月のひびき (徳正寺だより)

“いま”出遇えた一瞬をパチリ
それは仏さまとの日暮らし…

部品欠品

2012年05月08日 21時36分49秒 | 仏々相念(住職日記)

欠品・・・

 

車の中は暑いくらいになりました。

こんな時は、躊躇わずエアコンON。

今月に入ってからでしょうか、そんな日になったのは・・・

 

どうもニコニコのエアコンの効きが悪いのです。

微妙な風が吹いてくるものの横で寝ている坊守は汗をかいています。

ま~それでも窓を開けるよりはいいやろってなもんでそのままにしていると御目覚めになられる。

「何か暑い?」って尋ねると、

即答でした、「暑いね!」

速攻で窓を開けると涼やかな風が車内に吹き込んできます。

「あんまりことよ!」て2人で笑ったことです。

 

ニコニコを信号待ち等で止めると「ジ~~」って嫌な音が・・・

これはイケンやろってことで見てもらうことに・・・

どうもガス漏れがあるようで殆どガスも入っていないような状態。

とりあえずガス入れて酷いようならまた考えようということに・・・

しかし!

そのガスも入りません・・・コンプレッサーが壊れている為に入らないのだとか。

「え~・・・」

 

今日の夕方、友だちが見積もりを持って来てくれました。

車も古くなると部品が無くなるとは分かっていましたが・・・

コンプレッサーも中古の見積もりなのです。

「中古で十分!新品も探せばあるだろうけど何時になるか分からんよ!」

その下に書いてあるホースに至っては欠品!

続く他の訳の分からない2,3の部品も「欠品」って書かれてあるのです。

しかも、無茶苦茶高い!

「ひえ~、何とかしてよ!」

とりあえずコンプレッサーを交換せん事には始まりません。

コンプレッサー交換とガス注入から始めようということに・・・

泥沼です。

 

話好きの友だちが言うのです。

「部品交換は簡単だけど人の問題って大変だよね!」

私は外の世界を知りません・・・

私らの年代になると会社ではいいポストになっているのですね。

勿論、そいつの努力があってのことなのでしょうが・・・

人事について切ない胸の内を聞かせてくれるのです。

移動に際し能力のある者はどこの部署からも引っ張られ、能力のない者はどこからも必要にされないのです。

能力のない者にどう言うのか・・・

はっきり言うんだそうです、「お前はどこからも必要とされてないんだ」って・・・

すると、言われた本人は愕然とするんだとか・・・

「人間皆、自分の事を過信しているから・・・「エッ・・・」って顔してるよ。まさかオレが!って・・・でも、それだけで終わってしまってはいけないからちゃんとここと、ここが足りないんだからそこガンバってみろよ!って。そいつの人生の事になるもんね、ちゃんと言ってやらないと。人の問題ってしんどいね。」

「生きる」って大変です。

 

寺に生まれ、寺の中で育ち、寺の中で生きていく・・・

この時代の中において「住職でござい!」なんて時代ではないのでしょう。

「だから何?・・・住職、何様?」

こんな時代だからこそ僧侶の生き方も問われているのだと思います。

先日のホールの控室にも「看却下」の文字が・・・

門徒の方々じゃなく僧侶の有様が問われているのだと私は読ませていただきました。

 

御門徒も菩提寺だからっていつまでもお付き合いしてくれません。

僧侶の有様を見ては「必要ないから!」って切られてしまいます。

「こことここが足りないから・・・」って言われれば見つめることが出来る我が足元かも知れませんが、自惚れている生き様にはそんなことは他人事なのでしょう・・・

 

だからって言って、お世辞言ってどうこうっていうことではないのです。

当たり前のことを当たり前のこととしてしていくことの大切さだと思うのです。

「有難う」のなかに生かさせていただいているんだと・・・

「お陰さま」って生かさせていただくんだと・・・

 

コイツの問題と聞かせていただいたことです。

コイツの有様、欠品だらけ・・・

このまま何とか騙し騙し生き抜くのか・・・

上辺だけの「有難う」「お陰さま」・・・

 

ニコニコさんの存続について夫婦会議。

「どうする・・・」

「でも、車を変えるとしてもニコニコの代わりって何?」

思い付かないのです・・・

ニコニコに変わる車がないのです・・・

「ないよね・・・」って結論に。

修理しながら共に歩むことに・・・

 

お前しかないんだ!

お前じゃなきゃいけないんだ!

この有様、このまんま曝け出し欠品続出の人生を支えて下さるあなたでしたね・・・

そのこと気付ける寺に私はしたいな~・・・

 

阿弥陀さま・・・


誕生之日

2012年05月08日 20時45分09秒 | 仏々相念(住職日記)

昨日は、私の・・・

 

出棺の御縁の帰り道。

皆さんと一緒にマイクロバスに乗せていただきホールへと向かいます。

 

私は、出棺の帰り道ってもの凄く疲れています。

火葬場の御縁ってしんどいですもんね。

いろいろ考えさせられて、出来れば一人の方がってひと時になります。

いつもやないか~ってつっこまれそうですが・・・

 

私の斜め前には故人の娘さんが座っておられました。

私は、いつものように「ボェ~」って外の流れる風景を観ています。

すると、私にその娘さんが話しかけて下さるのです。

有りし日のお姿、御葬儀のご縁の感想・・・そんな話の中、

「実は、昨日は私の誕生日でした。自分の誕生日と母の死が重なるなんて・・・忘れるなっていうことなんでしょうか。」って微笑まれながらおっしゃるのです。

「そうですね・・・大切な日になりましたね。」

 

その後の御縁では、そのことをお味わいさせていただいたことです。

今生に命いただいた時も母のしんどさのお陰で「オギャ~」って命の宣言をさせていただきました。

その数十年後、その母もまた今生での命終え御浄土に往き生まれさせていただく。

「大丈夫、大丈夫!」とひと時の休みもなくず~っと阿弥陀さまに抱き取られていた命は御浄土に往生させていただくのです。

阿弥陀さま・・・あなたひとりのおはたらきによって往生させていただきます。

故に又、母も仏さまのおはたらきとなり私のところに還ってくださり抱きしめて下さるのですね・・・

この私を往生させんがために・・・

御苦労掛けっ放し・・・

 

有難いことです。

この煩悩まみれの私を今生に生み出そうとするだけでも母は自らの命をかけておはたらきくださる。

それが御浄土であります・・・煩悩まみれの人間世界ではなく仏さまの御国。

御浄土にコイツを生まれささんがための御苦労を思えば・・・申し訳ないことです。

このイガイガトゲトゲの私ですから・・・

どれだけの御苦労か・・・

ちょっとでも「良いヤツ」にならなければと思うのですが・・・

 

どのようなことを思われた誕生日だったのでしょうか?

その時思ったこともいつしか忘れて日暮するようになります。

こんな大切な事すらも忘れて「生きる」ことのためにガムシャラになります。

でも、己が誕生日の時だけでもこの大切なことを思い出すことができればいいですね・・・

 

忘れて生きる己が愚かさと忘れて下さらんあなたの優しさに気付きながら・・・

 

己が誕生日と大切な方の御浄土の誕生日か・・・

 

あ~・・・今日もまた美しい月の光がコイツの心に響き流れて下さっていました。

有難うございます・・・


いま…ここに…のはなし

2012年05月08日 19時01分37秒 | ふうわりふわり(坊守日記)
今日は父のお浄土の誕生日(祥月命日)です

早いもので、九年の歳月が流れました

今なお、心残りがたくさんあります

「ごめんなさい…」

と、ちいさく呟いては、身の置き場のない悲しみに、ひとり膝を抱えて泣くこともあります


そんな私の涙をその御手に受けてくださり

震える背中を抱いてくださるは

阿弥陀さまのお心でありました


「摂取心光常照護」
阿弥陀様のまことの光は、いつもいつも…私を照らしてくださっています


いま…ここに…

いてくれたのね、お父さん…