月のひびき (徳正寺だより)

“いま”出遇えた一瞬をパチリ
それは仏さまとの日暮らし…

涙之証明

2012年05月06日 21時57分34秒 | 仏々相念(住職日記)

別れって・・・

 

優しさに触れると涙が出ます。

優しさに包まれると反省します。

目の前の優しさに「ありがとう」いっぱいになります。

 

年老いた母を亡くされました。

喪主様は関東です・・・

儘ならん距離をどんな思いで帰られたのだろう・・・

最後に会った母の姿を思い、「あれが最後だったな~・・・」って悔む思いいっぱいに帰られるのだろうか・・・

 

よくお聴聞なされるお方でした。

娘さんにも「宇和島のお寺さんにお参り行ってくる」っとよく言っていたそうです。

穏やかで優しいその姿は娘さんの涙に証明されることです。

 

この喪主様は、このブログを読んでおって下さることです。

今までにほんの数回です、お会いしたの・・・

心が通わないお方は何度お会いしてもなかなか通わないが、通うお方は一回で通うのですね。

「徳正寺さんのブログ、読んでますよ。続けるって大変ですね。あのブログのお陰で徳正寺さんともの凄く近さを感じます。住職さんや坊守さんの優しさが伝わってきます。御門徒さん、皆さんそう思っておられますよ!」

まるで優しき母がその方に接したように私にその優しさを手向けてくれます。

遠く関東の地でこのブログを読んで下さっている方がいてくれる。

近くに思ってくれる。

グチグチ言ってばかりの言の葉の中に・・・

 

本当に書いていてよかったと思います。

私のしんどさを分かって下さることも嬉しいのですが、親しみを持って下さり微笑んで下さる・・・

この優しさに出会うと肩の力も抜け、ジワ~っと涙腺が緩むのです。

こんな汚い腹を抱えた住職をこんなに優しい笑顔で接してくれるとは・・・

反省しながら安心して泣かせていただいたことです。

 

今日、娘が関西に帰りました・・・

私も坊守もバタバタしてゆっくり話すことも出来ませんでした。

結局、娘の運転する車にも乗れず仕舞い。

娘がいると家の雰囲気が全然違うのです。

賑やかで明るくて・・・

新学期も始まりやっと慣れてきたのに、この寂しさにまた慣れるまでが一苦労です。

 

娘より一足先に出ました。

三門まで娘は勿論、坊守も息子も見送ってくれるのです。

両手で手を振る娘の姿・・・

愛おしくて堪りません。

何か曲でも聴かないと泣けちゃうので自動車道ではガンガンに掛けて走ったことです。

 

別れって辛いですね・・・

これが最後なんだと思うと切なくて・・・

でも、稀に会うことができればもっと嬉しくて・・・

だから、切なさを抱えつつも大切に生き抜こう!

また、会いたいから・・・

否、もう会っているんですよね、合わす御手の温もりとなって・・・

 

願生ります・・・

あなたがず~っと支えて下さっているから・・・

 

今日のお月さまもまんまるできれいでしたね。

寂しがり屋の住職は、フロントガラスやサイドガラスに身を乗り出すようにお月さまを確認するのです・・・

まるで、幼子が優しき母の手を握り、「お母さん・・・」と呼ぶように・・・

「おりますか・・・?」って。

「大丈夫、ここにおるよ!」って照らし触れとってくれる安心の中、カタカタコトコト・・・

 

娘もこのお月さまを観ていることでしょう・・・

勝ち気な娘はきっと歯を喰いしばりつつ・・・

泣いてたまるか!って・・・

一人じゃないから!

願生れ!!!