今朝の新聞をみて唖然とした。
未だ50msv~20msvの高濃度汚染が続く福島県飯館村から避難してきた
飯館中学校の仮設校舎(福島県飯野町)において、朝日新聞社と日本対がん協会が主催する
「ドクタービジット」という現役医師による子供たちに向けた授業が行われました。
「放射線の正しい知識を知ろう」というテーマで行われた授業の講師は、なんと中川恵一東京大学准教授。
あの原発事故発生時にTVに登場して、にこにこ笑顔で恐ろしい発言を繰り返してきた張本人です。
さすがにあまりにも発言した内容と、その後の検測データのズレが大きすぎるのでTVには登場しなくなったと思っていたら、
もっとも放射能の影響を受ける福島の子供たちの前で、恐ろしい授業を行っていました。
いくら子供たちの不安感を取り除くためとはいえ、よりによって中川恵一とは…
この中川恵一による子供たちへの授業、ドクタービジットは、これが初めてではない。
http://www.asahi.com/health/feature/DrVisit_111226.html
さて、その授業の内容をざっと追ってみましょう。
例によって自然被曝や病院の検査における放射線量を上げながら、年間10msv以下なら大丈夫と主張。
そしてなんと、「現在の福島は世界的にみると決して被曝量が高いわけではありません」と断言。
甲状腺がんのリスクにしても「、日本は海藻を食べているので体の中にヨウ素が足りている。
だから福島の子供たちに甲状腺がんが増えることはないでしょう」とまで発言している。
恥知らずの極め付けは、「広島の原爆はよく知っていますね。数多くの人々が大量の放射線を浴びた。
今、広島は政令都市の中でトップクラスの長生きの都市です。健康診断やがん検診がきっちりと行われたから。福島も同じことが出来るはずです」
開いた口が塞がらない。こいつはあの夥しい原爆症による犠牲者(そして今なお苦しむ)が頭に入っていないのか?
(放影研は9/12付の新聞で、広島における長期調査の結果として、未成年者の被曝によるがんリスク増を認めている)
どうして彼らは、判らないと正直に云えないのだろう?
福島は色んな意味でチェルノブイリとは事故の状況が異なるだろう。原子炉が4基も破壊され大量の放射能を撒き散らしたのだから。
一基の原子炉が破壊されたチェルノブイリとは明らかに違う。
それに事故当時の放射能放出量も定かでない。発表された数値はあくまで推測でしかない。事故当時の正確なデータがないのだから。
(この経緯については「プロメテウスの罠」に詳しい)
これから何年も地道にデータを取っていくしかない。
それには被災した人たちに被曝手帳を配布して健康被害の経過を見守るのが、
これまで安全だと主張してきた国と東電の責務のはず。
この授業に対する反応をネットで検索してみました。
http://blog.goo.ne.jp/ah123/e/533d41756ca7c1821c7db571d78ad24f
http://ameblo.jp/fairytree/entry-11353532124.html
http://www.asyura2.com/12/genpatu27/msg/207.html
検索途中で、とんでもない情報がヒットしました。
「inside out」というTV番組の内容です。
福島県内はもちろん、首都圏でも数百万ベクレルから数十万ベクレルの高濃度セシウムが検出されています。
http://www.youtube.com/watch?v=msoteVTiguY&feature=player_embedded
福島の原発事故の衝撃を受けても、相変らず科学者たちは反省の色もなく傲慢です。
今読んでいる福岡伸一の「ルリボシカミキリの青」より一節を引用します。
≫近代科学は、世界を分けて分けて分けてきた。そして何かを分かった気分になった。
でもそれは幻想だった。
パーツはどこまでいってもパーツでしかない。
遺伝子はすべてゲノムから切り取られ、解読されたけれど、生命のありようは何も解けていない。
分けた瞬間に失われたものがあるからだ ≪
これだけ単一記事にアクセスが集中するのは近頃では珍しい現象です。
さて、まずウィキペディアのチェルノブイリ事故との比較を貼っておきます。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%81%E3%82%A7%E3%83%AB%E3%83%8E%E3%83%96%E3%82%A4%E3%83%AA%E4%BA%8B%E6%95%85%E3%81%A8%E3%81%AE%E6%AF%94%E8%BC%83
福島第一とチェルノブイリの一番の違いは、チェルノブイリが10日で放射能の放出が止まったのに対して、
未だ福島第一からは毎時1000万ベクレルの放射性物質が放出され続けているということです。
野田佳彦の早過ぎる終息宣言のために大多数の国民が騙されています。
inside outの報道内容のように100万ベクレル単位のセシウムが未だに珪藻から検出されるということは、
雨が降ると空気中の放射能が落ちてきて放射線量が上がるという事実と合致します。
http://blog.goo.ne.jp/toshiaki1982/e/37b4f8bcc4c01a664520d9f44301070b
先日の福島の18歳未満の子どたちの甲状腺検査の結果みつかった1万3千人以上の甲状腺異常が、12日付の新聞では425人の異常に変わっています。
調査対象も3万人から8万人に増えているのに。
この間の経過説明が何もない。
また不都合な情報の隠蔽かと疑ってしまう。
どちらにしても、今もっとも放射能の影響が懸念される子供たちに対して行われた
安易極まりない放射線の影響に対する授業内容は、大人の責任放棄としか思えない。
またここで彼らは、これから起ころうとしている懸念材料に対して目を瞑ろうとしているのか?
子供たちへの影響は甲状腺がんばかりではない。
セシウムは心臓へ、プルトニウムは肺へ溜まる。
あらゆる疾患への懸念が予想される。
中川恵一のような楽観論は一切許されないはずだ。
地震学者が震災以降、最悪の事態を想定するのに対して相変わらず原子力に関わった大半の学者たちは事実を過小評価する楽観論を繰り返す。
この違いは何だろう?
>未だ福島第一からは毎時1000万ベクレルの放射性物質が放出され続けているということです。
このように間違った理解に基づいた悲観論を垂れ流すことは、被災地の復興にとって有害無益に他なりません。
両者の真の違いは、チェルノブイリが「炉心その物が吹き飛び燃え上がった」のに対し、福島第一では「炉心が融け落ちた」という点にあります。燃え上がった方は極めて大量の放射性物質をまき散らし、融け落ちた方のほとんどは格納容器の中に残りました。
それゆえ、チェルノブイリの10日間で放出された放射性物質の量は、福島第一の1年半で放出された量の10倍から1000倍となります。
子供の甲状腺癌の原因とされるヨウ素131に限れば11倍ですが、そもそもチェルノブイリでは事故直後には放射能汚染が何一つ地元には報じられず、汚染されたミルクなどの農産物を与え続けたことによる、内部被曝がほとんどを占めます。
これに対して、福島第一ではいち早く汚染されたミルクなどは廃棄され、誰一人口にしていませんから、内部被曝はほぼ皆無です。
こうした事実を一切無視して、単純に放出期間や壊れた原子炉の数だけで危機感をあおるのは、無責任にもほどがあります。
ありがとうございます。
福島第一原発から放出された放射線量を、あたかも東電が発表した数値を絶対だと信じているようですが、
あれは推測に過ぎません。
次々とメルトダウンした3/12から3/15までの正確なデータは存在しません。
炉心に残された放射性物質の残量が判明するまでは、放出された放射線量は推測に過ぎないのです。
とりあえずここに6月現在の大気中で観測されたセシウム137が広島に投下された原爆の168個分だということは判っています。
それからまず用語解説をします。
内部被曝とは?
空気中や水中に浮遊し、食物の表面に付着した放射性物質は呼吸、飲水、食事を通じて体内に摂取され
肺と胃から血液に運ばれ全身のどこかの組織に沈着しα線、β線などを長時間放出し続ける。
そのため体細胞が傷つけられて慢性の疾病をゆっくり進行させ、また生殖細胞が傷つけられ遺伝子障害を起こす。
低線量被曝が怖いのは、長時間かけて静かに進行してゆくことです。
ICRPは低線量被曝の影響を未だ認めようとしませんが、広島、長崎、ハンフォード、チェルノブイリ等で今なお苦しむ夥しい数の障害を訴える子供たちや老人たちの姿は、
あなたには目に入らないようですね。
レベル7という深刻な原子力災害に、あなたちは一向に向き合おうとしない。
劣化ウラン弾による障害も含めて、世界には放射能汚染によって苦しむ子供たちの例は枚挙のいとまもありません。
今、私たちの出来ることは注意深く、子供たちの健康状態を見守ることではないでしょうか?
安易な楽観論は、子供たちを見捨てることと同意だと思います。
なぜ、飯館村の子供たちは故郷を追われたのか?
もう一度考えてください。
「放射線量」ではなく「放射性物質の量」ですね?
で、推測にすぎないからどうこうというのなら、inside outの示す値も同じでしょう。
>6月現在の大気中で観測されたセシウム137が広島に投下された原爆の168個分
ここで比較されているセシウム137の量は、地理的にどの範囲で計測されたものでしょうか?
重要なのは絶対量ではなくて単位面積当たりの濃度でしょう。
ちなみに、福島の被災者のセシウムによる体内被曝量は、1960年代の大気圏内核実験による日本人の平均被曝量と比べても、はるかに少ないことが判明しています。
>内部被曝
前述のように、汚染された食品をすべて廃棄したため、福島での内部被曝はほとんど見られないことが判明しています。事故から約一カ月、現地に入って測定を行った高田純氏の調査によると、20キロ圏内からの避難者66人の平均被曝量は、ヨウ素131が集中する甲状腺の場合3600ベクレルにとどまってます。これは、もっとも被曝に敏感な0歳児の場合でも、270マイクロシーベルトにしかなりません。
チェルノブイリの場合、そうした初期防護がなされなかったため、数~数十シーベルトという極めて多量の内部被曝を起こしています。その差は2000~2万倍となります。
>ICRPは低線量被曝の影響を未だ認めようとしません
逆です。低線量被曝の影響を未だに誇大にとらえているのがICRPであり、放射線防護の研究者からは最新の研究結果を無視していると非難されています。
その研究成果によれば、年間100ミリシーベルト以下の被曝は、体内からでも外部からでも、発癌などの影響はみられていません。
>今なお苦しむ夥しい数の障害を訴える子供たちや老人たち
その方たちの被曝量が福島のケースの何千倍にもなるという事実は御存じないのでしょう。
>劣化ウラン弾による障害
これは放射線ではなく、重金属としてのウランの毒性によるものです。
劣化ウランの「劣化」とは、放射能が劣化している、天然よりも少ないという意味であることをお忘れなく。
>今、私たちの出来ることは注意深く、子供たちの健康状態を見守ることではないでしょうか?
これには100%同意です。であるなら、無用な不安を煽りたてないでいただきたい。
無責任な悲観論は、過度のストレスによる健康被害を招きます。
>なぜ、飯館村の子供たちは故郷を追われたのか?
無能な民主党政権が無用な避難を強要したためです。
すでに30キロ~10キロ圏内でも、ホットスポットとなっている一部地域を除いて期間可能なレベルとなってます。
人体への放射線量の閾値の元ネタとされている広島の放影研は、外部被曝については研究してきたが内部被曝に対する研究は、ほとんどしてこなかったと発言しています。
さて年間100ミリシーベルトまでは安全とする根拠は何処にあるのですか?
そのデータとする人体の被験例はどれくらいの数なのですか?
あなたのように僅か66例の測定値で、それを断定するのは科学的だといえますか?
0歳児における270マイクロシーベルトが安全だと言い切れる根拠を示してください。
私は少なくとも、未成年者に対する放射線量の閾値はないと考えています。
それはケースバイケースでしょう?
あなたたちの論理でいうところの年間100ミリシーベルトでは癌の発症が証明できないと同様に、
あらゆる疾患(セシウムは心臓に)の発症が確認できないことも証明できないと内部被曝はないとは断言できないはず。
数字は使い方によって、どのようにも解釈できます。
(私自身への反省も含めて)
但し、福島第一原発の事故によって(最悪のレベル7の)大量の放射能が大気中に撒き散らされた事実は消せません。
それでも、あなたは僅か一年半で、子供たちへの影響は無いと言い切れるのですか?
健康被害が出たときに、その責任が取れるのですね?
私は最低でも10年間は未成年者への健康調査を国と東電が責任を持って無料で実施する義務があると思います。
http://www.youtube.com/watch?v=NCyIyjsCJ6g
こちらに、専門家の議論がありますので、ご参考ください。
「原子放射線の影響に関する国連科学委員会(United Nations Scientific Committee on the Effects of Atomic Radiation;UNSCEAR)」の2008年報告書です。これはチェルノブイリの周辺地域(ベラルーシ共和国、ウクライナおよびロシア連邦)やヨーロッパ各地での健康影響調査に基づいています。
この調査により、国立がん研究センター研究所所長代理の中釜斉氏は「15歳以下の小児においても100mSv以下であれば有意なリスク上昇は認められない」と結論付けてます。
>0歳児における270マイクロシーベルトが安全だと言い切れる根拠
まず、この数値は年齢による補正が入っています。そのうえで、270μSvが0.27mSvであることを考えれば自明です。
さらに、これは半減期が8日のヨウ素131に由来するものであり、ヨウ素131の放出が3月の時点で収まっている(核分裂反応が止まっている)以上、年間で累計する必要はありません。
>未成年者に対する放射線量の閾値はない
そう考える根拠はありますか?
ないのなら、根拠もなく不安だけを煽っていることになります。
>年間100ミリシーベルトでは癌の発症が証明できない
>あらゆる疾患(セシウムは心臓に)の発症が確認できない
統計的に見て、他の要因による発癌によるノイズと区別できなくなるのですが?
発癌の誘因は放射線だけに限りません。様々な化学物質や物理的な刺激もあり、精神的なストレスも誘因となります。
つまり、あなたのように危険性を誇張して不安を煽ること自体が、被災者に癌を発症させる可能性すらあるのです。
>最悪のレベル7
これこそが数字の悪用ですね。
そもそも、チェルノブイリが想定外の激甚事故だったため、対応するレベルが設けられていなかっただけのことです。
専門家の間では、福島がレベル7ならチェルノブイリは10以上にするべきだったと言われてます。
>僅か一年半で、子供たちへの影響は無いと言い切れるのですか?
現時点で明らかになっている被曝量であれば、影響は無いと言いきれます。
>大量の放射能が大気中に撒き散らされた事実
その絶対量がチェルノブイリよりはるかに少ないことに加え、ほとんどが海に入って希釈されました。そして決定的なのが、食品による内部被曝が無かったこと。
これだけの違いがあるのに、チェルノブイリに比べてどのような危険があると言うのでしょう?
>健康被害が出たときに、その責任が取れるのですね?
ではあなたは、被災者が絶望から自殺したり、ストレスから健康被害が出た時に、責任が取れるのですか?
どちらも取れませんね。なら、確証のないことは言うべきではありません。
>最低でも10年間は未成年者への健康調査を国と東電が責任を持って無料で実施する義務がある
福島県、15万人に30年以上健康調査実施へ
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20110522-OYT1T00792.htm?from=popin
良かったですね。
これは、また深夜までご苦労様です。
Aceさん、初めまして。
あぁ櫻チャンネルですか。
ここの登場するメンバーって公正といえますか?
私には初めから結論ありきにみえますが??
原幌平晴さん、お疲れ様です。
あなたの数字の根拠とするところのUNSCEARのデータは放影研のデータをベースにしていることが広く知られています。
その放影研から、こういう報告がありますよ。
http://www.rerf.or.jp/news/pdf/IJC201208.pdf
そしてピース・フィロソフィー・センターによる報告も張っておきます。
あなたの根拠とされる100ミリシ-ベルトは絶対的な数値ではありませんよ。
http://peacephilosophy.blogspot.jp/2011/04/blog-post_17.html
それとよく文章を読んでください。
あなたは、癌の発症ばかりを問題視していますが、内部被曝は、あらゆる臓器や身体への疾病が予想されます。
そのリスクをゼロに出来るのですか?と疑問を呈しているのです。
もうひとつ、ウィキペディアのチェルノブイリ事故の影響についても張っておきます。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%81%E3%82%A7%E3%83%AB%E3%83%8E%E3%83%96%E3%82%A4%E3%83%AA%E5%8E%9F%E7%99%BA%E4%BA%8B%E6%95%85%E3%81%AE%E5%BD%B1%E9%9F%BF
残念ながら、あなたと私の間には埋められない溝があるようです。
これ以上、不毛な議論は止めましょう。
私の一方的な意見表明ではなく、また別の視点があることが理解できました。
それはそれで有意義だったと思います。
この記事を掲載してからの注目度が非常に高いので、議論を終了する前に、少し私見を述べさせてください。
放射線量の閾値のデータベースとなっている放影研自身が発言しているように、
内部被曝や低線量被曝に対する人体への影響を、これまで問題視してこなかったという経緯があります。
ですから基本的に閾値を決定づけるようなデータ自体の情報量が不足しているというのが私の感触です。
100ミリシーベルトという数値は、これから幾らでも変わってゆく可能性があります。
私は基本的に数字の前に、痛みを訴える人をみます。
何度も繰り返しますが世界中には放射能汚染で苦しむ夥しい数の人が現実に存在しています。
数字は、新たな研究が認証されれば、その都度変わってゆきます。
私には、あやふやな数字を絶対視することはできない。
今現在、障害を抱える人たちがいるということを問題視します。
数字は解釈の仕方で、どのようにでも使用できるということをもう一度繰り返します。
そして私自身も深く反省します。
安易な言動は慎みたいと思います。
この報告、確定的に言ってることはこれだけです。
>10 歳時に 1 Gy の放射線に被曝した場合、60 歳時での甲状腺がん罹患率は、被曝しなかった場合と比較して、128%(95% 信頼区間: 60-270%)増える
そして1Gyとは約1Sv=1000mSvですから、とんでもない高線量です。
一方、こちらはあくまでも「推定された」だけです。
>20 歳未満に 5m Gy 以上の放射線に被曝した被爆者に発生した甲状腺がん(113 例)のうち、36%が放射線被曝によるものと推定された。
その推定根拠は「ポワソン回帰モデル」ですが、これは被曝線量と発症率がポワソン分布になることを前提としています。
つまり、113例の被曝量を個別に調べた結果ではなく、「確立曲線のこのあたり(5mGy)からを含める」と線引きして算出した値に過ぎません。
ゆえに、この報告は中釜斉氏の「15歳以下の小児においても100mSv以下であれば有意なリスク上昇は認められない」という結論を否定するものではありません。
論文を引用するなら、その内容もある程度把握した方がいいでしょう。
IPPNWの論文には色々書いてますが、最後の結論にはこうあります。
>大規模で独立した長期にわたる研究がなされていないので現在の状況の全体像を示すことはできない
これが正直なところでしょう。
そして、20項目のうちのかなりは現場の除染などを行った高レベル被曝によるもので、明確に低線量の一般被曝に言及しているものはごくわずかです。
特に、下記は非常におかしな点です。
>4. 遺伝子の不安定性は遺伝子により受け継がれ、世代を経るごとにねずみ算式に増加してゆく。
遺伝子の自己修復能力を報告した研究と真っ向からぶつかる内容です。一体、どのような研究から生じたのでしょう?
>蓄積効果の最初の兆候は、被曝した親から生まれた子供に発生する甲状腺癌であろう。
一番奇妙なのはここです。なぜこんな推測が成り立つんですかね?
子供の甲状腺癌が危惧されるのは、言うまでもなく放射性ヨウ素が甲状腺に集中して蓄積されるからです。
親の遺伝子損傷が子に伝わったとするなら、すべての癌を想定すべきでしょう。
それから、癌以外の疾患の増加ですが、避難による生活環境の変化を考慮したものでしょうか?
一般論として、避難生活は経済的な困窮を招き、貧困はあらゆる疾病を増やします。
福島において、そうした事態を一刻も早く収束させたいという願いから、放射線の危険性を過剰に煽るなと主張しているわけですが、あなたはにはそうした視点が全くないことは良くわかりました。