11月になりました
境内の石蕗(つわぶき)の花がきれいです
風がひんやりとし始めるこの頃に咲く石蕗の花をしゃがんで見ていると、ふるさとの山寺と母のことを思い出しました
母我をわれ子を思ふ石蕗の花
(中村汀女)
もう知らせてくれるな・・・
お参りさせていただき大勢がお参りだと間の休みも世間話で終わったりします。
それはそれで話すのが苦手なコイツには問題もないのですが、
少数でのご縁をいただくと時には深い話になったりします。
故郷のこと・・・
御主人との出会いのこと・・・
子どものこと・・・
孫のこと・・・
苦労したこと・・・
泣いたこと・・・
嬉しかったこと・・・
知らなかったことエトセトラ、聞かせて下さったりします。
へ~・・・
ホ~・・・
合いの手よろしく話も盛り上がります。
お年を重ねてくると身体が思うように動かなくなります。
海を渡った故郷も遠くなることです。
「何があっても知らせてくれるなよ。もう行くこともできないし・・・こっちも言わんからな~」
もう絶縁状態なのです。
でも、そんなことをおっしゃりながら元気で故郷に帰っていたころのことをお話し下さる。
「年に2,3回は子や孫を連れて帰っていました。船に乗り汽車に乗り帰っていたのです。」
故郷に帰るときょうだいがいてくれて楽しく過ごすことができた。
懐かしい故郷の風景が浮かぶのでしょうか・・・
楽しかったひと時が思い出されるのでしょうか・・・
瞳がだんだんと潤むのが分かります。
故郷に帰るとこっちに帰りたくなくてね~・・・
切なさいっぱいを感じたことです。
「ふるさと」いいもんです!
「さあ、帰ろう!」ウキウキしながらそう呟き、帰ったらあれを作ってもらおう!これも・・・って胸いっぱいにしながら帰るのです。
「気を付けてお帰りよ!」
お浄土を仕立てあげて下さっていたことに感謝です。