皆様こんにちは
山三三ツ屋染舗の三ツ屋邦孝です。
洗い張りは着物の洗濯方法の一つですが物を大切にする日本人が
考えだした他には無い独自性を持った洗濯方法です。着用後の仕立て上がりの
着物を解き、元の反物の状態に縫い合わせて、水と洗剤でで洗濯し、板張り、
伸子張り、テンター機(機械湯のし)、手のし、アイロン等で仕上げて行きます。
洗濯後に糊付けしてテンター機(機械湯のし)を行う場合と
伸子張りの後に刷毛で引き糊付けする場合も有ります。浴衣等は洗濯後の
板張りで仕上げている家庭の有りました。
先日「解いてある着物の湯のしの料金はいくらですか?」と問い合わせがありました。
よくよく話を聞いて見ると自分で着物を解き水洗いをしてアイロンで仕上げたのですが
思って様に仕上がらなかったので、専門業者にゆのしを依頼しようとして、
とある業者からの問い合わせが上記の問い合わせでした。
このお客様はとても金額にシビアな方の様でした。
小紋表(裏側)解き済み
小紋表(表側)袖 解き済み
小紋表解き洗い済み済みでした。
お客様の優先順位の一番目が出来るだけ安くして欲しいとの事でした。
作業的には反物の状態にするためには縫いをして湯のしをする事になります。
小紋表 は縫い済み
アイロン仕上げでは生地がぶく付き耳がたるみ地の目が通らず仕立てをしても上手く仕上がらないと
思います。
小紋表 上前衽
お茶をされている方の着物と推測しますが上前衽(真ん中の縫い目より下が上前衽)が畳で擦れて白くなったいます。
小紋表 掛衿
掛衿(真ん中の縫い目より上が掛衿)はヤケて黄変化しています。
小紋表 掛衿
デジカメのレンズの関係で見せたい部分が掛衿を一度に写すと衿ヤケが小さく分かりずらい為の
二枚になったいます。掛衿のヤケや上前衽が白くなっていますが、お客様のご要望の料金では
湯のしのみのご希望ですので、他のヤケやスレ等はそのままスルーさせていただきます。
またこの小紋表ご自分で洗い糊が抜けて腰抜け状態になっています。
織物ははた織りの時に糸切れを防ぐ為に糸の保護剤として糊が必要となりますが
織り上がると湯通しをしますが、染物の場合は洗い張り等をした場合は糊が抜けすぎると
腰抜け状態になるとかえって着心地やシワになりやすいために必要量な糊を入れます。
着物一反一反、糊加減が違います。コストのが優先順位一番の方は仕立てた後の事は
二の次三の次ですので、必要の無い事と思います。
現在洗い張りをしてまで着物のお手入れをする方は本当に少なく成りました。
私自身洗い張りを行っている職人として、お客様より加工代を頂く以上
洗い張り前と後の他に仕立て上がった後まで着物が良い状態になる事を反省研究模索をくりかえして、
洗剤、糊、加工材や作業工程の見直しを行ない、良い方法はあれば常に技術のアップデートして
バージョンアップしています。着物が少しでも長持ちするように、地の目や生地の硬さを
コントロールしています。
着物のお手入れは
厚生労働大臣認定一級染色補正技能士のいる
山三 三ツ屋染舗にご用命下さい。
〒062-0902
札幌市豊平区豊平2条2丁目2番20号
電話011-811-6926 FAX011-811-7126
メール mitsuyasenpo@train.ocn.ne.jp
ホームページ http://328senpo.sakura.ne.jp
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