ひろひろの生活日記(LIFE Of HIROHIRO)

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0258_神々の戦い(027)裕也の冒険-時の魔法人の門⑥-

2020年10月20日 20時40分12秒 | 裕也・冒険日記(自作小説)

0258_神々の戦い(027)裕也の冒険-時の魔法人の門⑥-


--(2)慈愛の試練②--

その長(おさ)は、女性に言った。
「この病気は、闇の民の仕業だ。
 恨(うら)むなら闇を恨め。」
そして、手を赤ん坊に当てようと伸ばす。
闇の若者は、見た。
その手からは、黒い怪しい妖気が出ていた。
若者は叫ぶ。
「だめだ!
 触るな!
 その手に触らせてはいけない!」
その長は、赤ん坊に触れ、若者に放り投げた。
若者は、その赤ん坊を受け止めたが、
赤ん坊の体は、みるみる爛(ただ)れていく。
だが生きている。苦しみ悶(もだ)えている。
「おのれ!悪め!」
若者は、渾身(こんしん)の力を手に込めて放った。
力の弾は、長(おさ)を目掛けて飛んで行く。
「ドゴン。」
力の弾は、命中した。
すると長の顔は、憎しみで歪(ゆが)んでいく。
本性が現れる。
姿は、白衣に変わる。
「我は、神。
 さらばだ。
 恨むなら己の闇を恨め。
 あははは。」
そう言って飛び立って空高くに消えた。
若者は、絶望のあまり思った。
「この者たちが、もう治らない病ならば、
 寿命が来ているならば、」
怒りで叫びだしそうだったけれど、心を抑えた。
そして言う。
「寿命ならば、安らかに死を与えたまえ。」
そして、拳を握った。
安らかな気持ちを街中に送った。
抱いていた赤ん坊は泣き止み体から光る魂が浮かび上がる。
そして、天に昇っていく。
街中の苦しむ人たちの体から光る魂が浮かび上がる。
そして、天に召(め)される。
若者の手には、青の宝石が握られていた。
天空から声が響く。
「それは、命を奪(うば)う宝石です。
 あなたは、確かに慈愛がある。
 それをあなたに与えよう。
 それは、あなたの思いと
 死ぬ者の資格によって力をだす。」
天の声は消え、辺りは真っ白な光に包まれた。

つづく。 次回(時の魔法人の門⑦)

 


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