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創業106周年きものと洋服のお手入れ専門店 一級染色技能士の仕事事例と日常生活

着物の気持ち

2017年04月04日 | コラム

皆様こんにちは

山三三ツ屋染舗の三ツ屋邦孝です。

先日、問屋さんとある業者さんから新反洗い、洗い張り、解き筋消しの依頼を受けました。

新反洗い 乾燥中

グリーンの小紋が新反洗いを行いました。

この小紋は呉服店の在庫品で少しカビの匂いが気になるとの事で、新反洗いを指定してきました。

新反洗いは反物あるいは仮縫い状態の着物生地(反物)状態で水洗いもしくは

ドライクリーニングを行い余分の糊落としをして抗菌及び防カビ剤の入った仕上げ剤を使用して

その後テンター(湯のし機)で仕上げしていきます。

持ち込んだ問屋さんはもう30年以上のお付き合いで着物のこと加工のことを

熟知していて今だけでなくこの先の事まで考えてくださる方です。

加工の事も着物に応じた処置を行ってくださいます。

お召表

こちらのお召の表はある顧客様が小売店には縫いと湯のしの依頼で来たものが当店に持ち込まれました。

もらった時は解き済みの状態でしたので、おそらく洗い張り済みの物だと思いますが、

長期保管された物でうっすらとカビが生えていますが顧客様は気づいていない様です。

お金を掛けたく無い事が第一希望の為には縫いと湯のしのみのご希望です。

当店もは縫いと湯のしで仕上げて納品しました。

 

お客様のご希望なので、一介の職人の私がごちゃごちゃ言える立場では無いのですが

戦後まもなくのころ並木路子の「リンゴの唄」が思い浮かびます。

「リンゴは何にも言わないけれど、リンゴの気持ちは良く分かる」

着物は何も言いませんが着物の気持ちは良く分かりますと言うか自分の胸に

ひしひしと伝わって来ました。私は衣類との対話は出来ませんが

着物が何を望んでいるかやうれしさや悲しさ、どうして欲しいと言う気持ちは

良く伝わってきますと言うかとてもよく感じると言う表現が正いと思います。

このお召もカビの原因となる糊の成分とカビを水洗いをして落としてて

抗菌剤及び防カビ剤の入った仕上げ剤を付けてあげたかったです。

こう言う仕事をすると着物を愛している私にとってかなり精神的にはダメージが来ます。

 

後、お客様は新反を仕立てた後一度も着用せずに、しつけ糸が付いているので

寸法(サイズ)直しの為に全体解いて筋消しをして欲しいの依頼があります。

おそらくお客様は着物を解いては縫ってアイロン掛けと湯のしの処理で良いと

お考えだと思います。寸法出しの場合お客様は出来るだけ安い加工代金をお望みです。

お客様のお気持ちも十分理解していますが、着物の気持ちの理解と根治処置を考えると

私自身はやはり洗い張りの工程が良いと考えます。

理由は新反の仮縫いの振袖や訪問着等を解くと前身頃と後ろ身頃の縫い目がすごく汚れている事と

以前より洗剤や糊や仕上げ剤が格段に進歩している事により水洗いする事で

抗菌剤や防カビ加工で出来ますので、着物にとって解いた解きが抗菌剤や防カビ加工の絶好の

チャンスですし仕立てた後の縫い目やきせの後が水洗いをしたものとしてない物の差は歴然と

しています。縫った後からは出来ませんので解いた時に是非水洗いをして着物の寿命を

伸ばした欲しい事を願っています。職人の一人よがりでは有りません。

ネットを使い大手航空会社から売れ残った団体席を安く買取って安いツアーを組んでいた

ツアー会社が莫大な負債を抱えて倒産した事がテレビのワイドショーを握合わせていました。

また格安のバスの悲惨な事故などを見ていると安すぎる物は何らかの理由が有ります。

必要な物が無いや必要なメンテナンスを受けていない等有ります。物の見方によると

私の考えも過剰なメンテナンスや過剰な工程に見える方がいらっしゃると思います。

選んでいただくのはお客様です。

 

着物のお手入れは

厚生労働大臣認定一級染色補正技能士のいる

山三 三ツ屋染舗にご用命下さい。

〒062-0902

札幌市豊平区豊平2条2丁目2番20号

電話011-811-6926 FAX011-811-7126

メール mitsuyasenpo@train.ocn.ne.jp

ホームページ http://328senpo.sakura.ne.jp

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