Landscape diary ランスケ・ ダイアリー

ランドスケープ ・ダイアリー。
山の風景、野の風景、街の風景そして心象風景…
視線の先にあるの風景の記憶を綴ります。

梅園散歩

2014-03-10 | Walk on

 

少しづつ春めいた話題を振らないと、

私の心は、いつまでも凍えるシベリアの永久凍土の上。

ちょうど好いタイミングでrieさんから「春のお散歩」のお誘い。

これに、ちゃっかり乗っかって軌道修正を試みることに(笑)

 

七折梅園の梅の花も丁度見頃。

少し風は冷たいけれど、梅園の丘陵をrieさんmariさんのお二人と、

石鎚成就社の雪山初詣以来のお出掛け散歩。

毎度、引き籠り爺さんに、温かい愛の手を、ありがとう。

ランチの飲茶も美味しかったです。

(最後の画像は、公園の身重の猫さん)

 

 

と、ここまで書いて昨日は了としたが、あまりにも愛想がない。

少し話を膨らませることにした。

ヒントはmariさんのつぶやいた「桃源郷のような風景」だった。

春のはかない夢、桃源郷伝説にまつわるエピソードを拾ってみた。

 

現世桃源郷は、カラコルム山系のフンザかもしれない。

宮本輝の「草原の椅子」におけるフンザの描写が忘れられない。

秩父山系にも山あいの辺地に花の集落があった。

連翹や辛夷の花々が咲き乱れる桃源郷のような風景だった。

色彩に乏しい杉林を縫うように辿る暗い山道を抜けると、

ぽっかり丘の上に広がる風景が、

この色とりどりの花咲く長閑な集落の佇まいだった。

さらに山道を辿ると里山の蓮華畑の先に、

周囲の満開の桜を映す青い池に辿り着いた。

 

このような山間の静かな池と周囲を彩る花の風景は、

私にとって、微睡むような桃源郷のイメージに繋がってゆく。

子供の頃見た、あの蜜柑山の先を彷徨い、辿り着いた池の

周囲を彩っていたのは、果樹園の桃の花ではなかったか?

と記憶の糸を手繰り寄せてみる。

 

場所を移して、フランスの田園風景も春のはなかい夢へと誘う。

アラン・フルニエの「グラン・モーヌ」の森の中の館での少女との運命の出会いもそうだし、

日影丈吉の「猫の泉」の丘の上に広がる石畳の旧い街も

儚い春の夢のような微睡む風景だった。

 

そう云えば、辻原登の「村の名前」は、中国に実在する桃源郷という村を巡る

ブーキッシュな陶淵明の夢の風景だった。

 


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