遠くの山の山道の青白い街灯の光が秋の霞でたなびく
未だジワりと汗ばむ夜の秋虫の声は弱く寝つきにくい
羊を数えるより窄んだウリの花の数を数え香りを嗅ぎ
湿ったヌルい風に「明日は何輪さくでしょう」と呟く
ゆるい雨が降りはじめ遠くの山がだんだん姿を消して
山道の青白い街灯の光だけ残し夜が茫洋としてみえる
秋虫の声はすっかりおさまるも、ゆるい雨の声は快く
「こんどこそ、おやすみなさい」と隣にいる猫に囁く
※ 夕方の作業部屋に集まる子供たち