皆様こんにちは
山三三ツ屋染舗の三ツ屋邦孝です。
いつも当ブログをご覧いただき誠にありがとうございます!!
クリーニング店から洗濯表示が全て✕で、胸ポケット付きのエルメスTシャツが
自社工場で処理しても食べこぼししみが落ちないのでしみ抜きで落として
欲しいとのご依頼です。
エルメス胸革ポケット付きTシャツ 食べこぼし
エルメスポケット付きTシャツで胸に羊革ポケットがついています。
エルメス胸革ポケット付きTシャツ 品質表示
素材 本体綿85%カシミヤ15%皮革部分羊革となっています。
洗濯表示 家庭での洗濯禁止、塩素系及び酸素系漂白剤の使用禁止、タンブル乾燥禁止、
アイロン仕上げ禁止、ドライクリーニング禁止、ウエットクリーニング禁止、
と全てバツになっています。
但し書きにドライクリーニングの溶剤により、皮革部分から移染する恐れがあります。
クリーニングは、皮革の取り扱える専門店にご相談下さい。
素材の特性上、摩擦や、着用を繰り返すことにより毛羽立ち・毛玉が生じやすいので
お取り扱えにご注意下さい。摩擦によるアタリ(テカリ)が発生することがあります。
過度な摩擦にご注意下さい。
エルメス胸革ポケット付きTシャツ 品質表示
この商品は、ソフトな風合いを重視しています。
素材の特性上、毛羽が付着することがありますのでご注意下さい。
同系色のインナーやボトムとの着用にお勧めします。素材の特性上、
糸が引っ掛かりやすいので、バッグ、時計など金属突起物や、
ざらついたものにご注意ください。摩擦(特に湿った状態での摩擦)や
汗や雨などで濡れた場合、色によっては他のものに色が移る事がありますので
ご注意下さい。汗が付着したまま日光・電光灯(蛍光灯)に当てると、
変色することがありますのでご注意下さい。本品は、スポーツ用には作られておりません。
エルメス胸革ポケット付きTシャツ 品質表示
革部分お取り扱い上のご注意
素材の特性上、汗や雨などでぬれた時、または摩擦(特に湿った状態での摩擦)により、
他の衣類に色が移る事がありますので、ご注意下さい。同系色の衣類との着用をお勧めします。
ベンジンやシンナー、市販のシミ取り剤などは色落ちや硬化の原因になりますので、
使用をお控え下さい。保管の際、重ね置きや高温・多湿の場所は避けて通気性の
良いところに保管して下さい。光に弱く色褪せし易いので、長時間の日光・電光灯
(蛍光灯)にあたらない様にして下さい。となっています。
エルメス胸革ポケット付きTシャツ 品質表示
洗濯表示 液温は40 ℃を限度とし、手洗いができる、塩素系及び酸素系漂白剤の使用禁止、
タンブル乾燥禁止、底面温度110 ℃を限度としてスチームなしでアイロン仕上げができる、
ドライクリーニング禁止となっています。
日本語表記と英語表記で洗濯表記に違いがあります。
日本表記は水洗いバツ英語表記は水洗いがOKとなっています。
この品質表示の但し書きから分かる事は胸ポケットの皮革部分がドライクリーニングや
濡れた場合の移染がするリスクが有る事とカシミヤ混の綿生地水濡れによる移染と
耐紫外線による日ヤケのリスク、本体はカシミヤ混の綿素材のソフト素材の為に織の
打ち込みが弱い為に糸の引きつりや摩擦によりカシミヤ素材が毛玉になり易いとても
デリケート衣類と言う事が分かります。
長年着物のしみ抜きと湯通しや洗い張りによる水洗いを行って来た経験則から
この本体生地を織り上げる時にカシミヤ混の木綿糸の摩擦で糸が切れる事の防止する為に
糸にかなりの油分や糊が付着している事が予想されますし、染色もヨーロッパ製のあまり
良くない水での染色の為に水洗いや食べこぼしの水性しみ抜きを行うと生地の油分や
糊が除去されたり、残留している染料が抜けて、生地が脱色して白っぽくなる事が
予想される緊急アラートが自身の頭の中で鳴り響きました。
エルメス胸革ポケット付きTシャツ 食べこぼし
今回クリーニング店がクリーニング処理に思い悩んで、カスタマーサポートに連絡した事を
聞くとヨーロッパ仕様の洗濯表示で水洗いはOKですが、日本使用の洗濯表示を守って下さいと
言う、国会中継の官僚の答弁の様だったとお聞きしました。ドライクリーニングがダメで
水洗いもダメとの表示で皮革のクルーニング店にご相談下さいとなっています。
皮革のクリーニングの場合やはり皮革用の溶剤管理しているドライクリーニングか、
低温で革専用の洗剤を用いての水洗いです。以前見た文献でヨーロッパのクリーニング店では
皮革の部分を解いて本体は別のクリーニングを行い再度縫い付ける事が記載していました。
ある意味日本の洗い張りの考え方です。
色々と思い悩んだクリーニング店の方と熟慮してしみ抜きと仕上げを行って欲しいとの
ご依頼となりました。
エルメス胸革ポケット付きTシャツ しみ抜き後
食べこぼしのしみ抜き前に、生地に付着している糊気(油分と糊)が除去されない様に
非常に弱い油性のしみ抜き剤を使用しましたが、やはり生地の油分が抜けて地色が薄く
なりました。いつもの様な油性しみ抜きを行うと目も当てられない様の結果にならずに
ホッとしました。水処理後に脱色した部分に色掛け(色修正・染色補正・染直し)を
行い補正して、皮革の部分に注意して仕上げ(プレス)を行いました。
部分的に皮革が付いている品物は要注意です。
着物と洋服のお手入れは
厚生労働大臣認定一級染色補正技能士のいる
山三 三ツ屋染舗にご用命下さい。
〒062-0902
電話011-811-6926 FAX011-811-7126
営業時間 9:00~18:00
休日 日曜・祝日
メール mitsuyasenpo@train.ocn.ne.jp
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