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古事記あらすじ14

2019-12-01 06:25:17 | 古事記
内田英雄文 古事記あらすじ14

第五章大国主命

㈨ねずみの声

   須佐之男命は弓と矢を持って、命を連れて広い草原にお出かけなりました。そして「生弓矢がほしければ、自分の力でとってまいれ」と、矢を遠くに射ました。

 この広い野原の中から、一本の矢を探し出さなければなりません。命が懸命に矢を捜していると、突然草原から火が出ました。命は炎に取り囲まれて、逃げることが出来ません。

 もう終わりだと思ったとき、小さな白ねずみが現れ、「内は洞穴、外はぶすぶす」と鳴きました。命が地面を強くお踏みになると、大きな穴があき、命はその中に落ち込みました。おかげで命はたすかりました。

 ねずみにお礼をいって外に出てみると、外はいち面の焼け野原です。あの矢もさっきの野火で焼けたのかと、命が考え込んでいると、子ねずみたちが一本の矢を担いできました。

 子ねずみたちが羽根を食べてしまったのですが、確かに命が探していた矢です。命は矢を持って須勢理毘売の元に帰ってきました。

㈩逃げる大穴牟遅命

 しかし須佐之男命は羽根を無くした罰に自分の頭のしらみを取れと仰せになりました。しかし須佐之男命の頭には、大むかでがうようよとたかっています。すると須勢理毘売が、赤土と黒い椋の実を渡しました。命はそれをかみ砕いて、吐き出しました。それは、むかでを噛み潰したように見えます。

 須佐之男命はすっかり気を良くして、うとうとしています。須勢理毘売が天詔琴(あまののりごと)を弾き始めると、すやすやと眠っておしまいになりました。その隙に命は生太刀と生弓矢、神々を呼び出すとこの出来る天詔琴をお持ちになり、須佐之男命髪を柱に縛り付けて、姫と一緒にそっと家を抜け出ました。

 ところが琴の音で目を覚ました須佐之男命が追いかけてきました。けれども姫を妃にして命には大国主神(おおくにぬしのかみ)なって、出雲の国を治めるように仰せになりました。

 兄さんたちは降参して命の家来になり、それから出雲の国はいっそう栄えました。