月のひびき (徳正寺だより)

“いま”出遇えた一瞬をパチリ
それは仏さまとの日暮らし…

手作りうさぎのはなし

2010年10月28日 21時52分16秒 | ふうわりふわり(坊守日記)
並んだ並んだ、うさぎさんがいっぱい!

徳正寺の報恩講に開催する《いきいき・かがやき展》はご門徒さんの手作りの作品をいろいろに展示させていただきます。

I講中のおとりこしのお参りにYさん宅におじゃまさせていただくと、お仏間でYさんがお針仕事をされていました。

そして今年展示するために作られた作品を見せてくださいました。

「来年はうさぎ年でしょ、だから、うさぎさんを作ったんですよ。布はありあわせでね。お寺さんに飾ってもらってうれしいことよ」
と、楽しそうに、ひとつまたひとつと箱からうさぎさんを取り出してくださるのです。

「うわー、かわいいですね~。ありがとうございます!実は期待していました!」

とありがたくお預かりして帰りました。

「ところで、Yさんおいくつですか?」
とお伺いすると・・・

「83才になるんですよ。」
と笑っておっしゃる。

「お針仕事でもなんでも、やる気を出すとまだなんでもできるんですよ。ぼつぼつですけどね。
買い物の帰りも“500円、500円、タクシーに乗ったら500円”って言いながら歩いて帰るんですよ。」

人生の大先輩・・・見習わせていただきます。

清浄歓喜

2010年10月28日 20時48分55秒 | 仏々相念(住職日記)

すません、ありがとうございます・・・

1年ぶりの御無沙汰でした。
お参りしながら、申し訳ないな~って思いいっぱいで、
「おはようございま~す、お寺で~す」
「ありがとうございます。ようお参り下さいました」
「お兄さん、すいません、御無沙汰していまして・・・」
「こちらこそ・・・」

二度の脳梗塞で寝たきりの状態となられ、その後高熱が1カ月続いき視力も失われた。
「ご院さん、このような状態になり聞くことと話すことが普通にできることは幸せです。奇跡なのです。
もし、聞くことと話すことができなかったらこうしてご院さんとも話すこともできないし、ヘルパーさんたちとも話せませんもんね。」

「一年、会いにも来ずにすいません・・・」
「いえいえ、こうして来てくれたことが嬉しいです」
外面ばかりの住職を力づけてくださいます。

「では、お勤めさせていただきます・・・ナンマンダ~ブ、ナンマンダ~ブ・・・」
「ナンマンダブ、ナンマンダブ」

お念仏の声を聞きながら、優しい時間をいただきました。

「お兄さん、またお参りさせていただきます」
「すいません、ありがとうございます・・・」

私が家を出るまで「すません、ありがとう」が聞こえていました。
小さい私を知らされ、逃げるように出てしまいました・・・

今度また、近くにお参りした時には伺ってみようと思います。