夜汽車

夜更けの妄想が車窓を過ぎる

休み中に旅行したいところは?

2019年04月28日 09時15分53秒 | 日記
日本国中どこも【歩いて、見る】値打ちがある、だからどこか特定の場所を挙げられない。【人が見て、歩いて、体感する空気や風景】は素材であってそれを脚色するのはその人自身である。即ちあなたはあなた自身を見る。
でもこう言うと【勿体つけるな】と言われそうだし(もう一人の自分がそう言っている)キザなので都市を挙げて見る。
1.別海町・・西春別駅跡地の公園。私は幼児体験が尾を引いて、廃線、廃駅、機関車を見るのが好きだ。ポール・デルヴォーの風景!
2.野付半島・・この危うい海と砂洲の境界。
3.釧路・・日本で最も詩情ある街、幣舞橋の夕日に佇む女人達、暮れ逝く夕焼け、トランペットの音の輝き、今夜もまたひんやりと霧が降りて・・・!
4.東京、中野・・台湾出身の品のいい老婦人の経営する旅館で、夜半に目覚めて聞くどこかのカラオケの風の音。楡の若葉に風薫る大連?、いやここはいにしえの武蔵野。しかし何故か屋内の空気はあの懐かしい台北。
5.新幹線が雪で遅れ、急きょ宿泊しなければならなかった京都、案内所で宿を紹介してもらって、夜道をタクシーはどう走ったか?狭い玄関を上がり、狭い廊下の端の一室で明かした一夜、翌朝、氷雨の降る中でふと見た神社、どこだったろう?
6.北陸のある町・・街ではない、町!二階の欄干に凭れて見下ろす小島。しかし私の心象風景は能登半島、灰青色に霞んだ海から白波が寄せていた。ふと横に立った仲居さんが『もうすぐ春・・』と囁いたような、空耳であったかもしれないような、うつろな反響を残して消えた。
7.大阪・・遠い遠い昔、新入社員で初めての出張の帰り、風邪を引いてキツイ。喫茶店でコーヒーを飲んでいた。若い女性が向かい側に立った、『ここに坐ってよろしいか?』と聞いて来た。『どうぞ!』と言うのが精いっぱいだった。ああ、大阪、人と人の境界が希薄な街。
8.三原・・ベンガラ格子の町並みを歩いた、みぞれの降る夜、彼女と肩寄せあってとぼとぼ歩いた、長いトンネルの向うの微かな点のような記憶。もう故人となったかもしれない、若かったあの日々。
9.那覇・・驟雨が通り過ぎた、教会のガラリ戸が風に揺れる。濡れた鋪道に散る花びら、遠くからする喧噪、首里城へ向かう石畳。



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