素秋
えらい温い素秋
太陽眩しい平尾台
※ 温い:ぬくい
2020/11/15
黒鯛が泳いでる夕方の湾。
コロッケあげたら寄ってくるかも、とコロッケを買いに行ってみた。
よしよしよしよしっ。コロッケ1つ購入。
湾に戻り、牛肉コロッケあげたら掬えるかもー♪と袋から取りだすと
黒鯛はコロッケ食べないと思うんだぁ〜と釣りのおじちゃんが笑っていう。
え?試したことあるの?ザリガニは何でも食べるのに、黒鯛は食べないの?
ザリガニ釣りじゃないんだよ、黒鯛だよー(笑)
黒鯛は肉食だよ、これ牛肉コロッケだよっ!肉だよっ!
肉食でも牛肉コロッケじゃ無理と思うんだぁ、とおじちゃんは御腹を抱えて笑ってる。
ホントに?
本当だよ、黒鯛は蟹が好きなんだよ。
あーぁ。
牛肉コロッケを本当に黒鯛食べると思ったの?
勿論ね、ザリガニは何でも食べるからさ。
ザリガニは牛肉コロッケ好きなの?
いや鶏肉かスルメしか、あげたことない。何でも食べるイメージよ、イメージ。
海みて、走って戻ってきたと思ったら、牛肉コロッケかぁ。いや参った(笑)
そ?じゃ諦めて日が暮れる前に帰ろう。と呟き、黒鯛のことを教えてもらった御礼に、買った牛肉コロッケをおじちゃんにあげる。
ありがとう、また釣りしてるからさ。とおじちゃんが未だ笑ってる。
じゃーねーと手を振り私は空中を走るように帰った。
黒紅の雲の魔法がほわほわっと現れ
日暮れの藍鼠の空を巻き込んでゆく
山の麓の街灯りも消し去るかしら
黒紅の魔法で私の闇を封じれるかな
止まっていた洗濯物をとりこむ手に
冬が来ただけだよ、と
黒紅の魔法が素っ気なく呟き、あっけなく夜にした
そっか立冬か、私は窓をピシャンと閉める
※ 2020.11.6 18時過ぎ
朝食をつくりながらベランダで間引いた、もみじ大根を収穫。
鶏で炊いた巾着の横に添える。
小さな間引きの収穫さえ嬉しく、私はときめいてしまう。
ときめきながらも、朝の時間は忙しない。
昼間が暑く、糠床の発酵が早い為、味見をしてアレコレ考える。
つくった朝食を御盆に並べ、食べ始める。
私の座る横には、既に洗濯用のハンガーを置いている。
食べ終わる頃に洗濯が終わるので、食後は洗濯を干すのだ。
食事中、ブナが炬燵から、のそっと出てくる。
重度の気象病のブナの頭は重そうだ。
ボーっとしていたのか、私の横に置いてあるハンガーを潜り歩いて行く。
ハンガーは胴に挟まり、ブナがハンガーごと歩いていく。
笑い吹きだした私は、慌てて追いかけるも、ブナは気づかずベランダへ直行。
おーぃ!ブナさんやーぃっ。
ベランダへ行くと胴に嵌ったハンガーは鍵尻尾で止まり不思議そうに眺めている。
ブナ、そのまま、こっちに来てみて。
漸く、事に気づいたブナは、私の側へ来て、ハンガーは鍵尻尾から落ちた。
急ぎ朝食を済ませ、私は普段着のブラウスに着替える。
ふんわり香りがする。
あれ?何だろう・・・考えては辺りを嗅ぐ。
そうそう、思いだした。
今着たブラウスは、干している時にいつの間にか、ローズマリーの上に落ちていたのである。
ローズマリーの強い香りはつかず、香りは柔らかく付きブラウスの着心地がよく感じる。
朝の忙しない時間、日々、こんなに嬉しかったり、吹きだすほど笑ったり、心地良かったりは無いだろうが、
たまのたまに忙しなさが楽しくなる日があるから、朝の忙しない時間は私には貴重である。
洗濯も干し終わり、溜まったブラウスのアイロンをかける。
アイロンがけが終わったブラウスの上を、ブナが寝ころんでいる。
かけたてのブラウスを子供がどうしようが私は気にならない。
洗いたて、アイロンかけたての布地は、気持ち良いものねーと自分も同じようなことをした記憶を重ねてしまう。
朝仕事を終えると御茶を一服いれ、ふぅと大きな息が吐く。
ベランダには、ブナが残したハンガーが落ちたままだが、未だ拾う気がしない(笑)
ブナが歩いて連れて行ったハンガー。
※朝食風景
・雑穀米
・味噌汁
・人参と茄子の糠漬け
・巾着ともみじ大根の間引き
・梨
・チーズ
間引きした、もみじ大根の歯ごたえが良いっ。