棚にその洗剤が並べてある。
 すると、母親は喜色満面、その店に来た他のお客さんに
 「ちょっと、あんた、これ知っとるかな?私が言うて置いてもろたんやけど、よう(汚れが)落ちるんよ。一回試しとうみ」

 おわかりであろうか?
 萬屋には、お客と店員とのコミュニケーションがあり、それをすぐに反映する流通システムがあり、お客が口コミで広げる仕組みがあった。
 なによりも萬屋には、商品を売ることよりもコミュニティをつくることを心がけていたような気がする。

 そして、コンビニは、このことに気づいたような気がする。

 何よりも、御用聞きのようなお届けサービスや買物難民向けの移動販売もスタートしている。
 食品を多く手がけるビジネスは、ロスとの戦いでもある。
 そういう意味では、いかにお客様の望む商品を的確にお届けするかにある。
 そのために、膨大な予算をかけてシステムを構築し、それを見つけようとする。

 しかし、お客様の声にきちんと耳を傾けるだけで、そのようなお金を使わなくてもすむような気がする。
 我々行政のサービスも同様である。

 また、今はコンビニで住民票なども住基カードを持参すれば多機能コピー機で交付してもらえるそうだ。
 本当に、便利になったものである。
 でも、そういえば、昔(15~20年前)、行政改革大綱を策定したときにコンビニで交付手続きをと実施計画に書いた覚えがある。
 やっぱり、早すぎたのかなあ...
 
 

物騒な世の中

2012年09月05日 20時30分38秒 | びっくり

 今朝、女児の誘拐事件が2件発生したというニュースが飛び込んできた。

 本当に許せない事件である。
 何も抵抗できない子どもを無理やり襲い、どうしようと思ったのか。
 そのうちの一件は、タクシー運転手が気づき大事には至らなかった。

 もう一件は、同じマンション内での事件で、こちらも早期解決には至ったが被疑者の父親が殺されるという不幸な事件に進展している。

 どちらも事件性としては幼稚で、自己中心的な犯行である。

 私も今年度、124世帯あるマンションの理事長をおおせつかっている。

 世帯数が多いとさまざまなことが発生する。
 例えば、植栽の枝が邪魔なので何とかして欲しい、台所の排水口が流れにくいから始まって、長期修繕計画の策定や資金の効率的運用まで、その範囲は幅広く、日々、さまざまなことが起こっている。

 これって本業によく似ている...

 などと思いながら、できるかぎり笑顔で対応。
 とくにアクシデントのときなどは、相談に来られた人の顔は不安でいっぱい。

 そういう時は優しく「よくあるらしいですよ」といってあげると少し落ちつく。

 「業者さんを呼ぶと直りますからね」と付け加える。

 そして、ここが感じなのであるが、「この部分は共有部分なので管理組合の方でお支払できるのですが、この部分は専有部分ですから自己負担になります。まことに申し訳ないのですが、ご理解くださいね」というと大概は納得いただける。

 この共有部分と専有部分の線引きがはっきりしているので説明しやすい。
 例えば、ベランダの窓ガラスは大風で外から物が飛んできて破損した場合は共有部分の損傷として扱われる。
 一方、子どもたちがふざけていて内側からガラスを損傷した場合は専有部分の損傷として扱われる。

 同じ窓ガラスですが、内か外かではっきり線が引ける。

 私たち行政もこのようにはっきりと線が引けるといいのだが... 

 

消費税あれこれ(その2)

2012年09月04日 22時54分14秒 | つぶやき

 消費税が上がることがわかると、必ず駆け込み需要があるという。

 特に高額商品は顕著にその傾向が出てくるという。
 例えば、住宅分野。

 恐らく、すさまじい勢いで需要が生まれる可能性があるという。
 それを見越して住宅メーカーでは既に戦略的な取り組みが始まっているようだ。

 そして、私が心配するのは、その後に来る大幅な需要ダウンだ。
 つまり、「需要の先食い」の後にくる不景気である。

 この「先食い需要」によって生まれる一時的な好景気に浮かれすぎて、過大な投資をしたり、経営戦略を見誤るといった現象が起こったりする。
 大事なことは投資をしてはいけないといているのではなく、投資するなら「拡大再生産」につながる投資をすべきだということである。
 そして、それは景気、不景気にかかわらず大事なことなのである。
 
 私たち都市経営をあずかる者にとっても同様のことが言える。
 事業評価の時に、この概念が結構欠落していることがある。

 私は地域経済の成長は、いかに波及させていくかということと、拡大再生産につながっていくかがポイントになると思っている。
 そして、経済波及効果などは事業評価時の指標になることはあるのだが、拡大再生産が意識され、指標になることは少ない。
 
 行政の人間にとって、この拡大再生産を発想しにくいのは、事業の中でイメージしにくいからであろうか。
 また、都市経営のほとんどが「所得の再配分」ということが基本にあり、「一会計年度制」が単年度ごとに完結する仕組みになっているために、それを増やしていきながら再生産につなげていくことにつながらないからであろうか。

 しかしこの発想は、社会が成長期ならまだしも、成長期から衰退期にはいった社会では耐えられなくなっていると思う。
 今こそ、発想の転換を行い、少なくても、多くても投資額に関係なく投資効果が拡大再生産につながる仕組みを最初から組み込む知恵が必要がある。

 私たちは、市民の血税を一円も無駄にできないのだから!

近隣付き合い

2012年09月03日 19時51分05秒 | 職場の出来事

 支所という出先機関で仕事をしていると地域の人たちからさまざまな相談を持ちかけられる。

 今日は、隣の介護施設から、昨夜、奇声が発せられて眠れなかったという相談だった。
 「何夜も続いているのですか」という問いかけに、「昨夜だけです」という返答。

 「何日も続けば直接言いに行くのだけども...」という言葉が続く。

 母親の時のことを思い出す。

 「恐らく、認知症か末期癌の方かもしれませんね。どうでしょうか、二、三日様子をみていただけないでしょうか。
  それでも、続くようなら私の方で施設に直接お願いするか、担当課に相談してみますから」と提案する。

 そして、私の名前と電話番号を書いた紙を渡し、「続くようでしたら、電話で結構なので連絡をいただけますでしょうか」とお願いする。

 とりあえずは納得してもらい帰っていただいたが、気になったので地図で施設を調べ、その施設を伺う。

 恐縮しながら、「すみません、地域の方から昨夜、この施設から奇声が聞こえて眠れなかったという相談があったのですが、どのような状況だったのでしょうか」と訊ねる。

 担当の方が出てこられて、「すみません、昨夜、怖い夢を見られたおばあちゃんがいて、その方だと思います。今後は気をつけます。また何かありましたら、いってください」と丁寧な対応をしていただく。

 職場にもどりながら、母のことを思い出す。
 末期の時に、私の母もうなり声を上げ、入居者の方々に随分と迷惑をかけた。
 そんな経験があるだけに、つらい役目だった。

 支所がそこまで対応する必要はないのかもしれない。
 でも、眠れないといってこられた方は、実はその裏に今回だけじゃないんだという悲痛な思いが蓄積している可能性がある。

 それだけに簡単に扱えない。

 私たちは、どうでもよいことに常に真摯に、迅速に向き合っておかねば、拗(こじ)れたり、爆発してからでは遅すぎることをたくさん経験してきた。
 現場では、様々なことが起こっている...