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伊号潜水艦という本を読んでいます

2019-05-15 02:22:24 | 日記
 今、伊号潜水艦という本を読んでいるところです。伊号潜水艦とは太平洋戦争の時の日本海軍の主力潜水艦でした。この本には大戦を生き残った潜水艦乗りの方々の手記などがまとめられています。

 日本海軍は海軍の条約交渉の結果英米に対して、戦艦や巡洋艦の保有数を少なくされました。そのような劣勢の中仮想敵国である米戦艦部隊と戦うには、ハワイを出撃してくる米戦艦部隊がマリアナ沖まで進出してくるまでに、日本海軍の潜水艦部隊で雷撃して損害を与えて米戦艦部隊の勢力を減らしたところで日米の戦艦部隊で雌雄を決しようという考え方がありました。

 そのような目的に日本海軍の潜水艦は造られたため、米戦艦の速度を上回る速度を求められてエンジンが大型化し、それゆえ船体も大型となりました。潜水艦にとって艦から発生する音というのは非常に気をつかうものなのですが、速度を重視したことや日本の技術力から日本海軍の潜水艦はかなりうるさかったようです。

 そして太平洋戦争が開戦しました。ところが真珠湾攻撃で米海軍の戦艦部隊は壊滅してしまったので、最初の構想は崩れてしまいました。そして真珠湾付近に展開した潜水艦の中の一部はアメリカの西海岸に到達して、小型の水上機でアメリカ本土の山林に焼夷弾を落として火災を発生させたり、通商破壊戦を行いました。また、インド洋ではペナン島を根拠地として通商破壊戦が行われました。潜水艦の艦長は潜水艦を通商破壊戦に投入するように訴えますが、海軍の上層部からは認められませんでした。

 それどころかガダルカナルなどソロモンの戦いがはじまると、陸軍部隊を投入したのはよいけれど制空権を米軍に握られて、日本軍の輸送船では補給ができず、しかたなく駆逐艦で輸送しましたがそれも被害が大きく、ついには潜水艦で補給するというまでになってしまいました。この補給作戦は潜水艦乗りにとっては憤懣ものであったと思います。大きな被害もだしています。

 さらに戦局が厳しくなってくると、米海軍のレーダーやソナーの性能がすぐれていたため出撃した半分も帰還できないというような状態となりました。これは潜水艦の部隊の参謀などが潜水艦の到達すべき地点を指定するわけですが、これを実情も考えずに海図上だけの判断で動かしたりして、米海軍部隊に発見されてしまうということもあったようです。

 日本海軍の潜水艦は米海軍の正規空母のヨークタウンやワスプを撃沈するという武勲もあげていますが、全般的には被害ばかり多くして戦果が少ない結果に終わりました。潜水艦の運用方法を誤ったということだと思います。

 それから日本のように国力の限られた国は、できるだけ同じタイプの潜水艦を効率よく建造すべきなのですが、実態はあれやこれやと仕様の異なる様々なタイプの潜水艦を建造するという状態でした。逆に米海軍の方が一つのタイプを効率よく大量生産していて、やることが逆という感じです。

 ということで、日本海軍の潜水艦部隊は当初大きな期待をかけられていたものの、乗組員たちの多大な努力にもかかわらず、指導者層の先見性のなさから被害ばかりが多く期待を裏切る結果となりました。