トーネードの無職生活

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「偽りの日米開戦」を読む

2019-07-21 02:05:31 | 日記
 「偽りの日米開戦」という本を読みました。副題になぜ、勝てない戦争に突入したのかとあったので、日本がフメリカに対して戦うことを決意したことについて考察された一冊化と思ったらそのような考察は一切なく、満州事変、日中戦争、ノモンハン事件、五・一五事件、二・二六事件、真珠湾奇襲、ミッドウェー海戦、東条首相についてなどなどが書かれ、政府の首脳たちは誰一人としてアメリカとの戦争に対して先の見通しが立たないにもかかわらず戦争に突入したと書いているのですが、それを良いも悪いとも明確に言い切らず、一体全体著者は何が言いたいのか全く意味不明な一冊だった。

 日本がアメリカと戦うことを決意した直接の要因はアメリカの日本に対する石油の禁輸と日米交渉で示されたハルノートであることは明らかです。この二つをアメリカから提起されたらその当時の人間だったら二年後の戦争がどうなろうともイチかバチかでアメリカと戦争を行うと考えるのは理解できます。

 では、なぜにこのような事態にまで日米の関係は対立してしまったのでしょうか。まずは満州事変です。ここで止まっていたら中国もまあしかたがないで認めはしなかったでしょうが暗黙の了解ですんでいたかもしれません。そして盧溝橋事件での中国との戦闘。現地軍通しで解決できるところだったのが日本の中央とのあれやこれやで全面戦争になってしまいました。

 そして戦果は上海に飛び火して日本海軍の上海陸戦隊と中国軍が衝突します。そして陸軍部隊が派兵されてついには国民政府の首都南京を占領。日本としては国民政府の首都南京を占領すれば国民政府は降伏するものと考えていたでしょうが、蒋介石は重慶に後退して徹底抗戦するととなります。このような状態に落ち込んだ日本軍は中国との和平を結ぶことはほとんど不可能となつてしまいました。

 さらに仏領インドシナに日本軍が進駐しました。英米の援蒋ルートを遮断することと、将来の蘭印への進出もみすえたものだったのでしょうが、アメリカノ心証を著しく悪化させました。

 このような背景が石油の禁輸とハルノートにつながったと私は理解しているのですが、この本にはこのようなことはほとんど触れられておりません。日米開戦について考察するのであれば、もちっと考えて本を書いてほしいものです。