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武勲艦航海日記を読む

2019-07-15 13:47:25 | 日記
 武勲艦航海日記という本を読みました。内容は太平洋戦争で伊38潜水艦と第40号海防艦に操舵手として乗り組んだ方の手記です。伊38では約一年間にわたり23回の輸送作戦に従事され、第40号海防艦では船団の護衛を行い、戦後も機雷の掃海に従事されました。

 日本はアメリカに対してワシントン条約などで戦艦などの保有する比率をアメリカ、イギリスよりも低く抑えられることとなりました。そのため仮想敵国であるアメリカと戦う場合、アメリカ海軍が日本近海に侵攻してくるときに潜水艦をもちいて、少しでもアメリカ艦隊の艦艇を撃沈してアメリカ艦隊との決戦に臨もうと考えていました。そのため潜水艦は大型で水上を航行する速力も他国よりも早いという特徴をもっていました。

 そして大戦に突入後も潜水艦りメインターゲットアメリカ軍の戦闘艦でしたが、護衛の駆逐艦がいる戦闘艦を潜水艦が雷撃する機会は少なく、大物だとワスプの撃沈、サラトガの撃破ぐらな感じでしょうか。潜水艦の艦長は通商破壊戦を主張しますが、インド洋で行われた程度で通商破壊戦はほとんど行われませんでした。それどころかソロモンの戦いでは制空権をアメリカ軍に握られたため補給を輸送艦では行えず駆逐艦で行いましたが、駆逐艦でも困難になり潜水艦で輸送を行うようになりました。

 ちょうど著者が乗り組んだ伊38はその輸送に携わった潜水艦でした。とても危険な任務でしたが艦長の安久中佐が有能だったのたと思います。大きな損傷を受けることなく任務を完遂しました。艦長としては敵艦に向けて魚雷を撃つことが願いだったと思うのですか、一言の不平も述べずに任務を遂行しました。他の本でもこの艦長は上陸すると大酒を飲んで出港が迫ってきても艦に戻らず、士官たちが手分けして探し出して艦に連れ帰ったこともあったようです。きっと航海中のストレスは厳しいものがあったのだと思います。それとも単なる酒好きか。

 著者は伊38を退艦して航海学校で学び、今度は第40号海防艦に乗り組みました。この艦の艦長もとても優れた方だったようで、被害を受けることなく大戦を生き残りました。そして大戦後アメリカ軍より機雷の掃海を命ぜられて終戦後も第40号海防艦に乗り組むこととなりました。掃海もとても危険な任務だったようですがすぐれた艦長のもと無事に任務を終えて退艦することとなりました。

 著者は潜水艦、海防艦ともに艦長に恵まれ、運もあったのでしょう、潜水艦、海防艦とも大戦末期にはとても被害が大きかったのですが大戦を生き抜くことができました。そして貴重な記録を残してくださったのだと思います。