落日の秋
石鎚に落ちる夕陽は、秋も深まった11月、瓶ヶ森から望まれる。
これをダイヤモンド石鎚と云うのなら、最も美しい眺望の地は、ここ瓶ヶ森だろう。
まだ気温の高い11月なので、夕暮れまで霧氷は残らない。
夕映えに染まる雲海や雲間から射す光芒という気象条件が重なれば、いっそう美しい。
さて今年はと、胸ときめかせる秋の夕暮れ。
今回も雨上がりの寒気到来に期待して瓶ヶ森へ出かけた。
「懲りもせずに、よくも何度も同じ場所に足を運ぶものだ」と冷ややかな嘆息にもめげず(汗)
紅葉はスカイライン展望台付近を境にして、見事に季節の様相を分かつ。
この時期の山岳スカイライン垂直移動は、たまらない時間遡行の醍醐味。
起点の面河関門から1200m付近までは、絢爛の錦繍が山肌を織り成し、
極彩色がキラキラ木洩れ陽の透過光に揺れる。
1500mの土小屋付近まで辿り着くと、びゅーびゅー木枯らしの吹きぬける冬枯れの寒山の様相。
先週、通行止めだった土小屋からよさこい峠の路肩崩落箇所も、とりあえず通行可能になった。
瓶ヶ森の落石箇所同様、また雪解けの春から本格的な工事が始まるのだろう。
時折霧雨のシトシト密やかな音が天幕越しに滲み入る夜を過ごし、朝を迎えた。
思いの外、温かく感じた。
テント内の気温が4℃。女山山頂、夜明け前の気温が0℃を 0.2℃くらい微妙に上回っていた。
条件としては霧氷が着氷してもおかしくないはず…
でも、まったく付いていない。
う~ん、この辺りの自然の匙加減は、本当に微妙…
上記掲載の画像は、石鎚に落ちる夕陽と、その翌朝、石鎚にかかる朝焼けのレンズ雲。
(こういう形態の雲は笠雲というよりレンズ雲と呼ぶ方が良さそうだ)
この朝のレンズ雲は、ちょっと得した気分(笑)
さて林道閉めまで、後何回、瓶ヶ森に通えるだろう?
あっ、それから夜明け前の東の空低くアイソン彗星と思われる光点を見つけました。
まだ望遠レンズがないと捉えられない天体写真の領域。
今月下旬が楽しみですね。
来年は、これに近い風景を撮りに行けるようにしたいと思います。
この冬、貴公子さんが学生時代アルバイトしていた幾島ヒュッテの山小屋内部に入りました。
もう完全に廃墟ですね。
スカイラインも林道もない頃から瓶ヶ森で山小屋を営んで来た四国山岳登山の黎明期を象徴する場所が、この有様です。
私は個人的に四国最高の眺望のテン場は、ここ瓶ヶ森だと確信しています。
車で日帰り出来る場所になってから、この場所の本来持っていた山岳宗教(または山岳風景の)の聖地としての価値を皆さん見失っています。
本当に残念です。
今回は、薄靄が立ち込める落日の風景でした。
雲海や霧氷の風景は、メリハリがあり美しいのですが、
最近、この淡い諧調に暮れなずむ日本画特有の柔らかい色調に惹かれます。
このぼんやりした柔らかい光の滲むような風景表現は、とても私たちの感性に合っているように思えます。
これって、谷崎の「陰影礼賛」と同調する美意識かな?
です。ランスケさんのブログを毎晩少しづつ目を通しています。全ての内容が「温かい人間」のカオリで覆われており、引き込まれました。ヨロヨロ・ヨボヨボの軟弱生活者の私は、久しく忘れていた「目標」ができました。それは「ランスケ・ワールド」です。遥か彼方の存在ですが近ずけるように努力します。
ランスケさんのブログに高橋宣之さんに面河でお会いした記事があります。
以前同じ駐車場で私は愛媛の方と話をしました・・・「寒い時季に面河で水の中から出てきた高橋さんに会った。もう一着スーツがあるから一緒に潜りませんか・・・彼の人柄に感動しました」・・・ランスケさんではないでしょうか?
瓶ヶ森では、思いがけず楽しい時間を過ごせました。
ラオス周辺の山岳少数民族、モン族の村へ通い続けるMUGAKUさんのお話には聞き入りました。
http://www.bbweb-arena.com/users/et/vietnam/vietnam_012.htm
ベトナム戦争の悲劇としてのモン族の話は、クリント・イーストウッドの「グラン・トリノ」で聞き齧っていましたが、
現地を直に訪れているMUGAKUさんの村周辺に無数に残っている地雷に触れたお話は、生々しい証言でした。
これからもMUGAKUさんの活動、楽しみに拝見します。
ご訪問ありがとうございました。
秋の瓶ヶ森から石鎚の北壁、何度見てもふるさと愛媛なんだと思うことしきり・・・今でも変わりません。
ブログも教育者らしい視点で綴られています。
ラオス周辺とモン族の村の様子は下記のURLで御覧ください。
http://blog.goo.ne.jp/ymlysfjv268/c/8522c4b2d56a0258fa1e56660e95e10b
街中と違い、山で出会う人とは、意外なくらい無防備に、すーっとコミュニケーションが成立します(笑)
あの「こんにちは」で始まる山の挨拶は、本来、他者との間で交わされるファーストコンタクトの基本ですよね。
温かな薪の炎の側でね。
降りしきる雪。
明朝は初冠雪かも?
明日は多分初冠雪ではないかとわくわくしています
血が騒ぐというか相当なアホじゃと思います
週末に期待して・・・・
疲れてます連日の超勤に身体悲鳴上げそう
面河尾根で吹雪いていた雪も夜には止み、
残念ながら翌朝、初冠雪とはなりませんでした。
ところが翌日の明方前から降り始めた雪が昼前まで降り続け、
石鎚山頂から標高1500m付近まで白く積もりました。
積雪3cm~5cmくらいでしょうか。
12日、13日と面河道の愛大小屋から山頂を往復しました。
さすがに、このチャンスと常連の写真ヤさんたちが夜明け前の凍える山道を登って来ていました。
でも主峰、天狗岳が姿を見せたのは一瞬(哀)
今日、夕方まで粘ると云っていた、いけぴーさんが一番成果を得られたかも?