0268_神々の戦い(037)裕也の冒険-未来とのつじつま-
--未来とのつじつま--
若者たちは、戦いに勝利した。
光の民は、まだ、時空に静止したままである。
洞窟で隠れていた闇の民は、この勝利に喜んだ。
しかし、捕らえられたものは、どうにかならないものか。
闇の長は、裕也に願い出た。
裕也は、暫く自分で考えた。
しかし、答えはない。
途方に暮れて、知識を持つ知識の若者がいることに気づき、
そして、若者に問いかけることにした。
「何か捕らえられている者を救出する手段はないのですか?」
知識の若者は、知恵を巡らせた。
「あのイリウスです。
死の時空に閉じ込められているか、
もう、生きてないかもしれません。
しかし、私も知人が捕らわれています。
呼び出してみましょう。」
慈愛の若者(ジェデア)に頼んだ。
「お前の石は、命を奪(うば)うことが出来るならば、
命を呼び出すことも出来るはずだ。
一度、試してくれませんか。
名前は、ファイゥスです。」
ジェデアは、試みてみた。
宝石に力を注ぎ、
「闇の力を貸したまえ。
ファイゥスを呼び出したまえ。」と念じた。
宝石は、答えた。
目の前に暗い霧が現れ、その中に男性の姿が見えた。
そして、口早に語った。
「我々は、死んだ。
しかし、脳を銅で固めれられ閉じ込められている。
天国にも地獄にも行けず。
身から離れることが出来ない。」
そう言って消えた。
(未来で光の民は、銅漬けにされている。)
裕也は、未来に起こる通りに、行わないといけないことを悟った。
「捕らえている光の民を殺し、その脳を銅漬けしましょう。
生まれ変われぬように、
そして、未来での取引の為に。」
それは、惨(むご)い作業でした。
首を刎ね、頭蓋骨を割り、脳を取り出した。
銅漬けは、知識の若者自身で行った。
脳を両手で持ち、銅で脳を覆(おお)った。
洞窟の奥、裕也が現れた壁に、裕也自身が次元の歪(ひずみ)を作り、
誰も通れぬようして、その中に祭壇を作り、奇麗に整理して並べた。
作業は、終わった。
(あ!ところで、俺は、どうやって帰るの?)
裕也は、ただ立つ。
呆然(ぼうぜん)と過去に立ちすくしていた。
つづく。 次回(過去の監視者)