
台風一過、狙いすました風予想がピタリとハマった。
またまた風読みの天才、今治のKさんが百発百中で石鎚山上に吹く風を読む。
おかげで、この冬は神々しい厳冬期の気象現象と出会えた。
さて、色づき始めた山上に、神々が再び舞い降りる。
台風一過の月曜日は、ずっと細かい霧を吹いたような雨がシトシト降る一日だった。
夜半から雲が切れて、吹き上がるガスに虹色の光輪を纏う月輪が望まれた。
そして迎えた朝は、思いの外、瀬戸内側に発達した雲が厚くドラマチックな展開にはならなかった。
昇る朝日を待つ時間、馴染みの顔が薄暗がりの中に一人二人と現れる。
お山の主、福島さん。のんびり山歩さんとも久しぶり。
山歩さんの紹介で「風雪ながら暮らし」のNさんともお会いできた。
Nさん、オレンジの差し入れありがとうございました。山で食べるオレンジは殊の外美味しかったです。
10/2の朝は期待を裏切られた。
太陽が高く昇っても、この日は北側をガスが覆い紅葉の全貌は見られないままだった。
ガスの巻く天狗尾根を辿り柱状尾根(墓場尾根)の紅葉などを観て過ごした。
東稜および山頂周辺は今週末の連休。柱状尾根は来週末くらいに見頃を迎えそうな状態。
正直云って、今夏の山は雨の日が多く日照時間が少なかったせいか色づきに精彩がありません。
それに先週の台風の影響もあったでしょう。
場所によっては鮮やかな紅葉も見られたので、まぁ、それなりの秋の彩は充分に楽しめそうです。
紅葉が進行すると云われる目安の気温8℃を連日下回って、10/2、/3ともに最低気温が5℃まで下がっています。
この連休は赤やオレンジに色づいた紅葉散策には打ってつけの日和となりそうです。
さて、夕刻から山はドラマチックな様相を見せ始めた。
夕陽を浴びて、天狗岳の横、ガスのスクリーンに映し出されたブロッケンの光輪の外縁をさらに大きな光輪が囲んでいた。
そして赤々と沈む夕陽に、先週より一段と夕映えの紅に染まった天狗岳が望まれた。
さぁ、三日目の朝は、ついに待望の風が吹いた。
北東の風が石鎚山上にドラマチックな朝をもたらす。
瀬戸内海をびっしり覆う雲の海が、昇る朝日に動き始める。
北東の風が吹き上げ、北壁を駆け上がる「天狗の首巻」だ。
石鎚山岳写真、伝説の風景は、この風が創り上げる。
三浦さん、「山岳写真は気象写真」発言、少し考え直しました。
富士山写真の第一人者、大山行男さんの写真集を見ていて「これもありだな」と思いました。
あのシンメトリーの極致、富士山のワンパターン構図でも、目も眩むような多彩な気象現象の数々。
霊山と呼ばれる山は、人知を越えたような圧倒的な風景(気象現象)と出会える場所なのです。
だから古来から人々の畏れと信仰を集めてきたのだと思います。
天狗岳の三角錐をデンと中心に据えたワンパターン構図で、これからも気象写真を撮って行きます(笑)
特に秋から冬にかけては、この気象写真の王道ともいえる現象が数多く観られます。
目も眩むような神々しい風景と何度出会えるかな?
最後の一枚は、下山時の北壁の紅葉状態です。
NHK高知制作の横倉山の発光茸の映像には惹き込まれました。
エンディングの制作スタッフのクレジットにもあったように、これも高知の写真家、高橋宣之さんの写真が元ネタですね。
http://www.nhk.or.jp/kochi/niyodo/gallery.html
私も、また秋の森でテン泊して夜を過ごしたくなりました。
さぁ、来週も再び石鎚山系に入ります。