不思議なハートの力00080-光と闇の第二回戦-
--光と闇の第二回戦(004)--
「闇夜魔相乗剣(あんやまそうじょけん)」
「光輪剛無双剣(こうりんごうむそうけん)」
アクティスとイクタスは、剣を振り下ろした。
イクタスは、全身の力を込めて一撃必殺の剣を振り下ろす。
これ以上、強い力はないと言うほどの力強い。
金白の光輝く輪がアクティスに向かって発せられる。
アクテイスは、1回剣を振った。
品矢(しなや)かな黒い気が、剣の太刀筋に発せられる。
しかし、これでは、光の剛の輪に粉砕されてします。
「だめ、そんな非力では!」
真菜美は、叫んだ。
素早く、もう一回ふる。
1回目の剣の筋と2回目の剣の筋が重なる。
そして、アクティスは、数回振った。
剣の筋は、重なり力を増していく。
そして、イクタスの剣の光の輪とぶつかった。
だが、イクタスの剣は力強い。
アクティスの黒い太刀筋が粉砕されるように思えた。
アクティスは、更に剣を振っていた。
黒い太刀筋がどんどん太くなる。
そして、イクタスの光の輪を切り裂いた。
「ビュ。ビューーゥ。ビュューーーーゥ」
イクタスの左肩をかすめる。
イクタスは、かろうじて黒い太刀筋を避けた。
「うぅぅ。うぬわ」
アクテイスは、素早く剣を振り続けている。
黒い太刀筋がイクタスを八方から襲い掛かる。
イクタスは、自分に腹が立った。
(こんな闇ごときの剣に手こずるとは)
渦(うず)を巻くように体を回転させた。
そして、回転しながら剣で球を描(えが)いた。
黒い太刀筋を一瞬で剣が薙(な)ぎ払う。
そして、回転した力そのまま、全身の力を込めて剣を大きく2回、右斜め左斜めと振った。
光の輪が重なりバツを描きながらアクティスに向かってくる。
アクティスも、剣を振り続けている。
しかし、イクタスのバツの光の輪は、黒い太刀筋を粉砕する。
「うぅ。間に合わない。
私の黒い剣がー-ぁ」
光の輪はアクティスに襲い掛かった。
アクティスは、剣を体の中心に固く構え、体に力を入れて防御の体制をとった。
「ドォゴーーーン」
爆発と言った方が良いかもしれない。
アクティスの体は、吹っ飛び倒れている。
真菜美は、固唾(かたず)を飲んで見守った。
「う。負けたの?」
「ピク。ピク」
アクティスの体が動いた。
「まだ、生きている。
勝負はまだついていないわ」
アクティスは、力を振り絞り立ち上がった。
「あ!顔つきが変わった」
朋子の口から言葉がもれた。
確かに顔つきが変わっている。
「え!アクティスさんじゃないの?」
真菜美も気づいた。
イクタスもその顔の変化に気づく。
「お前は!知っているぞ。
光の民に捉われ、戦争の種になった。
アイリス」
アクティスを名乗っていた闇の神は、昔、光の種族に捉われ拷問にあったアイリスであった。
つづく。次回(光と闇の第二回戦-古き記憶-)つぎこそアイリスの記憶が蘇る。それが、何を引き起こすか…
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