難しき近所付き合い水を打つ
(むずかしききんじょづきあいみずをうつ)
打ち水=夏の季語
物忘れ歳のせいにし茗荷の子
(ものわすれとしのせいにしみょうがのこ)
茗荷の子=夏の季語
最近ひどくなった物忘れ、決して茗荷のせいではありません。
8月1日~10のつぶやき句を、自選24句にまとめました。
暑気払い身過ぎや世過ぎなど論じ 肝心は生きてゆくこと暑気払
石仏の山路に黙す炎暑かな 遠島へ水脈一筋に土用凪
平均の寿命また延び百日草 百日草不老長寿の草はなく
わらべ歌流す売り場や夏真昼 ビードロや夏の終りの音に似て
うらぶれの浜の番屋や昆布干す ラジオから流るる演歌昆布浜
不器用に男料理の昆布だし 語り部の老い重ねけり原爆忌
立秋や四季なき国となりてなほ 昭和には四季がありけり秋立つ日
冬瓜や嫌い嫌いも好きのうち 冬瓜やどうにも食へぬ奴がゐて
冬瓜を料理しきれぬ句詠みかな 愛飲の地酒二合や秋端居
一人では漕げぬシーソー秋暑し 公園の忘れボールや秋暑し
長崎忌首相の言の虚ろかな 放棄田の草花園となりにけり
まほろばは越前の里草の花 薪能鬼女の怪しく夜の底