草むしりしながら

読書・料理・野菜つくりなど日々の想いをしたためます

私のふるさと

2018-09-30 14:25:42 | 草むしりの幼年時代
 子どもの頃に「明治百年」を記念して、お歴々方による植樹祭が開催された。たぶん通学路の坂道の途中辺りに植えられたのだろう。「百年前は江戸時代だったのか」と坂道を上りながら、子供心に思ったことがある。

 通学路は今では道幅が広くなり真っ直ぐになったが、途中にある坂道は長くて急で変わらない。上りつめた所にある家で、学校帰りによく水を飲ませてもらった。優しいお姉さんとお婆さんが、井戸の水を汲んでくれた。  
 
 また坂道の近くには、百歳を過ぎたお爺さんの家があった。一度だけ小さくて皺だらけのお爺さんを見たことがある。人間は百年経つと梅干しみたいになるのかとその時感じた。

 今年は『明治百五十年」になる。あれから五十年も経ったなんて。お爺さんの深い皺に百年の時を感じた私も、すでに老人の域に達した。だが中身方はあの頃と大差無い気がする。

 さて古いお爺さんの家には今でも百歳近いお爺さんがいるが、先代のお爺さんより皺が少なくて大柄である。それから優しい家の今ご当主さんもやっぱり優しくて、私が行くと「オロナミンC」を飲ませてくれる。

 私の暮らすふるさとの土地も人も、多少の変化はあるにせよ根本は昔と変わらないのではないか。