月のひびき (徳正寺だより)

“いま”出遇えた一瞬をパチリ
それは仏さまとの日暮らし…

愛歌熱唱

2011年06月19日 19時13分40秒 | 仏々相念(住職日記)

また君に恋してる・・・

 

カラオケが好きな奥様のお葬儀のご縁をいただきました。

お写真もきれいなステージ衣装でいいお顔で笑っておられます。

 

「お別れの時に奥様の好きだった歌をかけたいのですが・・・」って相談を受けました。

「どうぞ、おかけください」

お葬儀のご縁をお勤めさせていただいた後、棺の周りにご遺族・ご親族の方々がお集まりになられきれいなお花でお飾りなされておられました。

辛い時ですよね・・・

もう・・・これが最後か・・・

身を切られる思いで別れを告げあきらかにみつめようとされるひと時・・・

 

ここで奥様が一番好きだった曲を流されました・・・

坂本冬美さんの「また君に恋してる」でした。

じ~っと曲を聞きながら奥様のお顔を見ておられた御主人、さびのところでハンカチで涙を拭っておられました。

「発表会の時には送り迎えするのが恥かしくて・・・」って微笑んでおられましたが、

そんな日の楽しい姿が目に浮かぶのでしょうか・・・

気持ち良さそうに唄う姿なのでしょうか・・・

否、これまで共にしてくれていた夫婦の道のりだったのでしょうか・・・

 

音楽っていいですよね、懐かしいその日に帰れるっていうのか・・・

それと同時に当時の出来事、出会ってた人々・・・昨日のことのように思い出されます。

微笑むやら、涙するやら・・・

 

「また君に恋してる・・・」この歌詞そのまんまを奥様に手向けたのかもしれません・・・

否、奥様の声と聞かれたのかも・・・

 

自分の姿を重ね合わす時、棺に縋り崩れている自分が見えてなりません。

「私が看取ってあげればいいけど・・・」って控室でつぶやく坊守・・・

「たのむよ!オレ、耐えられないから・・・」

 

共にした数十年・・・

一緒に過ごしてくれてありがとう・・・

 

これかもず~っと一緒ですよ!