皆様こんにちは
山三三ツ屋染舗の三ツ屋邦孝です。
呉服店から筋消しの依頼です。
筋消しとは、着物を仕立て替えする為に一度全体解き、湯のしをする事ですが、
加工するお店により多少やり方が違います。
- 解き→はぬい→湯のし
- 解き→はぬい→アイロンがけ→湯のし
- 解き→はぬい→アイロンがけ→ドライ又は水洗い→湯のし
1のやり方は一番手間が掛からないやり方ですが折れ目やヘラの後が残ってしまいます。
2のやり方は新反の仮縫いの湯のしのやり方です折れ目が綺麗に伸びますがヘラの後は残ります。
3は当店では洗い張りのやり方です。折り目も焼ヘラの後が目立たなくなりますし糊や汚れも落ちます
折角解き仕立て替えするのので汚れも落とせるのでコストは掛かりますがのちのちの着物のことを
考えるとお得になります。
色留袖袷 解き済み Before
この後にロックミシンではぬいをしました。
はぬいをしてアイロン掛けをしながらあちこちに輪じみを発見しました。
色留袖 袖に輪じみ Before
色留袖 袖紋 Before
袖口付近に輪じみがあります。
色留袖 左身頃背紋
色留袖 右身頃背紋
仕立ての時を背紋を合わせる時に接着剤を使用した為に使用した部分が黄変になっています。
仕立て屋さんの知識不足の為の発生した黄変です。黄変する接着材の使用をやめて欲しいですね。
色留袖 身頃 衿回り Before
画像では見づらいですが輪じみがあります。
色留袖 元衿 Before
輪じみが特にひどいです。
色留袖 衽剣先 輪じみ Before
色留袖 衽 元衿 輪じみ Before
色留袖 掛け衿 輪じみ Before
色留袖 掛け衿 輪じみ Before
この色留袖着用後に揮発油(ベンジン、ホワイトガソリン等)にて衿洗いや袖口洗いを行っていますが
汚れや揮発油の成分が輪じみとなって生地に残っていました。
お客様が行ったか、しみ抜き職人がやったかは定かではありませんが注意が必要です。
今回は洗い張りでは無くあくまでも筋消しで洗う必要は無く、低価格をお望みでした。
1/15に長野県軽井沢町で起きたスキーバス転落事故で、バスを運行していた会社は義務付けられていた
健康チエックを怠っていた事が明らかになりましたが、デフレが続き低価格な料金を消費者は望んでいますが、
本当に必要な安全を犠牲にしてやる事なのかをもう一度考えたいいただきたいです。
この色留袖も輪じみを取らずに仕立て屋さんに行くと、仕立て屋さんは輪じみを取ることが出来ない為に
そのまま仕立て上がり、色留袖の持ち主のお客様が呉服屋さんにクレームを言い事が大きくなります。
親の仕事や自分の長年の経験によりクレームの芽を摘む為にしみ抜きとドライクリーニングを行いました。
色留袖 掛け衿 輪じみ ドライクリーニング後 after
色留袖 掛け衿 輪じみ ドライクリーニング後 after
色留袖 元衿 衽剣先 輪じみ ドライクリーニング後 after
色留袖 元衿 輪じみ ドライクリーニング後 after
色留袖 袖 輪じみ ドライクリーニング後 after
色留袖 表 胴裏 八掛 筋消し後 after
いつも着物の為を思い仕事をしていますが、私自身低価格で勝負する業者ではないので
そのような業者さんと意見が合わずお互いに嫌な思いをする事がりますが、
今回の軽井沢のバスの事故やお隣の国のLCC(格安航空会社)が半ドアのままに
飛行機を離陸して上空で警報が鳴り緊急着陸があった事も記憶に新しいです
これらの事を契機に我々の業界もう一度考え直す時期が来ていると思います。
着物の筋消しは、
厚生労働大臣認定一級染色補正技能士のいる
山三 三ツ屋染舗にご用命下さい。
〒062-0902
札幌市豊平区豊平2条2丁目2番20号
電話011-811-6926 FAX011-811-7126
メール mitsuyasenpo@train.ocn.ne.jp
ホームページ http://328senpo.sakura.ne.jp
営業時間 平日(月曜~土曜) 午前8時~午後6時
休日 日曜 祝日
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