月のひびき (徳正寺だより)

“いま”出遇えた一瞬をパチリ
それは仏さまとの日暮らし…

父母送迎

2012年11月23日 21時16分59秒 | 仏々相念(住職日記)

娘がね・・・

 

ご縁をいただき手を合わさせていただく時、やっぱり何かを思うのでしょうね。

日々、思ってもいなかったこと・・・

目の前に座る人の命・・・

自分の命・・・

 

あ~、やっぱり死ぬんだ・・・

頭のどこかでは理解しているような自分の死ではあるけど、

間違いなくあるんだと教えて下さるのが大切な方のご縁なんでしょうね。

 

今日、ご門徒とお話しするのにお嬢さんの話になりました。

「今日は、帰られなかったのですね。」

「仕事の都合で帰ることができませんでした。でも、先日帰っていたんですよ。」

九州におられるので帰省されるときはフェリーで八幡浜に降りられます。

八幡浜まではお父さんが送り迎え・・・

道中、いろんなことを話されるのでしょうね。

迎えに行くときにはルンルンであれもしてやろう、これも・・・って心が弾みます。

がしかし、送って行くときは辛かろうと思うのです。

コイツもそうです・・・涙が出ます。

 

「帰る車の中で娘が言うのです、一度でも多く帰ってくるからね。沢山の思い出つくってた方がいいから・・・」

「なるほどね~・・・優しいんですね。」

 

お爺ちゃんやお婆ちゃんのご縁に触れつつ思ったのでしょう。

会えなくなるのならせめて思い出を・・・

これで十分ってことはないのでしょうけど一つでも多くつくっておきたいって分かる気がします。

いいものですもんね、思い出・・・

 

でも、お念仏の世界は思い出だけでは終わりません。

そこに必ずおはたらきがあります。

手を合わす温もりとなり、喚び続けておってくださる声となる。

 

だから、涙を流すだけでは終わりません・・・

生かさせて頂こう・・・そう立ち上がれるおはたらきとなってくれるのでしょう。

 

見送る港での別れというのも辛いものがあります。

フェリーが見えなくなるまで手を振りました・・・

娘のそんな心を聞いた後でしたので涙が流れてしょうがなかったです。

 

お嬢さんもきっと船の中で歯を食いしばって思っていたでしょう・・・

ご両親の優しさを胸に、「願生ろう・・・」

きっと・・・

 

願生っていきましょう!