深夜の住宅地に鳴り響く災害緊急警報に叩き起こされた。
石手川、重信川が氾濫水位に達っする怖れがあるので避難勧告である。
高齢者の指定された災害避難所への退避を呼び掛けている。
時計を見ると午前2時半過ぎだった。
外は激しい雨音が軒を叩き続けている。
アナウンスを聞いていると、幸い私の住む町内は避難勧告区域から外れている。
でも一つ川沿いの町内は避難勧告対象となっている。
市内を流れる石手川と重信川に挟まれた中洲に私の住む街はある。
2つの川が氾濫すれば、当然、私の住む街も浸水するだろう。
とりあえず一階の仏壇の位牌や遺影とか思いつくままに大事なものを二階に運び上げた。
不安な長い夜を過ごしたと云いたいが…
一仕事終えると、そのまま朝まで寝てしまった。
自分は大丈夫という根拠のない正常性バイアスが私にも働いのだろうか?
翌朝は日曜日である。
雨が小降りになったので川の様子を見に出かけてみた。
深夜の警報に係わらず街は、いつもと変わらない様子だ。
朝の散歩の人や車の往来、多くの人が避難したように思えない。
川近くの介護施設の軒先で車椅子の老人が所在無げに空を見ている。
どう考えても、ここは避難勧告対象の場所だろう。
幹線道路に架かった橋の上から増水した川を撮影した。
いつもは、ほとんど水の流れていない川が、川幅いっぱいまで濁流が渦を巻いている。
それでも河川敷のグラウンドまで水没していない。
昨年の決壊寸前まで増水した時の水位より低そうだ。
パトロールに来ていた国土交通省の職員も同様の事を云っていた。
雨は日曜も降り止まなかった。
テレビでは気象予報士が「かつて経験したことのない雨量です。まず命を守ることを優先してください」
と災害時の正常性バイアスに陥らないように訴えかける姿が新鮮だった。
避難勧告が解除された今日7月10日現在で、西日本豪雨と名付けられた激甚災害は死者134人不明60人を記録している。
私の住む愛媛県内では県内一の大河、肱川が氾濫。大洲市内が浸水してライフラインが止まっている。
南予の野村、吉田の浸水と土砂災害が深刻だ。
そして、もっとも懸念していたのが太平洋沖にあった台風8号の進路だった。
一時は905hPaまで発達すると予想された超巨大台風だ。
これが、その後、日本列島に針路を向ければ、どんな惨状になったか?
幸い、中国大陸に向かってくれたので安堵した。
雨上がりの週明けは、真夏の空が戻ってきた。
一夜明けた重信川は、すっかり水位が下がり、いつもより少し水量が多い程度まで回復していた。
里山の雑木林で夏風景を拾ってみた。
樹液に集まるカナブンやゴマダラチョウに珍しくなったコムラサキ。
雨上がり、卵から孵った雛たちが巣穴から出たかな?
アオバズクの様子を見てきた。
親鳥♂♀ともに巣穴近くの木立に止まっているので、雛の巣立ちも近いだろう。
それにしても安倍政権の災害対策本部の立ち上げの遅さと命の軽視が酷過ぎる。
どう考えても戦後最低最悪の内閣なのに昨夜のNHKの世論調査では44%まで支持率が回復している。
一体、この人たちは何を見ているのだろう?
否、何を見ていないのだろう?
私には今の日本人が理解できない。
我が家は心配なかったのですが、知人宅は流されたり、亡くなられたりと大変な様相です。
わずが一週間前の出来事ですが、日常が非日常に・・・
治水はいつの世も必要ですが、護岸工事をやり過ぎると氾濫しやすくなる。
野村町の被害は人災との意見もあります。
被害地は復興に向け大変です。
そんな中、祭りをするかしないかの会議があるようです。
そんなことより、動植物のように一日も早く自然の営みが出来ることを願っています。
地震と違って水害は、避難判断の見極めが難しいですね。
浸水や土砂崩れは、あっという間ですから。
鬼城さんの身の回りでも明暗が分かれましたか。
私の方も、あと少し雨が降り続けていたら河川の氾濫、浸水が現実になったと思います。
極端に針の振れる気候変動の時代を生きていることを今回は肝に銘じました。
肱川の氾濫が野村ダムの放水による人災であることを私も今日知りました。
それも大阪の人のブログ情報からです。
なんとも地元の情報には疎いようです(汗)
雨が上がると梅雨明け、そして猛暑の夏が待っています。
野外撮影、お互いに注意しましょう(笑)
PCなどの主電源を切って夜勤勤務に入りました
同じ夜勤でも今日は肌がやけどしそうな暑さです
危険区域の山に面した立地であるため台風発生のたびに落ち着きません
今回はあと少しを残して工事が中断、明日引き渡しです
今回の災害は野村町に限らず人災の煙が燻っていますね
破壊者は人間です
お越しくださり、コメント、ありがとうございました。
同感です、なぜ安倍内閣の支持率が上がるのでしょうね、調査に答えた方は何を見て、何を聞いているでしょうか?
歴代内閣で最悪の内閣ですようね。
声を聴かず、災害対策は後手後手、大災害が出て拡大している最中に、自民亭での酒盛りとは、本当に呆れます。
野村ダムの放流も計画放流という、マニュアル通りだったそうで、国交種は適正だったという見解です。
しかし気象庁では暖湿気流の流入が次々と流れ込み、長時間の大雨が予想され、警告されていました。
日本の河川の監視体制は脆弱です、国はこのようなこと、日が当たらないものにはお金をかけない、政治的にも票に結びつかないということもあり、与党は手を付けません。
しかしひとたび災害が起きれば、尊い人命や住宅破壊が大規模になり、経済損失は計り知れません。
ダムというのは一定量の水が流れ込み、流入水量によって適度に放水する決まりになっているそうですが、今回は特異なケースで非常事態が分かっていたはずです。
もっと早めに放水を始めていたなら、死者まで出るという、大きな災害までには至らなかったと思われます。
過去にもこのような急な放水によって浸水や死者が出たことがあり、現在も係争中の案件があります。
現場と官庁との感覚的ずれがこのような災害を招きます。
やはりこれは人災であり、国の責任でもあります。
国難は「安倍首相」その人です。
ながながと、申し訳ございません。
何のための治水ダムなのか?本末転倒のようなダム関係者の発言でした。
ダム放流によって浸水し被災した下流域住民の心情をこの人たちは何だと思っているのでしょうか?
ダムは本当に治水対策に有効なのか?
改めて考えさせられる事案でした。
毎度毎度、過去の災害記録が通用しない想定外の自然災害が頻発しています。
misaさん御指摘のように私たちが享受している便利さと快適さと引き替えに
受け止めなければならない人災だと思っています。
そして今や(安倍政権以降)日本は目先の金儲けしか興味のない環境後進国ですから。
毎朝、楽しみに野鳥写真と洒脱な俳句(亡き母が大石悦子先生に師事していました)を楽しみにしていました。
その大阪の山親父さんのブログから地元肱川氾濫の真相を知るとは思いも寄りませんでした。
私もダムの治水対策への有効性には以前から疑問符がついていました。
山親父さんの専門的な御指摘を通読して、今回の国交省の官僚的な発言に怒りを覚えます。
確かに自然災害大国である日本は、先人たちの治水の歴史の上に成り立っているのでしょう。
でもそれは、その土地に生きている人たちのための治水です。
人の暮らしを蔑ろにして官僚的なシステムに固執すると福島の原発事故から何も学んでないことになります。
失敗から学ばないというのは日本の伝統なのでしょうか?
安倍政権の歴史修正主義と公文書改竄、破棄、都合の悪いことは無かったことにする。
というお家芸は大日本帝国の統治システムそのものですから。