0290_神々の合議(015)裕也の冒険-地獄の業⑧-
--地獄の業⑧灼熱地獄--
灼熱地獄(しゃくねつじごく)は、人を焼き殺した火災の罪を償う地獄です。
5人は、入れそうな大鍋が火にかけてある。
「グツ グッ グッ グツ」
お湯が煮立っている。
鬼たちは、「ナムさんだ」と叫び、
裕也を持ち上げると放り込んだ。
湯気が、一瞬で立ち込める。
(熱くない)
地獄の妖精が気化して温度を下げたのである。
良い湯加減に変わった。
「どうだ!熱いか!」
鬼たちは、安心した。
「ちょうど良い湯加減です」
裕也は、答えた。
「もういい。上がれ!」
鬼は、楽しそうである。
裕也は、鉄の鍋の縁に手をかけた。
「ジュゥゥゥ」
手が火傷(やけど)した。
(しまった。不用意だった。痛い)
手は、白くなり、そして、また、血が通い始める。
裕也の手の痛みが走るが徐々に消えいく。蘇生したのである。
裕也は、気を付けて飛び出た。
(宿業があったのかなぁ。用心しないと。慢心はいけない)
「次は、冷風地獄だ」
鬼は、告げる。
つづく。 次回(地獄の業⑨-冷風地獄-)
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