闇と光の慈愛のコントラスト(97)新たな時
==第二章、闇と光の決着==
--新たな時(010)封建制度②--
トラベバが若者を呼んできた。
20人の若者は、入って来て部屋の隅(すみ)に固(かた)まって立った。
ブリンスが声をかける。
「昨日の戦いに参加したものに褒美(ほうび)を取らせようと思い。
集まってもらった。
ご苦労でした」
闇の種族と戦った若者の中にブリンスの息子ゼーデェがいた。
「皆の者に称号を与える。
騎士(ナイト)と名乗るが良い。
そして、給金(きゅうきん)を与えるものとする」
ブリンスが褒美について述べた。
「皆もこれで了承(りょうしょう)願います」
ブリンスは、他の4人の執務院にも決議を求めた。
「了承した」
執務院の4人は答える。
始めの5人の子孫の残りのものは執務院の所属となった。
言い忘れてました。ごめなさい。(筆者です)
「一月ごとに支給し、十分生活出来る額とする。
額については、後(のち)ほど決定する。
よろしいですか?
王ブリンス」
ロイアナが付け加えて発言した。
「ザワザワザァワ」
「王?」
「王ブリンス?」
20人の若者は、『王』と聞いてざわついた。
そして、ブリンスの息子ゼーデェを肘(ひじ)でつつく。
ゼーデェは、恐る恐る口を開いた。
「お父様。王とは?
どう言うことですか?」
「血縁だけでは、この光の種族の発展はないと感じた。
そこで、王政を敷くことにした。
みんなの意見で私が最初の王となったのだ」
ブリンスは、掻(か)い摘(つま)んで説明した。
「おめでとうございます。
私たちも今回のことで、
皆で団結して種族を発展させるべきであると思っていました」
ゼーデェは、若者を代表して答えた。
「残りの血筋の4人を執務院の所属として、
ロイアナを執務長とした。
この5人は、全部の民の長と言っても間違いではない。
なぜなら、この5人の先祖から全ての民は生まれたのだからだ。
いみじくも我が先祖は、神から種族を纏(まと)める長(おさ)を仰(おお)せつかっている」
ブリンスは、尚(なお)も説明しかけたが。
「ここからは、私が説明する。
実務を担当するのでな」
ロイアナが遮(さえぎ)り後を受け持って話し始める。
「今回の神様から頂いた土地をどうするかだ。
差し当たって増えた畑の世話が急務(きゅうむ)である」
「ちょうど、自分の土地を持たないものが増えていました。
それが理由で生活に苦しむ者もいます。
とりあえず、今日は、私たちが見るとして、
農地を世話するものを募集しましょう」
ゼーデェが、発言する。
「それは、良い考えかもしれんな」
ロイアナは、頷(うなず)いた。
後のものも、王も頷く。
「土地は、ブリンス王のものとしています。
土地を耕(たがや)すものが作物から得た利益のから税を取るとする」
ロイアナは、付け加える。
「元来、土地は、神様から私たちが頂いたもの。
他のもの。全ての種族のものからは税金をとっても良いのではないですか?」
若者の一人が発言する。
「小麦を代価にするのは、もう限界と話し合った。
そこで、通貨が必要であると認識に至った」
パアソネが発言する。
「農業以外職業のものも増えてきています。
農地から離れたそうような人。
ものを流通させるものが集まる街も必要ではないでしょうか?」
若者の一人が発言する。
「ちょうど、鉄の鉱脈を探していて、金塊が見つかりました。
通貨の元となると考えています。
だが、多大な金塊を発掘する必要があります」
パアソネは、続けて発言した。
「話は、進みだしている。
課題も多く出た思う。
だが、今日は、大分遅くなった。
この辺で解散しましょうか?」
ブリンスは、議会を終えることを決断した。
「明日から、やることは、目白押(めじろお)しにある。
今日は、これで休め」
ロイアナが締めくくろうとする。
「1、農地の世話。
2、金の発掘、通貨、ものの流通。
3、税制、王政の制度の確立。
4、街・城の建設。
5、道具の増強。
今後の作業とし、
今日のまとめとする」
ペアソネが、締(し)めくくり発言した。
「今日は、新しい農地を見回ることを忘れないように。
明日、新しい農地を耕すものを募集しよう。
金塊を探すもの。
その発掘の道具を作るもの。
農具も。
これらも若者が主体とする。
リーダーは、ゼーデェに任せる。
良いか?
我々も遊んではいない。
各種の制度を制定する」
ブリンスは、最後に告げた。
「了解しました」
皆のものは、返事し解散した。
つづく。 次回(封建制度③)
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