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歴史上の人物で好きな人は?

2015-12-07 21:06:39 | 歴史
好きというか、興味深いのは、室町幕府6代将軍・足利義教。

この人は、本来ならば順番的に将軍になれる可能性は非常に低い人で、それだけに比叡山延暦寺に出家させられていて、身分的にも将軍の身内と言うことで天台座主もつめていたのだが、先の将軍が後継を決めないで亡くなってしまったがために、先の将軍の身内から岩清水八幡宮で行われた籤引きで将軍に選ばれた人で、我々の感覚で言うと、「なんだ籤引きで選ばれたのか、たいしたこと無いな。」であるが、当時は、神の存在を誰もが信じていた時代だったわけで、それだけに、岩清水八幡宮での籤引きで選ばれたということは、これは神の意思であると考えられたわけで、それだけに、将軍の権力が非常に希薄と言わる足利幕府の歴代将軍の中で、例外的に強力な権力を発揮した人、というか好き勝手なことをした人である。

同じく将軍候補だったが籤で選ばれず、それだけに義教のことを快く思わず対立していた鎌倉公方・足利持氏をささいな理由から滅ばしたことは理解できなくも無いが、延暦寺出身でありながら、自らの意に介さない行動をした延暦寺の根本中堂を炎上させることに追い込んだり、笑顔で挨拶した大名を、「将軍を笑った」といって成敗したり、あげくには、酌の仕方が気に食わないと女中までも罰したりした、本当にとんでない人である。

それだけ好き勝手なことをしてはいるが、それだけに、幕府権威の回復(というか、恐れられる)には、かなり実績を上げたらしい。

しかし、今度は自分が罰せられると思い込んだ部下に暗殺されることになるのだが、将軍が殺されたのだから、本来ならば、幕府としてはすぐに報復しなくてはいけないのに、ワンマンに自分勝手なことをしていたために、幕府内がまとまらず、なかなか報復の行動がとれず、それがゆえに、かえって幕府の権威が失墜するとこになるという、皮肉な結果を招いた人である。