月のひびき (徳正寺だより)

“いま”出遇えた一瞬をパチリ
それは仏さまとの日暮らし…

柔道兄妹

2010年07月28日 19時23分57秒 | 仏々相念(住職日記)
受け身していい?・・・

お爺ちゃんの17年忌法要でのお参りでした。
お婆ちゃんと孫2人でのご縁となりました。

お孫さんは、小5の男の子と小2の女の子。
今生に命いただいた時にはお爺ちゃんは仏さまになられていました。
だから、お爺ちゃんを知りません。
「この2人が来てくれることが一番主人が喜ぶような気がして・・・」
例え顔を知らなくても合わす御手の温もりを通して何か感じて下さったかも・・・

この2人は柔道をされているのだとか・・・
「すごいね、2人で行っているんだ! かっこいいね!」
妹ちゃんは、活発です。
跳び込みの受け身を見せてくれるのです・・・
ダダダダダって走って来て前転からの受け身です。
平生、忙しくしておられるお婆ちゃんに見せたかったのかもしれませんね。
大変上手にできました!

このご主人がお亡くなりになられた時、愛用されていた腕時計が枕元に飾られていました。
カチカチカチと動く秒針・・・
一つの命亡くなろうとも時が流れる・・・
それを見ながら、ふっと思ったことです、
「大丈夫、ここにいるから! いつでもどこでも・・・」

同じ時を共に歩んでくださっているのですね!

17年前のことを思い涙するお婆ちゃん、
がんばり屋のお婆ちゃんが泣かれるので両脇のお孫さんが戸惑っていました。

今日ぐらい、泣かせてあげてね・・・
又、明日からお婆ちゃんガンバれるから、きっと・・・

ちいさな物語のはなし

2010年07月27日 21時14分07秒 | ふうわりふわり(坊守日記)
Yさんのお宅のご法事にお参りさせていただきました。

Yさんの奥様は趣味で陶芸をされていて、おうちには素敵な作品があちらこちらに飾られています。
花入れ、ランプシェードなどのほか、ちいさな動物の置物がたくさんありました。

それが、とってもかわいいのです。


ピーターラビットを思わせるようなウサギさん。
レタス畑にいそうです。


愛嬌たっぷりのネコちゃんたち。楽しいおしゃべりが聞こえてきそうです。



飼い猫のミーちゃんがモデルかな?



箱に入った子犬ちゃん。
拾ってきた子どもとお母さんのやりとりが聞こえるようです。



そして、おみやげにいただいたメモをくわえるわんちゃん。
のんきな顔でなごみます。


他にもたくさんありましたが、ひとつひとつの作品に物語があるような気がします。

ちいさなちいさな物語。

その物語を紡いでいく奥様は、とても優しい笑顔で笑っていらっしゃいました。



ちいさな物語の主人公たちです。




悲之笑顔

2010年07月27日 20時56分56秒 | 仏々相念(住職日記)
しんどいことが・・・

あるホールでご縁をいただきました。
こんな外面ばかり飾っているような者をホールの方々も住職として迎えて下さいます。
恥ずかしさいっぱいの中、優しさに甘えてきました。

「あの~、徳正寺さん・・・」
そのホールで働いておられる方がお茶を御接待して下さりながら話しかけて下さいました。
「実は、以前切ないことがありお参りさせていただいたことがあるんです。」
余程つらかったのでしょう、薄っすらと涙を浮かべながら一生懸命涙を堪えながら語られます。
「え~、そうなんですか! ようお参り下さいました。」
「自由にお参り下さいって書いて下さっているので度々お参りさせていただいているんです」

思いがけず、悲しくも優しい笑顔で語って下さることに嬉しく思ったことです。

徳正寺の本堂が安心して涙を流せる空間になっていてよかった・・・
たった一人でも・・・
又参らせていただこうって思って下さっている方がおられるって私にとって強い励みになることです。

ある講義でこんな話をして下さった先生がおられました。
女子学生さん、親とケンカして家を飛び出します。
行く宛てもなくフラフラ街を彷徨います。
するとお寺の前を通り掛かったとか・・・
閉ざされた三門、こんな夜にお参りしたらきっと迷惑に違いない・・・
そう思い寺の前を通り過ぎてしまったとか・・・
次に通りかかったのが教会、ここは開いているのかなってドアを押すと開いた・・・
教会の空間に座ると、「あぁ~、ここでワ~ンって泣いたらきっと誰かが出て来てくれて私の話を聞いてくれるんだろうな~」って思うと安心したし、又生きて行こうって思ったのだそうだ・・・

この話を聞きながら、我が寺も各ありたいなぁ~って・・・
正直、三門は開いているものの安全上夜間は本堂の施錠はしております。
でも明るい内は出来るだけ戸もすべて開けお参りし易いように心がけています。

ふっと立ち寄りお浄土の美しさを感じながら、安心して泣いていただけたらと思います。
ひょっとして庫裏までは泣き声は届かないかもしれませんが、お声を掛けていただければこんな住職ですが一緒に座らせていただきますよ・・・
返って大きな顔が邪魔な存在になってしまうかもしれませんが・・・
そんな時ははっきり「邪魔です」って言って下さいね!

仏さまが寄り添って下さっていますもんね・・・
安心、安心・・・

輪袈裟衣

2010年07月26日 22時04分03秒 | 仏々相念(住職日記)
情けないな~・・・

そんなことしか言えんのかって思うような低俗さ。
もっと自らのことを自覚しなくては恥ずかしすぎる。

自らが吐く一言。
その言葉によって傷付いている人がいることに気付かないのか!
当人にとっては悪気もなく、何気ない会話なのかもしれません、
でもね・・・傷ついておられたのでは・・・?
私は、その場にいなかったために何のホローもできなかったのですが、
言われていたご本人を知る私にとっては悔しくてたまりませんでした。
明るくて、笑顔の可愛いお方です、多分顔では笑いながら心で泣いておられたでしょう・・・
すいません、力になれなくて・・・

御衣・輪袈裟って有難いですね。
こんな人でもそれらを身に着けさせていただくと僧侶として迎い入れられているかと思うと勿体なく思うし、
又、こんな人でも僧侶として接してくれるご門徒様の有難いことか・・・

「悪しきも手本」ということがありますが、改めて自分はどうかと思わさせていただいたことです。

私もこの人らと同じでありました。
先日、息子がしんどい思いをしている時に声を荒げて叱ってしまいました。
荒れた言葉を吐きながら後悔し急ぎ外に出た・・・
「ゴメンよ」その一言が出ないままの私に大人の息子は優しく接して下さるのです。
ちっぽけな、本当にちっぽけな自分が見えてしようがありません。

今年も矢沢永吉が夏フェスに進んで出演されているとか・・・
夏フェスというのは、いろんなアーティストが出演されるお祭り感覚のライブなのです。
その夏フェス会場での極一部の矢沢ファンの素行が問題になっているようです。
他のアーティストが出演している時に笛を吹いたり永ちゃんコールしたり割り込みしたり・・・
「こんな行為をするファンがいるのなら矢沢さんは出演しないで下さい」って言う声もあるとか・・・
極一部です、その極一部のお陰で永ちゃんは勿論他の永ちゃんファンも同じに見られるのです・・・悲しくないですか・・・悔しくないですか・・・
「ちっとは自覚しろよ」って言いたくなります!

どの世界にもこんな人間がおることに悲しくなります。

できれば真実の涙のなかに愚かな自分を見つめることのできる私でありたい・・・