月のひびき (徳正寺だより)

“いま”出遇えた一瞬をパチリ
それは仏さまとの日暮らし…

線香之香

2011年06月22日 19時46分37秒 | 仏々相念(住職日記)

どうしたらいいんでしょう・・・

 

17日のご縁をいただきました。

まだ息子さん、娘さんご家族が残っておられお疲れの中にも穏やかなひと時をいただいたことです。

ここにご主人お一人になるのか・・・寂しくなられることです。

 

間の休みに、「お父さんがお一人になられるので帰り難いですね・・・」ってご長男さんにお話ししたところ、

「そうですね・・・でも、前を向いて歩かないと!」って微笑まれました。

そのお言葉に強さみたいなものも感じたことです。

本当にそうだよな~・・・でも、私は・・・いつまでも崩れていそうです。

娘との別れを思っても未だに寂しさを引きずります、大分慣れてはきたのですが・・・

これが死を通しての別れとなると・・・

 

そんなお話をしながら時が流れます。

「矢沢永吉、好きなんですか?」っておもむろに娘さんから聞かれました。

「えっ、よくご存じで!大好きです!」

「鞄のキーホルダーを見たものですから・・・」

「ライブとかも行かれるのですか?」

「はい!行っています!」

なんて話をしながらその場が和んできます。

キーホルダーも付けておくものです、こんな住職にでも話を振ってくださいますもんね!

 

穏やかになると質問もしやすくなるのでしょうね、「お聞きしたいんですが、いいですか?」ってご長男さん。

「お線香の立て方ってきまりがあるんですか?」

いろんなご縁をいただきながらそれぞれの宗派でのお香の味わい方、扱い方の違いをおもわれるのでしょうね。

「はい、浄土真宗ではお線香を2つに折り横にしてお味わいさせていただいております」

お香とは仏さまの香りであり、お浄土の香りであります。

だから横にしようが縦にしようが問題はないのですが、立てる場合灰の中が熱くなっていると根元で折れ畳等を燃やしてしまうことにもなりかねません。

故に、横に・・・

或いは、お抹香で時間を計っていたというところから横にすると聞いたことも・・・

何れにせよ優しい香りとなって包んでくださいます。

私は、お線香って大好きです。

自分の部屋で焚いては香りを喜ぶこともあります。

きれいな形ができるものだな~って思いながら煙を楽しむことも・・・

 

作法も大切ですが、一番大切なのはお立ち向かいくださる阿弥陀さまのおはたらきに気付かせていただくことでしょう。

いつでもどこでも一緒におってくださるおはたらき・・・

寂しいまんまが有難くなるのでしょう・・・

崩れながらも、また立ち上がり一歩ずつ・・・前へ!

 

優しいひと時をいただいたことです。