そろそろ青葉梟(アオバズク)が来ている頃、と近所の公園へ行ったみた。
残念ながら定位置の椋(ムク)や榎(エノキ)の青葉の葉影に渡りの梟(フクロウ)の姿は見られなかった。
もう一カ所、丘陵公園のメタセコイアの葉影にも。
46番札所、浄瑠璃寺の住職さんの奥さんは「夜になると青葉梟の鳴き声が聴こえる」と仰るので、
渡って来ているが、未だ営巣していないということらしい。
公園は樹々の青葉が濃くなり、一面に白詰草(シロツメクサ)が白い花を咲かせていた。
この草の名前の由来は、江戸時代にオランダからガラス器を送られてきた時に、
梱包の緩衝剤として詰められた乾燥したクローバーから詰草らしい。
東北自転車旅では赤詰草の姿を良く目にした。
青葉の樹々の下草として一面に咲くクローバーの風景は、爽やかな初夏の草原(高原の牧草地)を想わせる。
日影のベンチで本を読んで過ごしたい、そんな場所。
先日、本屋で買った湯本香樹実の短編集「夜の木の下で」を読むロケーションとして最適かも?
場所を移動して丘陵公園から八ツ塚群集古墳そして浄瑠璃寺へ。
八ツ塚の野仏やお地蔵様は金鳳花(キンポウゲ)の黄金と野薊(ノアザミ)の赤紫そして酸い葉(スイバ)の赤茶の花園に埋もれていた。
刈込過ぎた樹も、その坊主頭に、やっと若葉の頭髪を延ばし始めた中学生のようだ(笑)
私は、一輪草や春先のスプリングエフェメラルのようにキンポウゲ科の花々が好きだ。
その金鳳花(キンポウゲ)の名前を持つ、黄金色の野辺の花、ウマノアシガタ(馬の脚形)には、抗い難く惹かれる。
草に埋もれる野仏との相性も良さそうだ。
野辺歩きの最中に、よく雉(キジ)の姿を目にする。
ケッケッケーとけたたましく鳴くので見つけやすい。
ちょうど田圃から道路を横断する♂の雉と遭遇した。
雉は日本の国鳥であるが、まったく保護されていない。
狩猟対象の野鳥である。
GW中の四国88箇所は、いつにもに増してお遍路さんの姿を多く見かける。
岡山からの歩き遍路さんは、奥様も同伴だが奥様は車でサポートしているようだ。
この体格のいいお遍路さんが70歳を超えていると聞いて驚いた。
区切り遍路を3年くらいかけて、ここ46番札所まで来たと快活に仰る。
私自身の歩き遍路経験も挟みながら、
奥様も交え、長時間、屈託ないお話を聞かせて頂いた。
午後の綺麗な光の中でいい写真を撮らせてもらった。
次は車椅子の老いたお母様を連れたお遍路さん。
お母様がもう一度四国遍路をしたいという願いを御子息が叶えて上げている最中だと。
こういう姿に、祈りの旅の原点を観るようで、どうしょうもなく惹かれ、声をかけてしまう。
御子息の笑顔が素敵だ。
次の写真は、白装束ではなく、アウトドアウェアのままロングトレイルとしての四国遍路を楽しまれる御夫妻。
こういうスタイルのお遍路さんの姿が最近、増えている。
普段、なんの気無しに見ている風景がランスケさんの目線での切り取りを見ると童話の世界!
驚きは雉の姿がすぐそこで見ることが出来ること。
里山の雰囲気が伝わってきます。
とどめは「祈り」!
人それぞれに業を背負い、生きている。
遍路で癒やされる、また何度も回る、これも人それぞれの人生か?
風薫る五月の自転車散歩を堪能しました。
4月から5月は生命が溢れる季節。
咲き誇る花も南から渡って来る鳥たちも、次々と代謝を繰り返しているように見えます。
それらを観察していると本当に一日はあっと云う間に過ぎてゆきます。
人間も同様なようで、お遍路さんも皆さん心持ち快活に受け答えしてくれます(笑)
でも祈りの風景は、何処かで、その人の業に触れなければなりません。
お遍路さんたちとの会話の中で、何処かで突き抜けた写真を撮りたいですね。
なんだか今夜も眠いのでPCを閉じます・