暗闇の中で、突然グラッときた。
目覚めた薄暗い闇が、歪んだようにゆらゆら揺れている。
空間が捻じれたような激しい揺れが続いた。
「あぁ、来たか」という妙に冷めた諦念があった。
しかし、揺れは長続きしなかった。
ピタリと治まった後に、
無音の静かな闇を強く意識した。
その後、防災広報が深夜の町内に響いた。
「午前2時07分ごろ伊予灘を震源とする震度5強の地震が発生」とアナウンスされる。
以前から予想されていた南海トラフ地震ではなかったのか?
(この地震が南海トラフの前兆ならば、この日のことを記録しておこうと思った)
TVをつけて地震情報を得た。
私にとっては、芸予地震以来の大きな揺れの体験だ。
幸い地震による被害は、本棚のペンギンの置物が落下しただけ。
揺れの最中、本棚による圧死を覚悟していた。
本に埋もれて死ぬのも、私らしい最期だ。
震度5という数字は、東日本大震災の後、しばらく続いた余震の揺れと同じくらい。
津波の後に、この揺れを日常的に経験した被災地の人々の恐怖を思う。
改めて3年目の巡り来た春を意識した。
電気を消して、再び闇が訪れると、
闇の中に地鳴りのような音が響く。
深夜の闇を飛行するヘリコプターの、
パタパタパタパタ…
いつまでも止まぬ重低音が、いっそ不気味だった。
鹿児島の川内原発以外は、規制委員会の新基準ができる前からの揺れの想定を見直していないことが分かった。
私の住む場所の近くには、国内有数の活断層、中央構造線に隣接して伊方原発が立地している。
今度の地震の震源から近い伊方は、本当に大丈夫なのか?
福島第一の事故は、津波以前に地震による配管の断裂があったという疑いは未だ検証されていない。
近い将来起こると云われている南海トラフよりも、
もっと身近なところで、2001年3月24日に震度6の芸予地震が発生している。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%8A%B8%E4%BA%88%E5%9C%B0%E9%9C%87
この10年余で5強の地震が、この地域では二度目だ。
それも同じ3月に発生。偶然の一致とは云え、3・11と重なってしまう。