明るい陽が差す暖かい昼下がり
「今からお寺へお参りするので、お経さんをあげてほしい」とのお電話をいただきました
少し前からご病気をされ、なかなかお寺参りもままならなくなったTさんです
お参りに来られてお話を伺うと、13日がお舅さんの祥月命日で1日早いけれど、今日は具合もよく、晴れてあたたかいので、今日ご法事をつとめたいとのことでした
ご仏前にお灯りをともし、お香をお供えし、Tさんとふたりで『阿弥陀経』をおつとめさせていただきました
息が苦しい中にお経を読んでくださるかすかな声
「なもあみだぶつ…なもあみだぶつ…」
と、Tさんのお念仏の声が背中に聞こえます
ふたりだけのおつとめが済み、ご法話をさせていただくのに振り向くと、にこ~っと微笑まれながら
「今日がよかった、今日でよかった、明日ではお参りできんかったかもしれんけん、今日がちょうどよかったんです」
と仰るTさんの目には涙が…
そうですね、ただ今が阿弥陀さまの御手の中…
そして、合わす手の上にたくさんのたくさんの仏さま方々の御手が重ねられているのですね
なんとも、ほっこりあたたかいご縁でした
ありがとうございました
(写真は、おとなりのおばちゃんのお庭の柿の実です。実りの秋、おみのりに出遇う秋のひと日です)