月のひびき (徳正寺だより)

“いま”出遇えた一瞬をパチリ
それは仏さまとの日暮らし…

拒否反応

2010年10月30日 20時49分49秒 | 仏々相念(住職日記)
不器用ですから・・・

こう言ってカッコいいのは高倉健さんぐらいでしょう。
不器用だから人一倍努力して、人に寄り添っていく・・・そんな生き方なのでしょう。
なんてカッコいい人なんだって思ってしまいます。

何日もかけコツコツとお浄土のお飾りを手作りしとってくださる坊守。
大好きな炬燵が出ているものですから徹夜が続いています。
折り紙で蓮の花を作っているのです。
勿論仏婦の方々のお力もいただいているのですが、出来る時にコツコツと・・・

今日の夕食をいただいた後、いつものように皆でワイワイと話しておりますと、
「ちょっとごめん、これを折りながら・・・」って坊守。
何気に話しながら坊守の指先を見ていると簡単そうに折っているのです。
「手伝おうか?」って予想外の私の声に、
「折ってくれるの?」って笑顔で3㎝位の緑の和紙を渡されました。

そう、蓮の葉になるのですが、見るとやるとでは大違い・・・
見ていた指先が魔法のように何でもできる坊守の指先であることを忘れており、
軽はずみで言った言葉に後悔の思いを持つのに時間はいりませんでした。

不器用な私は最初に一角折っただけで拒否反応が・・・
鼻水が出てくるは、息苦しくなり口が開くは、頭がボーっとしてくるは・・・
一つ折っては鼻をかみ、ため息を一つつく。
こんな状態だからきれいに折れる筈もなく不細工な葉が並んでいきます。

「ありがとう、沢山折ってくれて・・・上等上等!」って優しき母が子を褒めるように喜んでくれる坊守。
お調子者の私は単純に喜び、「又、後で手伝うよ・・・」

不器用な男が作った葉もお浄土のお飾りにしてくださいます。
お浄土の一つの色に成らしてくださる。

坊守の微笑みのように優しい色に成らしてくださる。